カリスマサービスパーソンが放った秘伝のタレ伝説
いつだったか、コロナ騒動の少し前、出張先で東京の郊外のある居酒屋さんに行った時のこと。
駅前でまあまあ、繁盛している感じのよさそうな雰囲気があったので、のれんをくぐりました。
「いらっしゃいませー!」
めっちゃ元気がいい。
やはり居酒屋は、店員の笑顔が一番です。
自分たちのテーブルについてくれた若くて美人の店員さんは、めちゃくちゃ愛想がいいんです。
ものすごくお客さんたちと楽しそうに会話してるんです。
これだけで、リピーター客は続出するやろうなぁ…と思っていました。
さて、注文する段になって、
「お姉さん、おススメは?」
と聞くと、
即答で
「焼き鳥です!」
と返ってきました。
「うちの焼き鳥は、肉自体も最高なんですが、タレが絶品なんです」
「まさに秘伝のタレでして、創業以来、歴代の店長が工夫に工夫を重ねて、ずっと継ぎ足し継ぎ足ししてきた絶品のタレを使用してますんで・・・」
と、この笑顔でそんなエネルギーでプレゼンされたら、もうイチコロですよね。
で、思わず聞いちゃいました。
「へぇー、すごいね。秘伝のタレなんや。で、このお店、何年続いてんの?」
と質問すると、
お姉さん、ニッコーとして、
「オープンしたのは去年です!」
と答えました。
1年かい!
とみんなが突っ込んだんわけですが、
「じゃあ、歴代の店長が…って言ってたけど、今の店長何代目?」
と聞くと
また、ニッコーとして、
「初代です!」
なんやそれ!
「これから受け継がれていくんです!」
すばらしい!
返しも絶品!笑顔も絶品!
言うたもん勝ち!
店は繁盛しているはずです。
完全に心を掴まれた僕は、その後、
「お姉さん、生まれはどこ?」
と思わず寅さんのような質問をしだしていました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?