運転までもが電動か!

さて、クルマが動く仕組みも色々変化しています。例えばガソリンは70年代に無鉛化されたし、アクセルワイヤーに繋がったスロットル・バルブはステップ・モーターに動かされる吸気バルブのタイミングで回転数を上下させたり・・・・・

クルマをコントロールする電子制御も燃料噴射に始まり自動変速機、アンチロック・ブレーキ、デジタル・メーター、CDプレーヤーにカー・ナビゲーション・・・・

これが、クルマを運転するという能動的な操作にまで電子制御が介入してくる様になるのはここ20年ほどの事。前方の危険を認知して運転者がブレーキを踏まなければクルマが自発的に制動を始める・・・・・運転者の実行しない運転操作をクルマが自発的に行った画期的な装置でした。

今では衝突安全ブレーキはごく当たり前の装備、センターラインや斜線区分に沿ってハンドル操作までも自動でこなしてくれるものも珍しくはなくなりました。こうした電子装備はあくまでも人間のミスを尻拭いしてくれるもの、では無くて尻拭いすることが起きないよう予防線を張っておくためのものです。

スバルが真っ先に開発したアイサイトではレーダーを使わずにふたつのカメラ画像から速度差や距離を計算して、急ブレークの必要があるか無いか、瞬時に判断してドライバーよりも先にブレーキペダルを踏み込む動きをします。仕組みは・・・・・,

3D映画を観たことが有るでしょうか?3Dメガネをかけたら画像が飛び出してくるようなアレです。3Dメガネをはずしてみると画面の遠くの景色はほぼ重なり合っているのに、近いものほど左右にずれているのが判るでしょうか?視差=パララックスと言う原理です。日本海軍の巨大戦艦・大和の主砲の両脇にはふたつの測距窓があって、敵艦までの距離を測定しました。ライカの古いカメラが人気なワケもこの測距システムの精度が高かったのが一因です。

画像認識技術は年を追うごとに進化してカーブや道路脇の自転車、歩行者の有無以外に道路標識の読み込みなども画像解析できる様に進化します。

一方でミリ波という短い波長の電波を使って距離を測定するレーダー式は急速な勢いで普及しました。自転車か歩行者かの判別よりもひたすら距離と速度差をチェック。必要とあらばブレーキを代わりに踏んでくれるところは一緒です。ただ洗車の時など必ずキーをオフにしておく方が良さそう。説明書にはレーダーの照射を覗き込まぬ様注意書きが書かれています。

ハンドル操作もオイルポンプに代わって電気モーターがパワー・アシストしてくれるだけでは無く、カメラが読み取った車線の内側を自動で走れる様、モーターが勝手に回してくれます。高速道の渋滞時など条件は限られるものの自動運転と呼ぶに値する機能を持ったクルマも既に誕生しています。

クルマ運転の自動化はここ数年でそのメカニズムだけで無く存在意義も大きく論じられる様になっています。モーターは車を動かすだけでなくハンドルやブレーキまでも動かす重要な地位を占めようとしている昨今です。

2021年東京モーターショーは中止になりましたが、その次2023年ショー主役は文字通りのモーターに移っていくことは間違いないようです。

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