会話でゴルフをする人

会話でキャッチボールをする人とゴルフをする人がいる。

キャッチボールは相手が理解できることを言って相手からも自分が理解できることを言ってもらうことを期待している。

投げたボールを取ってくれなかったり、逆に変なところにボールを投げられるとちょっとづつ不満が溜まっていって、最後はキャッチボールを諦めてしまう。

前提には「会話はキャッチボール」という暗黙のルールがある。自分がキャッチボールをしているつもりなのに絶対に取れない球を投げられたらイラッとする。なぜか一部の人は相手が取れない球(理解できないこと)を投げる。

一方で彼らのコミュニケーションの前提は「会話はゴルフでもいい」だ。ゴルフは相手ではなく芝生に対してボールを投げる。会話のゴルフとは相手の返答を期待するのではなく、自分が発した言葉に対する相手の反応を期待している。ちょうどゴルフで球を打って「ナイスショット!」と掛け声をかけるように。

だから会話でゴルフをする人は相手の感情を考えないし、相手の言葉を受け取らない。そもそもそういうつもりで会話をしているのだからあたりまえだ。ゴルフで相手の球をひろいにいったり、相手が自分に向けて球を打ってくれないから文句を言う人はいない。

一方がキャッチボールをしているつもりが、もう一方はゴルフをしているつもりだと最悪だ。それで「あいつはコミュニケーションができない」という感想を持っても当たり前だ。しかしそれはコミュニケーションができないんじゃない。会話で違うスポーツをしているのだ。遊び方が違うのだ。

「〇〇さんとはコミュニケーションができない」と思う人は一度立ち止まってお互いどっちの会話をしているのかよく考えるといいかもしれない。それで会話に対する認識が違うとわかったなら、たまには相手のスポーツにつきあってあげるのもいいかもしれない。

🐈❤️