本を書いたり読んだりするよりYouTubeで動画アップして視聴する方が早くない?
(ホモデウスを検索したYouTubeの画面)
10分前に「ビル・ゲイツの本を読もう」みたいなnoteを書いておいてこんなnoteを書くのは気がひけるんだけど、ちょっと最近感じていること。
私はホモデウスを上下巻とも読んだ。めっちゃ長くて多分一ヶ月くらいかかったと思う。内容は面白かったし読んで良かったと思ってるんだけど、最後に得られた結論は
「宗教や夢で人生を決めていた人類はデータで決めるようになる」
っていう1イシュー(*)なんだよね。
それ以外はそのイシューが正しいことをサポートするための証拠の羅列。でも、どんなイシューでも同じことができる以上、証拠の羅列には意味がない。証拠を並べられたほうが説明に納得が行くかもしれないけどそもそもベストセラーだから納得している自分がいる。だったら9割のページを占めている証拠いらないよね。
だったら「この本は多くの専門家に評価された」という信用と「この本のイシューはこれ」っていう二つの情報があれば十分であとはわかりやすくそのイシューを説明してくれればいい。
となるとYouTube動画があれば十分で何時間もかけて本を読む必要はない。テレビだと視聴率が取りにくい本でもYouTubeなら個人最適化ができるからコンテンツを作っても採算が取れる。
いまでもYouTubeといえばヒカキンがテレビの視聴率を奪ってる的な議論がされるんだけど、最近は学習系YouTuberと言われる本とか論文を紹介するYouTuberが増えてきている。つまりテレビじゃなくて文字を扱ってる業界が危なくなってる。
文字が有効だったのはメディアが貧弱で紙にインクのシミを作ることでしか時空間的に離れた相手とコミュニケーションをとる方法がなかったからなわけで、数万円のスマホとインターネットがあれば動画配信できる時代では必ずしも必要じゃない。というか文字を書いて読むというのはコストが高すぎる。本を書いたり読んだりする代わりにYouTubeにアップしてくれればそれでいいのでは?
それでもこうしてnoteを書いてるからには文章のメリットもある。これはYouTubeが追いつけてない部分でいずれ追いつくだろうと思う。その1つがシーク。本でも動画でも自分の好きなところだけを読んだり視聴したりしたいんだけど動画だとどこに自分の好きなところがあるかわからないから全部見たり見逃してしまったりする。本は目次があるからそれがわかりやすいし、ペラペラめくればロードの時間を気にせずシークできる。YouTubeには親切な人が目次を作ってくれていることがあるけど、これは来年あたりには自動生成されてる思う。
あとは動画だと顔とか声が出てしまうからペンネームで本を書いている人は移行しづらい問題がある。これもVTuber(バーチャル YouTuber)のように自分の代わりにアバターをうつして匿名化することができる。
アバターはクオリティをあげるとコストが爆上がりする、音声はカバーが難しいなどの問題があって匿名化問題はまだまだ解決が難しそうだけど、ほとんどの本は実名で書かれているのでYouTubeが本を代替するという意味ではほとんど問題にはならない。
ってことでこれから文字を扱ってる業界はe-books対応とかしてても結構つらい思いをすると思う。(ただし、どうしたらわかりやすく伝えられるかノウハウがたくさんある編集者は動画のプロデューサー的立場になる)
*イシュー:YesかNoで答えられる主張。「彼の気持ちは盛り上がってる」はイシューになりにくい(気持ちは当人でも判然としないから)けど「宇宙には空気がない」はイシュー。
🐈❤️