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「アンケート作成って、何から始めたらいいんだ‥」と悩んでる人向け。今日からできるアンケート作成術

今日はアンケートの作り方について説明します!

これまでアンケート作成を何度か行ったので、その知見や経験をシェアします。

1. アンケートの種類は2種類

まずアンケートを大別すると2種類に分けることができます。

仮説探索型:何らかの発見や仮説を立てるためのアンケート調査
例)マーケティングリサーチ、インサイト調査
仮説検証型:立てた仮説や作りたいファクトを見出すためのアンケート調査
例)PRファクトのための調査

仮説探索型、仮説検証型どちらにしてもアンケート作成の仕方は大きくは変わりません(私個人としては、仮説検証型の方が得意です)。
では、どのような手順でアンケート作成するか見ていきます。

2. アンケート作成の手順

大きな流れは以下の通り
↓↓↓

① 前提条件の整理

② コアクエスチョン/アシストクエスチョンの設定

③ 選択肢の作成

① 前提条件の整理

調査の“前提条件”を整理します。まずはここから。
・調査対象(年齢・業種・職業・地域など)
・調査人数(マーケティングリサーチなら、400人以上はほしい感覚) 
など

② コアクエスチョン/アシストクエスチョンの設定

全体の骨子を作成します。アンケート調査するきっかけになったこと、例えば、「このアプリをダウンロードした理由が知りたい」「商品を選ぶ基準が何か見出したい」などあると思います。

設問の聞き方/日本語は気にせず、まずは中心となる設問=コアクエスチョンを1〜3つほど書き出します。

するとコアクエスチョンを聞くために、
・この前提質問が必要だ
・この質問を聞いておかないと、回答者の頭が混乱するよな
などと、コアクエスチョンの前に聞いておくことで、回答者の頭の中を整理整頓してあげる質問=アシストクエスチョンを入れ、回答者が不自然なく答えられるように誘導してあげます。

聞きたいことだけ聞いても、質問された側はびっくりしてしまいます。

あなたはなぜこのアプリをダウンロードしましたか?

とだけ聞かれても、その調査対象における
・アプリの使用頻度
・アプリの使用回数
・ダウンロードの時期
などが違うわけです。人によっては、

「ん?そもそもダウンロードしたの結構前だし覚えてないよ、、」
「なぜ、、そりゃあ必要だったからダウンロードしたんでしょ」

と混乱し、更に言うと、人間は都合がいいことに、当時は思ってもいなかった理由を後付けし、質問に回答する恐れもあります。

頭を整理整頓してあげることなくコアクエスチョンだけ聞き、回答結果を一緒くたに分析しても、知りたいことを見落とす可能性が往々にしてあります。

コアクエスチョンを軸に、アシストクエスチョンを紐付けたら、全体を見渡し、流れを確認します。

特にコアクエスチョンが複数ある場合は、その順番を見直し、聞く順番がおかしくないかチェックします。

商品やサービスに寄りますが、その商品を「知る→購入する→使用する」など回答者の体験に沿うように聞いた方が親切です。

③ 選択肢の作成

設問の選択肢を作成します。選択肢は、「知っている/知らない」「そう思う/思わない」のように、両極端に振って問題ないです。

次のPoint 1〜3に沿って、それら選択肢をブラッシュアップしていきます。

3. Point 1:設問に、グラデーションをつける

選択肢作りの合言葉は、”グラデーション”です。日本人はスパッと答えない傾向にあるのでグラデーションをつけて聞いた方が答えやすくなり、また、粒度を付けると回答結果を分析しやすくなります。

Q. あなたはイベントで使われた○○(←サービス名)を知っていましたか?
選択肢:知っていた/知らなかった

選択肢:イベント前から、知っていた/イベント参加を通じて、知った/知らなかったが、○○(←サービス名)という名前を今思い出した/知らなかった

Q. 先日のイベントで、○○(←サービス名)を使ってみて、便利だと感じましたか?
選択肢:そう思う/そう思わない

選択肢:そう思う/まあ思う/(どちらとも言えない)/あまり思わない/全く思わない

あなたの気持ちとして最も当てはまるものを選んでください。
他のイベントでも、積極的に○○(←サービス名)を取り入れた方がいい。
選択肢:そう思う/そう思わない

選択肢:そう思う/まあ思う/(どちらとも言えない)/あまり思わない/全く思わない
※「どちらとも言えない」は、調査結果の使用用途に応じて入れる入れないを判断。

繰り返しですが、まずは [1] 両極端となる選択肢を作り、[2] その間にグラデーションをつけていく、という手順で選択肢をブラッシュアップします。

4. Point 2:日本語は丁寧にしすぎない

アンケートの回答者は難しい言葉を使うと混乱します。
メールやクライアントに送る資料の文章を直すように、日本語をめちゃくちゃ丁寧/堅くする必要はありません。

回答者が普段使いする話し言葉を意識した方がいいです。
↓↓↓

〜〜を使用している理由を教えてください。

〜〜を使っている理由を教えてください。

以下の選択肢の中から最も当てはまるものを選択してください。

以下の選択肢の中から最も当てはまるものを選んでください。

便利であると感じた。

便利だと感じた。

5. Point 3:直接過ぎる質問はいまいち

「アンケートを実施することでインサイトを見出したい」と思うことがあるかと。ただインサイトを文面だけで見出すのは、ちょっと難しいです。

アンケートは結局、

質問したことで、回答者に頭を使わせ、書き出させる

という行為なので、自然な言動を観察するのとは訳が違います。

例えば、このような質問は一番聞いてはいけません。

あなたはなぜこのアプリを使っていないのですか?

使ってない理由なんて、「必要ないから」「なくても生きていけるから」「価値がないから」。冷静に考えて、自分が使っていないアプリやサービス等にいちいち明確な使っていない理由なんて持ってないですよね。

それに対して、こんなストレートな質問をするのは、ナンセンスです。

ちょっと頭を捻って、アイデアフルな聞き方をする必要があります。

6. アイデアフルな聞き方でインサイトを見出す

アイデアフルな聞き方をして、インサイトを見出しましょう。例えば、

あなたがこのサービスを同僚や部下にオススメする際、どんな言葉でオススメしますか?普段の使うような話し言葉でお書きください。

あなたの携帯の中にあるアプリの中で、ビジネス活動する上で「○○以上に欠かせないアプリ」と「○○と同等、もしくはそれ以下の使用頻度であるアプリ」をそれぞれできる限り多く教えてください。

もし明日から○○が使えなくなったら、代わりに使うサービス/アプリはありますか?また、そのサービスやアプリを○○におけるどの機能の代わりになるか具体的に教えてください。

少し無理やり感もありますが、シチュエーションや自分の持っているもの/使っているものをイメージさせることで、回答者の頭を活性化させましょう。すると、従来にはない回答が得られます。

私も試行錯誤しながらアンケート作成に向き合っています。皆さんも、聞き方等を工夫し、チャンレンジしながら、回答者にとって気持ちの良いアンケート設計をしてみてください!

そして、何かこれは良い!と思ったアイデアフルな聞き方が発見できたら、ぜひ教えてください。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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