拡散されるハッシュタグの法則について考えてみた
前回のnoteでは、2020年のプロモトレンドについて分析してみました。
今回は、プロモトレンド問わず拡散されるハッシュタグとはどんなハッシュタグか?何か法則が見えないか?そんなことを分析してみました。
今回分析するのは、いわゆるフォロー&リツイートでプレゼントが当たる類いのハッシュタグではなく、会話や議論を生んだり、自己主張によって広がっていくハッシュタグに焦点を絞っています。
※以下の内容は、全て個人の見解なので温かい目で読んでいただけますと幸いですmm
1. なぜ人はツイートするのか
そもそもなぜ人はツイートするのでしょうか。
個人的には、マズローの法則と関連があると思っています。
↓↓↓↓↓
私なりにまとめると上記のようになります。生理的欲求と安全欲求を満たした人たちが、それよりも高次の欲求を満たしたいときにツイートすると思っています。
自己実現欲求&自己超越の欲求
人は弱い生き物だと思います。そんな自分を鼓舞するためや、夢を実現するために、Twitterを活用して目標を宣言する。また、心の底から誰かを助けたいと思っている人がTwitterを通じて世の中のためになる行動をしているように思えます。
承認欲求
SNSは承認欲求を満たすために存在していると言ってもいいでしょう。ここは割愛します。
社会的欲求
独りぼっちでなんとなく孤独を感じる。そんな人の中には、盛り上がっている話題に乗っかるツイートをしたり、タレントや政治家など不祥事を起こした人を攻撃したりすることで、自分が社会に所属していることを自分に言い聞かせるためにツイートしているのでは。。
Twitterを使う理由は人それぞれであり、時と場合によってツイート内容(=満たす欲求)も変わる。いずれにしても、人はツイートするための言い訳を探しています。
そんな言い訳になるのが、ハッシュタグであると。
このような生活者の欲求を捉えたハッシュタグが、機能し拡散されていく。そんな拡散されるハッシュタグの法則について、次の章から詳しく見ていきます。
2. 拡散されるハッシュタグの法則
結論から言いますと、拡散するハッシュタグには以下のような法則があると考えています。
上記法則の①〜④を一つずつ見ていきます。
①適切なタイミング
そのハッシュタグが、「今まさに」言いたくなるタイミングであるかどうか。
バレンタインの時期にはバレンタインのことを、3月11日なら震災のことを、11月22日のいい夫婦の日にはパートナーのことを発露しがちです。
②確からしいアジェンダ(議題)
そのアジェンダ(議題)は、自分の気持ちを発露したくなるアジェンダ(議題)になっているか。そのアジェンダ(議題)に課題感はあるか。
あまりにもニッチなアジェンダですと、発露の数は増えません。自身の経験やその時の不安に寄り添って、思わず発露したくなるアジェンダ設定がポイントになります。
③想定ターゲットの質・量
アジェンダに対して、リアクション度の大きい質の良いターゲットであるか、且つ、一定ボリュームいるか。
アジェンダに対して、必ずしも全て賛成の声である必要はありません。反対の声もあるから賛否両論が生まれ、よりそのアジェンダが広がります。
賛否どちらも生み出しそうなターゲット設定になっているかどうか見極める必要があります。
また、ターゲットには、コアターゲットと周辺ターゲットの2種類がいると考えています。
コアターゲット:そのアジェンダの当事者=直接課題を抱えている人たち
周辺ターゲット:コアターゲットがその課題を抱えていることを知っている/理解している、また過去経験している人たち
コアターゲットの声だけでは広がらず、周辺ターゲットの理解ある声が相まって、ハッシュタグが広がっていくように思えます。
④発信者の正当性
ハッシュタグ設定者(今回のnoteにおいて、主に企業が該当)が、このハッシュタグを設定し、発露する正当性があるか。
企業や団体のミッションやそれに基づく事業/サービスに沿ったハッシュタグを展開していないと違和感がある、という話です。
