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ロングコートダディが優勝するには/キングオブコント2024

キングオブコント2024を見て、まあロングコートダディがなんで優勝できなかったのかって話になるんですけど、熱量の差だと思います。ロングコートダディは他と比べて頭1つ抜けたコントをやっていました。しかしラブレターズに一点差で負けました。これは熱量の差としか言いようがないです。 

今大会においてロングコートダディは突出して面白かったです。有無を言わさず1番面白かったです。ただ、ナイツの塙が自著で、2018年M-1で、和牛とジャルジャルではなく霜降り明星に票を入れた理由として、目の前のお客さんを笑わせようという気持ちの強さを挙げていました。そして、ロングコートダディのネタにはそれが足りません。綺麗すぎるし、才能がありすぎるがゆえに、熱量が足りません。ラブレターズの2本目の、カオスなコントから溢れる熱量に、ロングコートダディは負けてしまったのだと思います。 

過去のM-1の優勝者を振り返ると、霜降り明星、マヂカルラブリー、錦鯉、ウエストランド、令和ロマン、みんな熱量がありました。ストーリー性なんて関係なく大喜利を詰め込めるだけ詰め込んだ霜降り明星、漫才の形をぶっ壊したマヂカルラブリー、50歳で1番バカだった錦鯉、漫才の形をしているだけで実際はただ言いたいことを言っているだけのウエストランド、2本目で吉本興業イジリまで入れてきた令和ロマン、みんなネタに目の前のお客さんを笑わせようという気概をかんじます。体重が乗っています。でも、ロングコートダディにはそれが足りません。ただただ1番面白いだけです。M-1 2022のマラソンの世界大会のネタなんて、あり得ないくらい面白かったのに、それでも結果3位に終わったのは、ネタに熱量がないからに他ならないと思います。 

ロングコートダディの今回のネタは本当に面白かったです。無駄な言葉が一つもないというか、全部の言葉選びが面白いし、オチも新しいし、何も言うことがなかったと思います。2本目のネタで飯塚に、兎も出てほしかったと言われていたけど、俺はあの兎のウィザード語の声だけで、充分兎の面白さが出ていたと思います。本当に面白すぎて完璧すぎるが故に、熱量が足りないのです。 

まあ準優勝できたし、キングオブコントはいつまでも出れるから良いものの、問題はM-1です。彼らは今年がラストイヤーです。ネタに熱量を込める、体重を乗せる、目の前のお客さんを全力で笑わせる、そうしたことができないと、いよいよ優勝できないままM-1を卒業ということになりかねません。 

ただ、唯一の抜け道として、ミルクボーイくらい圧倒的にウケるという方法もあります。ミルクボーイはシステム漫才だったので、熱量は感じられませんでしたが、圧倒的にウケたので優勝しました。 

熱量を込めるか、圧倒的にウケるか、このどちらかの方法で、ラストイヤーのM-1は制して欲しいです。

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