「こんな勉強、何の役に立つの?」に答える

私自身、高校のときに古文漢文をやって何の役に立つのか考えたことがある。幸いすぐに何の役にも立たないことを悟り、大人になってから判断が正しかったことを再認識している。

でも勉強はした。大学に入るため。おかげで大学に入っていまは悠々自適に暮らしている。大学に入れれば、生涯年収が4000万円上昇する。正社員になれる。高校生にとって最高レベルの投資だ。

古文漢文が何の役に立つのか、という問いに対する最悪の答えは「教養が身に付く」だ。高校生はますますわからなくなる。大人を信じられなくなる。

ちがう、古文漢文は大学に入るためだけに勉強する。高校生は趣味や教養のために勉強しているのではない。厳しい社会で生き抜くための武器=学歴を手に入れるために勉強するのだ。

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というはなしと、勉強が役に立たないかというとまったくちがう。

勉強は非常に役に立つ。というかほとんど勉強がその人の人生を決める。就活をするときにSPIを勉強し、エンジニアになるために大量の文章を読み書きし、資格をとるために参考書を選んだり過去問を解いたりする。医学部を卒業して医者になっても専門医のために勉強をし、博士号をとっても論文を書くためには英語論文を読み続けなければならない。ビジネスをしても商法を抑えないと足元を救われる。そこそこ偉くなれば取引先から訴訟を起こされることもある。ちょっとした契約にさえ法律は避けて通れない。弁護士を雇うにも相場を知らなければぼったくりにあう。

現代はほとんど全ての戦場が情報戦だ。こうした状況で

・素早く文章を処理し
・誤情報を誤情報と見極め
・わからないことは人に聞き
・相手より優位な立場を取る

というスキルは必須だ。エンジニアが稼げるのはスラスラキーボードが叩けるからではない。コンピュータの動かし方を知っているからだ。つまり経営者より情報優位にあるから職場を選べる。もし経営者がエンジニアリングに詳しければ面倒だけど有効なプログラミング言語や報酬の値踏みをされてしまう。逆にエンジニアがマーケットや資金調達に詳しかったら自分でビジネスをできてしまうから経営者はそのエンジニアを丁重に扱う必要が出てくる。

勉強は情報を集める行為で、相手より優位に立つ上で欠かせないサバイバルスキルだ。しかしそれと受験勉強は違う。



🐈❤️