①〜④を、「日本の経理をもっと自由に」プロジェクトにおける #日本の経理をもっと自由に #さよなら紙の請求書 を例に挙げて説明すると、以下のようになります。
「日本の経理をもっと自由に」プロジェクトはこちらから
↓↓↓↓↓
「日本の経理をもっと自由に」プロジェクトは、単にハッシュタグを開発して発信したのではなく、
・賛同企業を募り、共同で声明発表
・電子化要請の嘆願書入りの新聞広告を掲載
・カンファレンスの開催
・広告タレントの小泉孝太郎さんとこの課題についてディスカッション
など、様々な動きが相まって広がったので、ハッシュタグはこれら活動の一部でしかないのですが、ハッシュタグを構成する①〜④の要素が見事ハマっていたように思われます。
3. ハッシュタグの型
次に、ハッシュタグにはいくつか「型」があると考えました。下記意外にも様々な「型」があると思いますが、その中でも私なりに勝手に「型」に名前を付けてみました。
※決して、鬼滅の刃にあやかったわけではありません。。
それぞれどのような「型」か見ていきます。
会話や議論を生んだり、自己主張したくなるハッシュタグは、上記いずれかの「型」、もしくは組み合わさっているように思われます。
4. ことばのつくり
私はコピーライターでもなく、むしろコピーを書くのは苦手なので、その領域の専門家でもないですが、私なりにハッシュタグを構成することばのつくりにも着目してみました。
例えば、あなたがハッシュタグを作るとして、いざ作ろうとなっても、
「まあ、ハッシュタグを作るならこんな感じかな」
「感覚的に、こんな言葉の組み合わせかな」
となってしまうのでは。
ハッシュタグをよくみてみると、ことばを分解することができ、意思と意図を持ってハッシュタグが開発されているのかなと。
これから例に挙げるハッシュタグがどこまでこだわってハッシュタグ開発されたか分かりませんが、、、ここでも「日本の経理をもっと自由に」プロジェクトを例に挙げて説明していきます。
このように「なぜこのハッシュタグになのか」が納得できるように、ことばのつくりも因数分解し、感覚ではない腹落ちするハッシュタグが開発できると思います。
では、これまで解説してきた法則や型、ことばのつくりを統合し、様々なハッシュタグの成り立ちを説明していきたいと思います。
説明と言っても、これまでの内容を図解し、また実際のツイートを見たほうが早いと思うので、文章は少なめでまとめていきたいと思います。
↓↓↓↓↓
5. CASE 1:「経験想起型」×「啓発型」
#就活をもっと自由に (P&G「パンテーン」)
#この髪どうしてダメですか (P&G「パンテーン」)
#日本の経理をもっと自由に #さよなら紙の請求書 (ロボットペイメント)
#いいふうふの日 (MARRIAGE FOR ALL JAPAN)
6. CASE 2:「不安寄り添い型」
#どうする令和のお買い物 (メルペイ)
#うちで過ごそう (ヒカキン)
#学校ムリでもここあるよ (市民団体)
7. CASE 3:「大喜利型」
#うちの母のここがスゴイ (Ladyknows)
#令和のクールビズはきっとこう (ユニクロ)
8. まとめ
ここまで書きましたが、私自身拡散されるハッシュタグを開発した経験はありません。。
また、上記条件が全て満たされているからといって必ずしも拡散されるわけでもないと思います。ハッシュタグはあくまでも施策における目印であり、あらゆる打ち手が相まってこそ広がっていくものです。
何より、そのハッシュタグを掲げた企業や団体等が、言いっぱなしで終わるのではなく、汗をかいて行動/チャンレンジすることも必要になると思います。
いつか、自分が携わっている/いく商材やサービスのプロモーションを実施するとなった際、その中でTwitterのハッシュタグ展開の相性が良さそうであれば、チャレンジしてみたい領域です。
今後も面白いハッシュタグを見つけてはメモしておき、知見を溜めていきたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。