クラフトビールを...買いに行こう #Taihu Tokyo
気がつけば一ヶ月近くお休みしてしまった... 。
先日、Taihu Tokyo の限定再オープンに行って、台湾料理を堪能したりビールを買って帰りました。そしてなんと、この9月からレストラン & ボトルショップ業態で営業再開したようです!...という話。
◆
台湾のクラフトビールの筆頭格とも言える臺虎精釀(Taihu Brewing)。数年前から日本でも紹介されてきていた同社は、昨年6月には神楽坂に国内初の直営パブ Taihu Tokyo をオープン。私も昨夏お邪魔したところ、本国同様の新鮮でキッチュな Taihu 流クラフトビールを楽しむことができた。かつて台湾旅行で飲んだ味が都内で楽しめるとは・・・!
残念ながら本年3月には営業を終了してしまった同店だが、先日、なんと9月3日(金)、4日(土)の2日間限定で再オープンするという報が入ってきた。台湾のオルタナティブ・ロックバンド Sorry Youth(拍謝少年)の日本デビューアルバムリリース、そしてコラボビール発売を記念したイベント営業の模様。これは是非行きたい・・・我想去!ということで、訪問。
※その後、今後の営業継続がリリースされました!(後述)
◆
そもそも一号店出店が神楽坂という時点でイカしている。
自分のような地方出身者にとって「神楽坂」の名前は何だか洒落てて、軽やかで、オトナな響きだ。初めて聴いたのは東京事変「母国情緒」の歌詞だと思う。得てして文学や歌で扱われる土地というのは行ってみるとガッカリな場合があるものだが、上京後訪れた神楽坂は凡そ期待通りの、オシャレな雰囲気に下町風情も混ざった情緒あるエリアだった。歌詞にある通り「たったの一人昼食を摂る」には、学生の当時は金欠すぎたが・・・。今ほどチェーン店も目立たなかった気がするけれど、チェーン店を認識できるほどモノを知らなかっただけかもしれない。
思い出話はともかく、このエリアは「ラ・カシェット」「ブラッセルズ」「サーバーランド」等、ビールを愉しめる名店も多い。その中で、Taihu Tokyo は飯田橋方面からだいぶ坂を上がり、メインの通りから奥まったところにある。奥まったところ、というか、一本入った横道こそがこの地域の本質のような気もするが。
和風レトロモダンな建物で地域の雰囲気に溶け込んだ店舗なので、通り過ぎには注意。内装も「もの」派的というか、シックでミニマムな都会趣味の雰囲気である。
◆
さて、緊急事態宣言下の東京、同店の限定オープンも御多分に漏れず、台湾熱炒(居酒屋)スタイルの食事とノンアルコールの提供、ビールは持ち帰りのボトルショップ営業だった。となれば、ビール選びの前に先ずは腹ごしらえ。昨夏の訪問時は未だソフトオープンで料理は軽食のみだったので、レギュラーな台湾料理をここで食べるのは初めてだ。ラミネートされたメニュー表に消せるマジックで注文個数を記載し、料理を待つ。
頼んだのは豚モツ炒めとルーローハン(小)。豚モツは酸味と辛味が結構効いていて、エスニックな味。かといって食べにくさはなく、むしろグングン食欲を亢進させるような心地よい刺激感。ルーローハンは八角の香りが良い。昼食には丁度いいサイズ。
シロップの程よい甘味が嬉しいアップルサイダーと一緒に。
◆
ビールはエントランス付近の冷蔵庫に陳列されていた。まだまだ暑い日だったので冷蔵庫の扉越しに目を凝らして選んでいたところ、せっかくなので遠慮せず開けて手に取っていいですよ、と促していただいた。感じのいい接客も嬉しい。私は自宅の冷蔵庫の扱いについて日夜妻から叱り飛ばされている。なので、感動もヒトシオだ。
どれも素敵だったが2本を選んで、自宅に持ち帰る。
◆
Taihu IPA
主力銘柄的な位置付けの IPA.
グレープフルーツ系の柑橘香にオレンジ、パッションフルーツっぽいトロピカルな要素も混ざる。苦味はスタンダードな IPA らしいレベルに思えるが、口当たりは Hazy IPA のようなソフトタッチ。甘みもふくよかに広がり心地がいい。ピリピリ感もなく、スムーズな喉越し。充足感があるのにドンドン飲みたくなるタイプ。
美しいパッケージも相まって、非常に完成度の高い一本だと思う。
Abv. 6.0%
アロマ :★★★★☆
→ グレープフルーツ、オレンジ、パッションフルーツ、花
フレーバー :★★★★★
→ グレープフルーツ、オレンジ、松脂
テイスト
→ 苦味 :★★★★☆
→ 甘味 :★★★☆☆
→ 他 :-
炭酸 :★★★☆☆
ボディ :★★★★☆
◆
Hai Pilsner
Sorry Youth(拍謝少年)とのコラボ銘柄。彼らのアルバムパッケージからデザインを使ったようだ。
昆布を使ったピルスナー・・・というと抵抗感を持つ方もいるかもしれないが、アロマはフラワー、スパイシーな印象に糖っぽい甘い雰囲気が重なる。口に含むとハーバルなフレーバーと共に海藻由来であろう独特なコクが広がる。昆布から連想する塩味は明確に感じない。アルコール度数が少し高いせいか、最後に刺激が立つ。美味しいパスタとは、青物っぽさと海の味のバランスである・・・という言葉を思い出した。
Abv. 6.4%
アロマ :★★★☆☆
→ 花、胡椒、蜂蜜
フレーバー :★★★★☆
→ 花、ハーブ
テイスト
→ 苦味 :★★★☆☆
→ 甘味 :★★☆☆☆
→ 他 :少々の渋み、辛み
炭酸 :★★★☆☆
ボディ :★★★☆☆
◆
ところで今回のイベント営業のコラボ先でもある Sorry Youth(拍謝少年)について、自分は知識がなかった。現地ではかなり人気の高いオルタナティブ・ロックバンドのようだ。
個人的にオルタナティブ・ロックと聞くと、レッチリや Beck のような倦怠を漂わせたオニイサン方を連想する(そういうのも好きだが、もっと定義が広いらしい)。しかしこちらはしなやかで地力の強いムードで、とても素敵なバンドだと思う。高雄出身で、歌詞は台湾語。台湾華語(北京語に近く、民主化以前は強く利用が推進された)でも英語でもなく「台湾語」での活動というのは、単なる成り行きではなく、アイデンティティを背景とした選択の産物のようだ。確かに「台湾の」「クラフトビール」と合わせて愉しむにうってつけかもしれない。
未だ神楽坂の響きに浮かれる自分の如き軽佻な「お上りさん」も、地元への愛情は持ち続けるようにしたい。なんだか、そんな気分にさせられた。
◆
さて、冒頭にも書いた通り、上記のイベント営業後、Taihu Tokyo は再オープンしている模様! ※水・金・土の営業です。
今後がとても、とても楽しみ。
最近の台湾関係のニュースといえば TPP 加盟だが、同社には今後も首都圏で Taihu - Philia - People を増やしてほしい。また伺います。
以上