UX的ライティングのためのメモ(随時更新)
この記事は、ユーザー体験を重視した文字情報のつくりかたについて、専門知識をまとめたものです。随時更新します。
■ネットコンテンツのテキスト制作に関するノウハウ
SNSではひらがな7割、漢字3割が適切
・『Facebook投稿ノウハウ』にひらがなと漢字の混載率について、興味深い調査結果が掲載されている。エンゲージメント率と文章におけるひらがなの割合を調べたところ、ひらがなが7割だと最もエンゲージメント率が高い。
(出所:コピーライターがひらがなを使う理由とUXライティングの漢字ひらがな問題、要約は筆者)
100ワード長くしても、読むユーザーは18%
・ページ内のテキストが長文になればなるほど、読み手の読み方はいい加減になるといっていい。
・情報量の多いページほど、ユーザーの滞在時間は長くなる傾向にある。ただし100ワード(※筆者注:英語)増えるごとに滞在時間が4.4秒しか延びていない。あるページを100ワード分回りくどくすると、読んでもらえるのはその18%にとどまる。
・ただしそれもページの目的による。例えばこのコラム(※筆者注:出所記事の掲載先のこと)記事のほとんどは、平均的なユーザーにとって度が過ぎたものとなっている。だがこれは意図的に、少数精鋭から成る読者層(※筆者注:この出所記事はUX専門会社が運営するメディア)をターゲットにしている。
・ひるがえって、基本的に言えば、ターゲットが広範囲に渡る場合や、販売サイクルが5年に満たない場合などは、ワード数を抑える工夫をするのが賢明。
(出所:ユーザーはいかにテキストを読まないか、要約は筆者)
テキスト(広告文)は3行以内で、1行25文字以内で
・出所企業では、Facebook広告のクリエイティブ戦略として、テキスト(広告文)は3行以内で、1行25文字以内で構成するというポイントがある。
・Facebookの広告文(テキスト)は3行以内で構成されていないと、広告上で「…続きを読む」が表示される。Facebook広告はIMP課金のため、CTRが獲得に及ぼす影響は大きい。
・より具体的に言うと、「…続きを読む」が表示された場合、CTRが1~2%下がることが予想され、悪影響を及ぼしていると弊社では想定している。
・3行以内で構成すれば広告文はクリックをせずともひと目で確認することができる。
(出所:【Facebook広告】クリエイティブの最も効率の良い方法って?、要約は筆者)
■脳科学的・心理学的・経営学的観点で
引き算の重要性
・ビジネスや技術開発において、人は常に「足す」ことを考えがちだ。しかし「引き算」も大きな効果をもたらす。
・ただし人はその効果を忘れがちである。組織改善の研究においてもその傾向が分かった。実験をしたところ、引き算を選択する人の割合は小さかった。実際、注意を削がれると最初に思いついた手っ取り早い方法に意識が向きがちである(※ここでは足し算的な方法を指す)
・引き算を促すためにいろいろなポリシーを適用するのも手だ。例えば筆者(※引用先論文の著者の一人)は、文章を執筆する際に、PC上で「抜粋」ファイルを用意しておき、最終的な文章が完成するまでに削除したパラグラフや単語をそこに放り込み、可視化している。一般的には引き算を簡単に取り消すことはできないが、この方法を採ることでその不安が軽減できる。
(出所:When Subtraction Adds Value、要約は筆者)