YOSAKOIソーランの軌跡~想いを繋ぐ~prof.4 細川卓杜さん
(第23回~第25回YOSAKOIソーラン祭り学生実行委員会 審査班、第26回SV)
実委(=YOSAKOIソーラン祭り学生実行委員会)に入った理由
大学の時にサークル入りたいと思ったけど、特にこれと言った理由は無いかな。
友達と一緒に説明会にふらっと立ち寄ったらなんか面白そうだなと思って。1個上の代表だった人が同じ大学なんだけど、その人に説明してもらって、友達と入った。地元はこっち(札幌)で、元々YOSAKOIソーランは知ってたけど、直接見たことは無かった。あまり関わりはなかったけど、楽しそうだなとは思ってた。
実委入って、班選ぶことになるじゃん。審査班入った当時、3年目の班長やってた人がとても頭が良くて、説明もすごく分かりやすくて。大学生こんな人いるんだ、って。その時はすごく衝撃を受けた。
1年目入った時って、高校出てすぐじゃん。2年くらい実委やってるだけで、自分とこんなに違うんだって。今でもすごい尊敬している。パレード班と迷ってたけど、その先輩居たから審査班に入ったかな。当時は3年目が3人で2年目が2人、1年目は自分の同期は…5人だったかな。審査班にしては多いよね(笑)。
第23~25回で審査班、26回でSV¹⁾だったかな。1番記憶に残ってるのがSVだね。
―3年目で終わらずにSVに残ったのは?
男3人、女2人でSV始めたんだけど、その男2人に誘われてというか…。 全然、班長でも部門長でも統括になったわけでもないのに。逆に言うと満遍なく色んな活動やってたんだよね。だから、そういうのもあって思い切りでやっちゃおうかなってふと思ったんだよね。それでそのまま、やったね。
1)SV:スーパーバイザーの略。本来は管理職のことを指すが、ここでは実委の任期を終えた学生が団体に残り、現役メンバーをサポートする制度となっている。
審査班のとき大変だったこと
うーん、割と現役の時は消極的だったんだよね。イベント事は参加するけど、適度に参加して、バイト色々やったりとかっていう感じだったから、大変なことは…。もっと班長部門長の人達が大変だっただろうから、僕はね、現役の時はそんなに大変な思いしてないかな。
―消極的だった、というのは…?
SVって班長部門長中心に見ていくじゃない、その時に自分が平の立場でやってたことって消極的だったなって。
(現役の時は)班長と一緒に今年の活動内容考えたりしてたけど、班長部門長会議には出てないわけだからね、そういうの見てると班長とかやっとけば良かったかなぁって。
3年目になって同期3人いたんだけど、班長と横並びの構図じゃなくて、班長→俺→もう1人、みたいな。班長に近づこうとはしてたけど…やっぱり大変だっただろうね。
恥ずかしながら俺の代のSV、最初5人いたんだけど2人辞めたんだよね。結局俺とあと2人の3人で最後までやったんだけど、やめなくて良かったなあって思うよね。組織²⁾のバイトとSVしてた時のことが自分の中で大きかったから、それまでに辞めてなくて良かったなって。
2)組織:一般社団法人YOSAKOIソーラン祭り組織委員会
印象に残ってること
当時の班長はすごい頑張っていたから、それをどうやって手助けしようかなって考えながらやってたかな。印象に残ってることはね、SVになってから現役の時あれやっとけば良かったなって後悔することが多くて。遠征とか。遠征、現役の時に1回も行かなくてSVの時に2回くらい行ったんだけど、こっちのお祭りではやらないようなことを経験できたから、現役の時に色々やっておけば良かったなって思うね。
どまつり(=にっぽんど真ん中祭り)で、ブースがあったんだけど、赤字続きだったのを黒字にできたんだよね。それはすごく嬉しかった。
―なにを売ってたんですか?
