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忙しかったから、今こんな。
数年ぶりに熱が出た。今まで微熱すら出なかった健康体が、一気に殺られた。近場に潜んでいた菌たちが、ちょっと寝不足で弱った隙に親の敵のように猛攻撃してきた。だから症状がバラバラ。病名は貰えなかった。ひたすら後頭部に走る痛みと、それに反応するように動く体を抑えつつ、何日も続く高熱に耐え続けた。その日が連休で、偶然実家にいたことは、わたしの運の良さだ。
やがて熱が下がり、体が動くようになる頃には、嗅覚と味覚を失っていた。職場で差し入れに頂いた飲むゼリーが、日々を救ってくれた。
仕事は勿論、待ってはくれない。パソコンと向き合いながら「忙しい時に限ってこんな...」と思ったが、ふと「忙しかったから、今こんな。」が正しいかもしれないと気付く。
忙しいを「アピール」と捉えがちな日本人。忙しくなかったわけでも無いが、忙しかったわけでもない。なんて言葉を返してしまうが、そう思っていたいのは脳内だけで、体は確実に歳をとり、無理がきかなくなっていた。親に「歳だね」と言われて初めて、アラサーという現実を突きつけられる。まだ病み上がていない。日本人よ、体に素直になろう。