
2030ルマンは誰が制するの?
今年も24時間の長い耐久レースの幕が空いた伝統のルマン
フォード、フェラーリ、ポルシェにいにしえのメルセデス、ジャガー、ベントレー、ブガッティが社の威信をかけて争い、想定外だった君が代の音源探しに主催者が慌てふためいた数々のドラマの舞台。
今年2021年のきょう、トヨタの二台がスタートから快走を続けている。最終ラップまでレースを支配していた2017を含めれば実質5年間もルマンの王者に君臨することに!
だが、もし今年トヨタが参戦しなかったらアルピーヌの一人相撲に終わったのだろうか?宿敵ポルシェもアウディもザウバーメルセデスやジャガーの名もそこには最初から無い。高度なハイブリッド技術をレースの過酷な舞台に押し上げる役者はもはや見当たらないということなのか?
10年先のガソリンエンジンに暗雲が立ち込めている以上、100年に達しようとする興業としてのスポーツカーレースのあり方もそろそろ考えを改める時期を迎えているのかもしれない。
電池や水素のエネルギーで24時間走り続けることはまだまだ難しそうだ。ピットストップで幾ら急速充電のスピードを早めても、水素タンクへの充填速度をアップしても現状ではガソリン車とは真っ向勝負になるまい。
300kmオーバーでユーノディエールを疾走し24時間走り続けるだけの電池や水素を準備するのはガソリン程容易では無い。
いっそレギュレーションを変えて電池は着脱、交換可能に。水素タンクもカートリッジ式にしてしまえばピットストップの時間は大幅短縮が可能かもしれない。ひょっとしてサルテサーキットからエンジンの轟音を消してしまう事も可能かも!
やがて市中からエンジンを載せたクルマが姿を消して大メーカーがエンジン駆動のレースカーを作らなくなるとしたら?
コーナーのごとにシフトダウン、アップを繰り返してエンジン・サウンドの上下をリアルタイムのオンボード映像で楽しめるのはもしかして残すところ数回のチャンスなのかも知れない。
日本のハイブリッド・レーシングカーの奮闘ぶりに遠くから声援を送れる今のうちがかけがえのない時間だとすると一周たりとも目を離さずライブ動画の画面に見入ってしまうのだ。