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私の大好きなnoterさんがいなくなってしまった....

今、フランクフルトに来ています。
ひとりの時間をしみじみ味わいながら、ホテルの窓から見えるビル群を眺めて、物想いに耽っていました。

普段はほとんど呑まないんですが、ルームサービスでモヒートを頼んで1杯半も呑んだら酔ってしまいました。
酔った勢いで書いています。

で、それですごーーーーくショックで。

なぜかって....

私の好きなnoterさんが忽然と消えてしまったことに、たった今気がついたから....

もう本当にショックです。
更新が止まったとかではなく、アカウントが無くなってしまっていました。

画家の373さん。

この方の記事を初めて読んだ時、その時点でフォロワーはゼロ人。
私もnoteを始めたばかりの頃でした。

それでも彼女が優れた書き手だと直ぐに感じて、フォロー。
私が最初のフォロワーだったってこと、密かに自慢に思っていました。まるで宝物を発見したかのようで。

選ぶことの重力」という記事の中で、373さんは見事に私が長年感じていたことを言葉にされていました。
記事をコピーしておくべきだった...と強く後悔するほど示唆に富んだ深い内容でした。
ずっと無意識で思っていたことを、美しい文体で説明されていることに圧倒されました。

人生の無数にある選択、それを神や運命、偶然以外の何か、その選択によって重力が生みだされて、集まっていく辿り着く所がある....と。
深い納得を感じました。

あぁ....私の力では、とてもとても書き表せないなぁ...

これからも何度も読みたいと思っていました。
それがもう読めない。

最近、葉巻にハマってしまって文章を書く気が起こらなくなった...って最新の記事にはあったから、
もしかしたらしばらく更新ないかな?
って予感はあったんです。

でもアカウントごと消えてしまわれるなんて、考えてもいませんでした。

いつも私の書く記事をきちんと読んでくださって、とても有り難く感じていました。
373さんのスキがあるたびに、嬉しいなぁと思っていました。

イスタンブールのアヤ・ソフィアの記事。


娘のミドルネームが“ソフィア”なんです、って嬉しくて初コメントしました。
時々、コメント欄が閉じている記事があったから、気安くコメントしては迷惑かな...とコメント欄があっても控えてしまう時がありました。

そんなこと考えずに記事がすごく好きです、ってもっと伝えればよかった....


「惜しみなく与えること」

私が尊敬する女性が昔、話しておられました。

「与える時は全部バーっと与えるんです。そうしたらいつか戻ってくるから」


国境なき医師団(MSF)に初めて日本人として参加した貫戸朋子さんの言葉です。


自分がリベリアに派遣された時、そう試みて出来なかったことがあります。

よく面倒みていたリベリア女性にずっと付き添って看病していたお母さんが、ある時私に歯先が全部外を向いた歯ブラシを見せて「新しいのが欲しい」って言ってきたことがありました。

私はその時、「またか...」って。

忙しかったのもあるけど、

「今まで色々フォローしてきたよ、そのうえ歯ブラシまではムリ....」って、ヒラヒラ手を振ってその要求をいなしました。

その直後、祖母が膵臓癌で余命幾ばくもない事が判り、私はミッションを切り上げて帰国しました。
日本でスーツケースを解いていたら、山ほど歯ブラシが出てきたんです。


まだ現地に残っていた後の夫になる彼から、
(彼も麻酔科医として参加していました)彼女 シアが亡くなったと聞いて知っていました。


歯ブラシが欲しいと言ってきたのは、シアに付き添っていた母親で、シアは多産で身体がボロボロになり腸に穴が空いていました。
最後はガリガリに痩せてしまっていました。

MSFが手配したヘリコプターで、せめて死ぬ前に僻地にある生まれ故郷に、家族が待つ場所に帰えそうと尽力したと聞きました。

それを知っていたから、多めに持って行った歯ブラシが未開封で自分のスーツケースからゴソッと出てきた時に愕然としました。

「なんで私はもうイヤって思ったんだろう?こんなに歯ブラシ持ってたのに...」

惜しみなく与えることなんて全然出来ていなかったと、歯ブラシを抱いて泣きました。

幾つでも、欲しいだけあげたらよかった。


私はなんて偏狭だったのだろう、って。


情けなくて、そんな自分が悔しくて、歯ブラシを抱いてオイオイ泣いてしまいました。


歯ブラシ一本でシアも母親も、どんなに喜んだか知っているから....

その想いは今も消えません。

✳︎✳︎✳︎

373さんのアカウントが消えていることを知って、シアとのことを思い出しました。

惜しみなく与える

簡単に言えるけれど、私はまた惜しんでしまった。

もう届かないかもしれないけれど、

373さん

貴方の記事を読めたこと、かけがえのないものでした。多くのことを考えるキッカケになりました。
遠い外国の風景をとても身近に感じました。
絵に向かい合う情熱や愛を感じました。

有難うございます。
素晴らしい才能の一端に触れることができて、短い時間でしたがnoteで373さんの文章を想いを、感じることが出来て良かったです。

もう読めないのがとても残念です。

貴方の才能が、これからも開かれたものであることを心から祈っています。


みきともより

追伸
いつでもまたnote に戻ってきてください。
そしたらまた私が一番目のフォロワーになりたいです。


あぁ...なんだか失恋したみたいだ....


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