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コロナとアラフォーゲイと「チェリまほ」と。

コロナがある生活が当たり前になってしばらく経ちました。外に出る時はマスクを着用し、ディスタンスを取ったり、テレワークやリモート会議とか、人と人とが関わること、接触すること自体が難しい時代になったなぁと思います。私自身も、以前は友人に会ったり、飲みに行ったり、たまにマッチングアプリで新しい関係を探したりしてましたが、仕事柄、うつったらおおごとなので、自宅とオフィスの往復生活を続けています。

そんな中、テレビ東京の木曜深夜に放送されているドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(通称 チェリまほ)」に出会いました。


何だろう、この優しい世界はと思って、すっかりハマっていました。

主人公の安達は、童貞のまま30歳を迎えたことにより「触れた人の心を読める魔法」を手に入れます。今の時代、どんどん非接触の方向だったり、リモートが進む中、触れた相手の心の中が読めるという主人公の登場は、誰かと触れ合うことで関係が進展することは、どんな時代でも変わらないことなんだなと感じさせてくれました。

安達は、少年っぽく、どちらかというと、気持ちで動くタイプの人間です。結婚記念日の先輩に変わって残業したり、後輩が飲み会でしんどそうなのを知ってコンビニにおつかいを頼んだりと、心優しい人間です。また、エレベーターをこじ開けたり、お前のキス嫌じゃなかったと不用意なことを口走ったりします。

一方で、安達に思いを寄せる同期の黒沢は、紳士的で、脳内(心の声)は別として、理性的で抑制的に動くタイプの人間です。安達への好意は自分の一方的な思いだと考えていて、2話では同期のままでいい、3話では好きになってごめんと、心の中で自分の思いを抑え込みます。終電を逃した安達を家に招いてパジャマを渡した時の脳内イメージとか、残業の時に安達の匂いを嗅いじゃうとか、そういう部分も持ちながらも、至ってたち振る舞いはクールです。

自分は、20代の頃、同僚を好きになったことがあって、朝、駅で一緒になってうれしかったこと、職場の集りで料理を振る舞ったら美味しいと喜んでくれたこと、帰りに飲み行こうって誘われて昇天(笑)したことなど、このドラマを見て、甘酸っぱい記憶が思い出されました。同僚が結婚することが決まって、おめでとうよかったねーと言いながら、報われない切なさに押しつぶされそうになったこととか、黒沢にとても感情移入して見てます。

最近はLGBTという概念自体が浸透しつつありますが、職場で同性同士が出会って付き合うというのはまだまだ難しいように思います。普段の生活の延長線で、同性の相手を見つかるのは奇跡に近いなぁと思います。(たまにそういう出会いをした人の話を見聞きすることがあるので全くないわけではないと思いますが)

安達は、黒沢の心の声を聞いて「まじかー、あいつゲイなのか」というような反応ではなく、何で自分なんかを好きになったのかと疑問に思うし、終電を逃して黒沢宅に泊まった時も襲われるなんて考えてごめんと考えます。とても臆病ではあるけれど、素直に黒沢の思いを受け止めようと、行動に移していくところが好感が持てます。

3話で、安達は、黒沢の悲しい顔は見たくない、もっと黒沢のことを知りたいと思うようになります。少しづつ、扉を開いていこうと勇気を出していくのではと思いました。ただ、これまで、童貞で、自分に自信なかったことから、歩みは一歩づつだし、場合によっては、2歩3歩後退することもあるのかもなって思ってます。

安達にとって黒沢と出会ったことが、黒沢にとって安達と出会ったことが、奇跡で、それがどう進展していくのか、触れ合うことで思いが伝わるというファンタジーを、これからも見届けていきたいと思います。

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