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きっと君は後悔する
全国で走り方の教室やイベンド、講演などで年間約1万人の小中高生達に出会う機会があります。これを約10年間も続けると色々な小中高生達と出会うわけです。
本気で全力で取り組む子もいれば、友達と話して聞いていない子もいます。
イベントのような初対面が多い場ではあまり見受けられないのですが、学校で授業をしたり、クラブチームなどにいくと、たまに見受けられます。
わざとふざける子です。
当然ですが、そういった子は目立ちます。
周りと違う行動を取ることで目立てる。要はかまってほしい、自分を見てほしいというのがあると思います。でも、そうなってしまった理由があるはずなんです。
家庭環境、過去のトラウマなどなど、ここでこれだと断定することは当然できません。ただ、僕の経験から僕の考えを話します。
僕は小学生の時、足が速く、かけっこや学校の体育、学校行事でほぼ負けたことはありませんでした。100mも土のグラウンドで12秒8で走ってました。幼少期に獲得した成功体験は自信に変わります。
中学生になってすぐ校内の陸上大会がありました。
100mに出た僕は、13秒8というタイムで3位という結果でした。小学生の時の自分から1秒足が遅くなったのです。
気づけば背の順でクラスで後ろの方だったはずが、真ん中ぐらいになり、自分より背の低かった子に抜かれ、あれ?こいつこんなに筋肉あったっけ?と自分よりも明らかにたくましくなっていく友達をどこか羨む自分がいました。
陸上部がなかったので中学時代はバスケ部でした。初めて本格的にやるのでうまくない。バスケ経験者の友達はベンチに入り、自分は毎日基礎練習、試合が近づけば上で応援。
プライベートではスケボーが大流行している時でした。何段を飛べたり、技ができたらランキングが上がっていくといった、先輩や友達と必死に競い合いました。でも、僕は下手でした。ランキングは下の方でした。
絶対に負けなかった子にも走って負ける。バスケもスケボーも上達しない。
あれだけ、小学生の時に獲得した自信は気づけば「どうせできない」に変わっていきました。そうなるとどうなるか。
わざとふざけたり、手を抜いたりします。
そのふざけている姿を見て友達がなにやってんだと笑う。みんなが本気でやってるけど俺は適当にやってるよ。カッコいいだろって勘違いをおこします。そうやって自分の逃げ道を作り出します。
僕が現場でそういった子を見ると、「俺もこうだったなあ」と昔の自分を見ている気持ちになります。
練習や本番で走れない、これ負けるなと判断した瞬間に足を攣ったフリをする。途中で一気に減速して誤魔化そうとする。自分が負けていると思われたくない。負けを認めたくない。
でも、結果それは負けていて、カッコ悪いんです。
僕はこう思います。できなくても、必死でもがき悩み苦しむ姿を見て人は感動し応援したくなる。なによりも「できない」を「できる」に変えていくそのチャンレンジの数が大切だったりします。
自転車に乗れない時はつまらないんですけど、乗れるようになったら楽しいと思えるような経験をどれだけできるかだと思います。
カッコ悪い自分に気づけた時、我に返ったかのようにできないことへ向き合う。もうなりふり構わず周りの目なんて気にしないで無我夢中でやり抜く。
そこで自分自身の目標を達成できた時、それはきっと数年後全く違う道を選択したとしても大きな大きな自信となることでしょう。
例え勝てなかったとしても、達成できなかったとしても、逃げずに自分自身と向き合ったあの時間は自分にとって何よりの支えになるのです。
本当に今の自分でいいの?将来絶対に後悔するよ?
当時の僕はそれを大人に言われてハッとしてすぐに修正できていたのでしょうか?おそらく無理でしょう。何言ってんの?関係ねーよと思っていたでしょう。
なぜ本当に大事なことほど気づきにくいんでしょう。
なぜ本当に大事なことほど時間が経ってから気づくんでしょう。
僕は現場に出るたびに思います。
ただ足が速くなるだけではなく、足が速くなったことを通じて「楽しい」と思えたり「頑張ってみようかな」と思えたり「本気でやってやる」と思えたりするきっかけを作りたいと。
小学生でも中学生でも高校生でも大学生でもトップアスリートでも。
「すごく変わったよね」といい方向への変化はたくさんの人を幸せな気持ちにしてくれます。
大人が、先生が、コーチが、親が、関わる子どもたちのためにベストを尽くしづつければ、後悔しない人生を歩ませてあげられるかもしれません。
大人のみなさん、共に頑張りましょう。