言葉の表現と現実とのギャップを見極めろ
スマホの契約のオプションで、「10分かけ放題」とか「ずっとかけ放題」みたいなプランってあるじゃないですか。
「月額800円払ったら、10分間はいくら通話しても無料!」
いやいや、無料ちゃうやん!
800円払ってるやん!
って話なんですが、高齢のオヤジのスマホを契約するために、このオプションをつけた方がお得なのかどうかを調査するためにオヤジに聞いたんです。
「オヤジ、普段、電話ってどれぐらい掛けてる?結構使ってんの?」
すると、こう答えたんです。
「ほらもう、むちゃくちゃ掛けてるわ。どれだけ電話してることか。日に日にあちこちに電話してる。もう忙しいてかなわんわ…」
もちろん、そんな言葉を真に受ける僕ではありません。
「へえ、じゃ、ひとりとどれぐらい喋るん?10分も15分以上も喋ったりするん?」
「ほら、ほれぐらい喋るときもあるわ」
「ふーん、それは掛かってきたとき?それとも掛けたとき?」
「ほら、掛かってきたときじゃわ。よう掛かってくるんよ、しょうもない話ばっかりしてきてな……」
と先を展開しようとするので、それを抑制して
「こっちから掛けるときは、何分ぐらい話すん?いやどんなときに掛けるん?」
「用事があるときやな。集合はどこそことか、時間は何時から…とか」
「なるほど。ほな用件だけ伝えたら切るんやな。だったら30秒がいいとこやな」
「ほんなら昨日、こっちから掛けたのは何人?」
「昨日はだれにも掛けてない」
「じゃ、一昨日は?」
「掛けてない…かなぁ」
「ほの前は?」
「覚えてないわ…」
この感じだと、体感的に多くても週3回程度。
月にすると12回。
30秒×12回=360秒
つまりトータル1か月に6分やね。
はじめに「ほらもう、むちゃくちゃ掛けてるわ。どれだけ電話してることか。日に日にあちこちに電話してる。もう忙しい忙しい…」と言っていましたが、これが爺ちゃんの感覚です。
爺ちゃんの言葉を鵜吞みにしてしまうと、あやうく「10分かけ放題」に申し込んでしまうところです。
通話料は30秒11円ですから、6分で132円の追加で済むわけです。
男はどうしても、「ワシは忙しい感」を出したり、電話を毎日してる「できる男感」を出して、マウントを取ろうとしてくるんですね。
もしかしたら、スマホ契約のオプションプランの仕組みを理解していれば、また答え方もちがったかもしれません。
が、たぶん高齢者には、様々な契約の仕組みの一つであって、こうしたことを全体の一部のしくみとして理解することは、極めて困難なんで僕が代行してるわけです。
それにしても、人間の思考や言葉なんて、あやふやなものだし、客観的事実からは程遠いんです。
それが悪いとは言っていませんが、やはり高齢者にはサポートが必要だし、知らないうちに契約させられている無駄なサービスが、実はたくさんあるんですよ。
留守番電話サービスとか、加入時は無料だけど、1か月たったら有料になってるやつとかね。
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