ブレーキペダルは左?中央?右足で?
アクセルとブレーキの踏み間違え。オートマチック車が日本でも当たり前に普及してきたここ30年くらい、常に大きなニュースとして伝えられる運転ミスです。
そもそも加速と減速を同じ右足を踏み込む動作で区別しようというところが根本的な問題なのであり、この構造を解消しない限りはまだ悲劇は無くならないでしょう。
AT車の普及黎明期にはシフト・レバーの誤操作事故がよく起きました。ニュートラルからドライブに引いたつもりが実際にはパーキングからリバースに入れていた、のが誤操作の大半です。動作はどちらも一段後ろに下げるところは同一。ロック解除ボタンを押しっぱなしで操作する人にはありがちなミスです。
これは、パーキング位置を解除する際にブレーキペダルを強制的に踏ませる機構を義務付けたことで、ほぼ解消しています。しかしアクセルとブレーキをまったく別の操作に分けるというのは・・・・・
身体障害者が使用するハンドル・マチック(運転補助装置)は市販のオートマ車に改造を施し、上肢だけで運転できるようにしたものです。バイクのようなハンドルが伸びていて、先にはバイク同様アクセルグリップが。そしてレバーごと前に押し込むことでブレーキがかかります。
回す、と押す、の全く違った操作でアクセルとブレーキを使い分けるので、高齢者にはこのクルマを義務付ける、と言うのもひとつの解決策かもしれません。(身障者のステアリング操作は補助のノブをつけた片手での操作が認められています)
クラッシック・カーの時代、そもそもはアクセルと同時に操作が必要な点火時期レバーはハンドル軸についていました。これも踏み間違えは起きない構造です。
マニュアルミッション車自体が稀有になりつつ今、クラッチペダルの存在も忘れ去られようとしています。でも、これが無ければ発進も、変速も出来ません。
私自身、踏み間違えを二度も体験していますが、ブレーキを踏んだつもりがエンジン回転ばかりがブンブン上がって、車が思わぬ方向に加速し始めると、もう冷静な判断は出来ません。自分がアクセル・ペダルを踏んでいる、と言う間違いを認識できない興奮状態に陥ります。そうなるとこの危機を脱するべく、さらに一生懸命ブレーキペダルを踏み込みます。
が、実際に右足が踏んでいるのはアクセルなので、危機は回避できません。
そのとき自分はどう行動したかというと、まずサイド・ブレーキを思いっきり引きました。しかし、ギアが入ってエンジン回転が上がっているため車を止めるには力不足でした。
なおも止まないエンジン音を聞きながら次にはサイドを引き続けたまま、開いている右手でシフトをニュートラルに戻しました。ここまでの操作にはホンの1秒ちょっとしかかかっていません。あっという間の魔の一瞬の出来事でした
クルマは数m動いたあとにサイドブレーキの力で減速し、直後に停止。まだエンジンはフル回転・・・・・でも踏み間違えたと気づくのは落ちついて深呼吸が出来るようになってからでした。
元通産省のどこかの役人が自分はブレーキしか踏んでいないと記憶している、と声高に主張し続けるのも理解できる気はするのですが、踏み間違えに気づくのは、その場ではまず絶対にといっていいほど無理でしょう。この問題を解決するには、やはり隣り合ったアクセルとブレーキの位置関係をもう一度考え直す必要があるのではないでしょうか?国によっては左足でブレーキを踏むよう教育しているとか・・・
加速、減速操作のはっきり分かれる原付スクーターや電動アシスト自転車でこの種の踏み間違えが頻発したなら、ここまでの主張を取り下げてもいいんですが・・・・
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