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四人囃子、でも選ぶのは一台のクラウン
新しいクラウンは4種もある!
って別に目新しいこっちゃない、と思った
のは昔のクラウンを知っているから・・・・
MS50系を例にとれば、タクシーやパトカーでお馴染みの4ドアセダンにライトバン、それを無蓋車にしたピックアップ・トラックに後から追加された2ドアハードトップ。さらにはこの当時救急車といえばハイルーフに改造された2ドアバンの特装者がデファクトで、ついでに町で見かける霊柩車の多くがクラウンベースだったのも懐かしい光景。ひと世代遡ればV8エンジン搭載のクラウン・エイトも存在した。
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だから4種あるのはいいとして、似たようなワゴンが2種あることに合点がゆかぬ。
一つはスポーツと名乗るショートワゴンで、他方はエステート。どちらもSUV風の
大径タイヤと高い車高、違いは荷室の長さだけのようにも見える・・・・・
当初これを目にした時、片方が後輪駆動でランクルかプラドと車台を共有しているのでは?と、勘ぐった。
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その答え合わせをする日が来ました。
六本木ヒルズで開かれたクラウンのイベント「スタイルパーク」は新型車4台を同時にお披露目、運転席に乗り射込む事も可能。こんなオープンなイベントは本当に久しぶりだなあ・・・・・・さて、問題のスポーツとエステート。床下を覗くべくカメラを下から・・・・・うまく、撮れない。早々に撮影を諦めてスタッフに聞いてみたらいとも簡単に答えが返ってきた。
どちらも四駆、エンジンは横置き。縦置き後輪駆動はセダンだけだそうだ。
つまり先行するクロスオーバーと同様、カムリの一族がこんなにも増えた、ってことになるのだろうか?
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クーペにも見えるクロスオーバーの方はハッチゲートを持たない4ドア。だから、SUV風のスポーツが加わるのは当然なのかも。では、5m近い全長を持つエステートの存在意義は?ショートワゴンとの棲み分けは?
これは流石に返答が返ってこないので推察するしかない。先代のクラウン・エステートは170系アスリートが生まれた時に3ナンバー・サイズのワゴンとして同時開発された。ゼロクラウンの世代にはワゴンは無い。
すると、葬儀で遺体を運ぶ国産のワゴンは170系エステートを最後に不在となってしまう事態に。販売を担っていたトヨタ店では、しばらく後継車として緑ナンバーのエスティマが活躍していたがこれもやがて廃盤。まさかそのためにエステートが復活相成ったわけでもなかろうが、このサイズのカーゴはミニバンばかりになってしまったことを考えると、法人向けにもある程度の需要層は見込めるのかなと。
さて、旧型クラウンとその先代もいまだ活躍中の警視庁、警察庁のパトカーたち
一時期レガシィ・セダンがその大役を担った時期もあったもののレガシイ・セダンも途絶。日産フーガはとっくに消え、パトカー不在の危機すら?
とりあえず今度のセダンで警視クラスの足は確保できよう。でも数多あるパトカーが全てこのサイズになるのはいかがなものか?
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果たしてクラウンスポーツのハッチバックタイプが後任を引き受けるのか?それともクロスオーバーに白黒ツートンカラーの新種が誕生するのか?覆面車はプラグインハイブリッド車で必要な性能を満たせるのか?
まだまだ,今度のクラウンについては興味がつきません。
それはそうと、気になるのはスカイラインの行方・・・・・
かつて、スカイラインにもクロスオーバーというSUV風のバリエーションが加えられた過去があり、それは対米輸出用の車種をあてがったものの一代限りに。
クラウンが同じ轍を踏むとは思えないもののスカイラインはGTーRを独立させ、現行モデルは4ドアのみ。先日伝家の宝刀たる赤バッジを一千台限定で大放出したから、これは惜別への花向けかと疑った。今さら新スカイライン開発でもなかろうに、全面EV化でGTの名前を捨てるか、ガソリンエンジンと命運を共にするのか?
販売台数を見る限り、切り捨てられても無理はないなと考えざるを得ないのが悲しい。2年先輩のクラウンには同じ轍を踏んでほしくないだけに、スポーツだろうがクロスオーバーだろうが、クラウンが販売上位リストに再び顔を見せてくれる日が待ち遠しい