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【チャーリー・パーカーに学ぶ】ジャズ・フレーズの法則とニュアンスの法則

今回は、チャーリー・パーカーの演奏からいくつかのジャズ・フレーズの法則とニュアンスの法則を紹介します。

法則化を図ることによって、単純にフレーズを暗記して演奏する練習では得られない非常に効果的なジャズ演奏の学習を可能にします。
しかし、初心者の方などにとってこの練習方法はハードルが高いのも事実です。
ある程度の音楽理論の理解は必須になりますし、耳から譜面を作り上げるスキルや、ジャズの演奏における知識も必要となります。
マンツーマン・レッスンでは、今回ご紹介するような法則や練習方法を段階的に一つ一つ丁寧に解説していますので、ご興味のある方は以下のリンクからお問い合わせください。

初心者の方でも経験者の方でも大歓迎です!

また、前回の「トランスクライブ」に関するブログも参考になるかと思いますので、前回のブログをまだチェックされていない方はこの機会にそのブログも併せてお楽しみいただければと思います。

フレーズの法則化サックスのニュアンスを真似るアイデアについては過去にYouTubeの動画講座にもしてきましたのでお時間のある方はこちらも参考にしてみてください。

チャーリー・パーカーのフレーズ・アイデアとニュアンスについて

今回も前回のギターレッスン・ブログに引き続きチャーリー・パーカーの演奏からフレーズの傾向を独断と偏見で法則化しています。
今回ご紹介する法則はあくまで個人的な分析と研究に基づいたものとなりますので、その点はご理解をいただきつつ読み進めていただき、オリジナルのフレーズ制作にお役立ていただければと思います。

法則1:コード・トーン上昇と音階的なリニアな下降

今回の演奏サンプルとなる『Tiny's Tempo』の第1小節第8小節に注目してみます。

第1小節では、Gm7コード・トーン上昇の後にB♭ミクソリディアンでの下降が確認できます。

『Tiny's Tempo』
第1~2小節における演奏ライン

第8小節では、Dm7のコード・トーンによる上昇の後にCドリアン・スケールによる下降が確認できます。

『Tiny's Tempo』
第8~10小節における演奏ライン

さらにパーカーはドリアン・スケールのRootと♭7thの間にクロマチック・パッシング・トーンを設けてコード・トーンの感覚が損なわれないような処置をしています。
これはいわゆる『ビバップ・スケール』と呼ばれるもので、コード・トーンを強拍に維持させコード感を損なわないようにスケールを演奏するためのジャズ演奏の常套手段です。

『Tiny's Tempo』
第8~10小節における演奏ライン

Ⅳ7コードでのブルージーな演出

第2コーラスの第5~6小節では、E♭7に対してⅢの代理コードとなるGm7♭5を中心にした演奏が確認できます。

『Tiny's Tempo』
第17~19小節における演奏ライン

マイナー音型の♭5を当てに行っているので、ブルース・スケール風な印象となるラインです。

このラインはニュアンスが非常に大切で、実際の演奏をギターで真似てみると以下のような演奏になります。

『Tiny's Tempo』
第17~18小節における演奏ライン

D♭音を強調するような意識で演奏することで、パーカーの持つニュアンスの感覚に近づくことができます。

6度音程による跳躍

トライアド音型のRootから3rdへの下降も頻出します。
もう一度、先ほど紹介した第1コーラスの第8小節に続く第9小節での演奏ラインをみてみましょう。

『Tiny's Tempo』
第8~10小節における演奏ライン

Cドリアン・スケールにてRootから下降してきたラインは、Cm7の♭3rdにて一時的なコード・トーンの音型化が行われています。ここでは、Cm7の♭Ⅲ代理コードとなる…

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