戻らない時間
こんな風によく晴れた寒い日だった。
電動のママチャリ。
前に次男、後ろに長男を乗せてガタガタ言われながら冷たい風を受けて子育て支援センターに向かった日々を思い出す。
子育て支援センターとは市役所に併設された未就学児の遊べる広場だ。
小学生は入れないし、幼稚園に通い出すと行く機会もほとんどなくなる。
だから入園前の3歳までの期間にたまに通っていた。
(毎日通ってて顔見知りになって仲良くなるママさんとかもいるみたい)
たまにしか行ってなかったんだけど、行った日は満足度が高かった。めんどくさかったけど。
私にとっては洗濯物を干すみたいに、面倒だけどやったら充実する日常の一部みたいな感覚だった。
日常の一部だからいつでもそこにあって、気が向いたらできることだと思っていた。
でもそうか、私にとっての5年は一瞬でも子供の5年は長い。
あの時3歳だった長男はもう小学二年生で、0歳だった次男は幼稚園の年中さんだ。
うちにはもう「一日中家にいる子供」がいない。
ふらりと着の身着のまま天気がいいから遊びに行こうか、なんてこともない。
平日午前中の小さい子どもとママさんしかいないような静かで怠惰な公園は、もう私には縁がない。
3人の子供たちの幼稚園入園前までの期間は本当に面倒で退屈だった。
早く幼稚園に通ってほしいと常々思っていた。
でもこうやって振り返ってみると、そんな退屈な毎日の中にやさしい時間が散りばめられていたんだなと思った。
めんどくさくて愛おしい時間をありがとう。
ふつつかな母ですが、これからもよろしくね。