我が人生最速の時

無闇と矢鱈に切り裂いてくナイフみたいな
擦れっ枯らしの風の中
おれはじっと、襟を立て 尖らした目ん玉の中
始まりが終わるのを見てた

暗闇と身体に染み渡る あの音が
弱い者達がさらに弱い者を──

急がなきゃ間に合わねえぞ
あの娘が消えちまったように
急がなきゃ間に合わねえぞ
あの娘が消えちまったように

どうか間に合え、ああ

無闇と矢鱈に切り裂いてくナイフみたいな
擦れっ枯らしの風の中
おれはじっと、襟を立て 尖らした目ん玉の中
終わりが始まるのを見てた

急いだって、間に合わなかった
あの人が逝っちまったように
キップを手に立ち竦んでいた
あの人が、逝っちまった日に

間に合わなくても、ああ







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