拡がるハッシュタグには、一人ひとりのドラマが宿る
最近気になるハッシュタグを2つ見ました。
私が調べた限り、プロモーション等ではなくどちらも一般生活者が発したハッシュタグです。
ハッシュタグ数=拡がりを可視化したのが以下のグラフです(2021年1月14日18:00〜2021年1月17日12:00)。
それぞれのハッシュタグの拡がりについてまとめていきます。
1. #あなたのAKBどこから
このハッシュタグは、AKBファンが発し始め、そこから、現役&元AKBメンバーがこのハッシュタグをつけてツイートしたことで一気に拡散。
現役メンバーはもちろんのこと、元メンバーがハッシュタグに乗っかってきてくれたことがハッシュタグ拡散の大きな要因と言えます。
いきなり元メンバーが乗っかってしまうのは寒く、現役メンバーが乗っかった後に、元メンバーが乗っかってきたことは行儀/順番として良かったと個人的には思いました。
上記、現役&元AKBメンバーのツイートが反響を呼び、1月15日13:00台に以下のように記事化されたことで、より人の目についたと思います。
(ちなみに私は、元AKBの高橋朱里や川栄李奈、倉持明日香、元SKEの矢神久美、松井玲奈が好きでした、、!)
2. #正直出産ってどうだったか教えて
以下、グラフを再掲。
こちらのハッシュタグは、1月15日(金)の21:00〜2:00にかけて小さな山があり、そこから1月16日(土)10:00〜11:00台の以下のツイートが火種になり一気に拡散したように思われます。
3. 法則や型、ことばのつくり
以前、拡散されるハッシュタグの法則についてまとめました。
その時の内容に沿って、ハッシュタグを分析すると以下のようになります。
法則(タイミング、アジェンダ、ターゲット、発信者の正当性)
タイミングとして何かAKBのイベントや出産に関する世の中の動き(法改正など)があったわけではない思いますが、どちらもコアになる議題がわかりやすく、相乗りしやすい、世の中に声を吐き出したい人たちがターゲットになっていると思いました。
コアターゲットと周辺ターゲットのグラデーションが明確なのも、拡散される要因な気がします。
ハッシュタグの型
型はどちらも「経験想起型」と「大喜利型」。過去の経験や思い出もありつつ、少しウィットに富んだ面白エピソードをつぶやけることも両ハッシュタグのいいところ。
ことばのつくり
どちらもうまく要素分解できることから、総じて自分ごと化させるハッシュタグになっているかなと。
4. 拡がるハッシュタグには、一人ひとりのドラマが宿る
両方のハッシュタグを見て思ったことは、
ということ。
たった140文字の中に、奥行きのあるストーリーが隠されていて、且つ、誰一人かぶることのないオリジナルのエピソードがあると感じました。
これらハッシュタグがついた他人のツイートを見たときに、「自分はこんなエピソードがあったなあ」「あのとき、懐かしいなあ」などと瞬時に思い出され、すぐツイートするのかなと。
上記、「▼」のスピードが早ければ早いほど、ツイートされる=ハッシュタグは拡散されると。無理やり式っぽくするなら、
こんな感じでしょうか。
ハッシュタグをプロモーションに生かし、生活者の声を大きくしたいならば、ツイートのしやすさ=見て、思い出して、ツイートするのツイートスピードを如何にして速くするかが重要であり、そのためには、
といったことを検討し、ハッシュタグに落とす。
作ったハッシュタグを検証するために、「このハッシュタグをつけてツイートするならなんてツイートする?」と同僚や友人に聞いてみるのもいいかもしれない。
そうした検証を行っていくうちに、拡散するハッシュタグの感覚が身につくような気がしました。