トウモロコシとかじゃがバターとか、あと鮭のちゃんちゃん焼き。
SVの時に、組織でバイトしてたんだよ。そのとき学校休学してたのさ。組織でバイトしながらSVしてて。その時はすごく濃くお祭りに関わった時間だったかもしれない。
班活動で関われる人って限られてくるじゃない。でも組織バイトしてると、ずっと組織にいるから、色んな支部長さんとか会場担当の方とかが出入りするから、こんなに色んな人がお祭りに携わっているんだなって感じられたね。
実委でただ活動してるだけじゃわかんなかった、もっと深い部分が見れた。当たり前のように西8の会場使っているわけだけど、その申請関係とか、本当に細かいこと色々やってるんだなあって感じたね。
あと電話かけたりしたね、チームの人に。一人一人、お祭りをすごく楽しみにしてくれてるのが伝わってきて、それが印象的だった。審査班ってあまりチームの人とは関わらないから、チームの人のお祭りに懸ける想いというか、それが感じられた。
耕作さん³⁾はじめ、大人もみんな、なんというか、人なんだなあって。ミスもするしイライラもするし。そういう一面も見えたかな。
大人の言ってることって全部正しそうに聞こえるけど、それが全部正しいわけじゃないし、まあ間違ってる訳でもないんだけど、それをわかって実委の活動をやれば縛られてる感じがなくていいんじゃないかなって。先輩もね、色々言ってきたり今までこうやってたから、っていうのもあるかもしれないけど、自分がこうした方がいいんじゃないかとかやりたいこととか…。自分ひとりじゃ思い描いたことは出来ないと思うんだよね。後輩や同期を如何に巻き込んで行くかが大事だよね。
3)耕作さん:(一社)YOSAKOIソーラン祭り組織委員会部長、伊藤耕作さんの事。第13回、第14回YOSAKOIソーラン祭り学生実行委員会代表。
実委と学校の両立
俺はね、学校辞めたんだよね、途中で。学校卒業してないんだよね。だから、両立とかは俺に聞かない方がいいと思う(笑)。 実委が原因な訳じゃないんだけど。学校は行っときゃ良かったなあとは思うね。学校行くのが目的じゃなくて、その先のこと考えながらできたらいいね。それはすごく思う。
実委って結構考え方とか、人から刺激もらったりするにはすごくいい場所だから、そこに関しては実委やっててすごく良かったと思うけど…忙しいからね。ほんとにやりたいことがあるなら実委辞めても…その人がこれからもっと良くなる道を選ぶべきかな。でも実委にいると普通に大学生してたら関わらないような人達と関われるよね。
SVって立場になった時に、1回団体を外から見れるんだよね。班長や部門長が悩んでることって答えが出ないけどやるしかないことが大半なんだよね。例えば、参加者にしろ観客にしろ、人が集まらないってなったら方法はいろいろ考えなきゃいけないんだけど、やるしかないんだよね。結果的には人集めるしかない。その方法もだけど、後輩や同期をいかに巻き込んで大規模にできるか、が大体の問題の核なんだよね。それがわかったのが大きいかな。4年やっててよかったって思う。3年目で辞めてたら何も残ら…3年目で終わった人を悪くいう訳じゃないよ(笑) 班長部門長やってない、遠征にも行っていないままで終わってたら俺には何も残ってなかったかなって。
お祭りを創っているという実感
審査班は当日よりかは準備だよね。審査員集めでどういう人に審査してもらうのがいいのかとか、審査的な面もそうだけど、お祭りにより関わってくれる人を増やすという意味でも色んな団体の人に電話がけして審査お願いしたりとか。そういう面ですごくお祭りを創ってる感じはするね。
ファイナルの審査員対応の時に、特別観覧席の1番後ろで審査員さんの横に座って審査員対応するんだけど、そこからみた演舞がすごく良かった。ファイナルっていうのもあるけどね。会場の迫力もすごいし。それが最後の運営だったからものすごく感動したね。
あと1番感動したのがね、これもSVの時の話なんだけど、北極星⁴⁾ってあるんだよね。全部ステージ終わったあと実委全員がステージに上がって代表が話すんだけど、それみたときすごく感動した。現役の子の悩みを聞いたりとかアドバイスをしたりとかやってて、最後めっちゃいい顔で北極星やってて、達成感というよりかはああやっと終わったっていう顔をしてたんだけど、それが4年間でいちばん感動した。自分が出てる時じゃなくて見てる時(笑)。
班長以外の同期の動きが大事になってくると思うんだ。結構(班長が)いっぱいいっぱいになると思うんだよね、それで後輩の顔色を気にしたりとかそこまで手回らなかったりすると思うから班長以外の1番上のメンバーがどれだけそれに気づけるかが大事だと思うんだよね。それを班長がどう伝えるかも難しいよね、「やって」って言うのも違うしね。
4)北極星:YOSAKOIソーラン祭り組織委員会が作詞作曲を手掛け、向井成一郎が歌唱している楽曲。YOSAKOIソーラン祭りでは毎回YOSAKOIソーラン大賞のチームの演舞が終わった後、学生実行委員会が全員でステージへ上がり、歌っている。
事務所での思い出
(事務所の中を見渡して)結構そのままだね。
ー何か事務所での思い出とかありますか?
SVの時だけど、その時2年目の西8の子が企画で悩んでたんだよね。ずっとその話を夜通し聞いてた。そこの川沿い歩きながら悩み聞いてて、朝になってまたここ(事務所)に帰ってきたっていうのがあったね。本祭の時もみんなではないけど、班長部門長の人は結構泊まったりしてたね。絶対帰った方がいいんだけどね。
ここで会議とか、沢山考えた記憶があるなあ。
実委やってると答えがないことが多いから、他の人に何か言われたとしても、自分で答えを出してそれを持っていろいろ活動できる人は強いと思うし、後輩とか同期もついてくると思うから、それはすごく大事だと思う。
入った時にすごく尊敬してるって言った人、藤田さんって言うんだけど、その人がそうで自分の軸を持って行動してたんだよね。それがすごいかっこいいなあと思って。そういうのがすごく大事かなと思う。
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取材:YOSAKOIソーラン祭り学生実行委員会
北海道大学1年 髙田冴花(取材時)
北海学園大学1年 勘川凌雅(取材時)