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新しい交通システムは宇宙を往復し、ハイソな世界観を前から引っ張った1981年の国産車

宇宙への足として再利用可能な宇宙船スペースシャトルが初飛行に成功し、レーガン政権が発足間もなく狙撃事件に遭いあわやケネディの二の舞かと思われた1981年、神戸の人口島=ポートアイランドには新交通システムという世界で最初の自動運転のゴムタイヤでコンクリート軌道を走る鉄道?が営業運転された。

この年のTVCMを席捲したのはムカデ・ダンスを踊る音楽グループ=マッドネス。ホンダの小型車シティの名前を連呼した。ダイハツのミラにも1.5ボックスと銘打ったトール・デザインはあったが、こちらは一層その個性を強調した背高スタイル。シリーズにはハイルーフ仕様も登場し、やがてターボやカブリオレを加えて話題を集めることになる。
シティ、シビックの上に立つホンダの上位車アコードが最初のモデルチェンジを受け、兄弟車ビガーが新店舗ベルの店向けに仕立てられる。このシリーズで特質すべきは翌年北米で現地生産車としてラインオフすることで、高まる自動車輸出の不均衡解消の先兵となった。

ブームを巻き起こしたもう一つのクルマはトヨタの高級パーソナルクーペ、ソアラ。sそもそもクラウンには2ドアハードトップが存在したが、ソアラはほぼ同サイズの2ドア専用・新規ボディに2リッター6気筒(のちにツインカムやターボを追加)2800,6気筒を載せた純然たるパーソナルカーだった。お手本はメルセデス450SLCであるのは明白。リアガラス内側のブラインドのデザインにも影響が垣間見られる。

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セリカ、カリーナの兄弟車もモデルチェンジで3代目に。セリカはこれまでとは趣旨替えしてウェッジ基調の直線的デザインに半リトラクタブルのヘッドランプを組み込んだ。当時ロータスと技術提携していた影響か?ロータスエスプリやエクセルなどにも通じるデザインだった。6気筒版ダブルXもドアから後ろは共用、ソアラに近いサイズの6気筒車となる。

いすゞからも117クーペに代わるスペシャルティカー、ピアッツアが生まれる。伊イタルデザインがコンセプトカーとしてショーに出展したものをほぼそのまま商品化したもので、足回りは延長されたジェミニのもの。デジタルメーターの装備はソアラのものと並んで新しい時代の到来を感じさせる未来的な雰囲気を醸し出していた。


いすゞが切り開いた未来がもう一台、4x4トラックのファスター・ロデオにレンジローバー張りのワゴンボディをかぶせたロデオ・ビッグホーンの投入だ。ランクル60や後発のパジェロと共に四駆の新たな市場を開拓したばかりか,SUV市場の創出という重要なマイルストーンでもあった。
この年はいすゞからファーゴというスタイリッシュなワンボックスも発売されており、武骨な商業車群にあって異彩を放っていた。

スズキジムニーが登場以来のフル・モデルチェンジで30,40系に刷新される。40系は1リッタ―エンジン、30系はアルト同様、トルクフルな2ストロークの3気筒エンジンを載せていた。CMソングを歌っていたのはブレイク前の玉置浩二率いるバンド、安全地帯。彼らはスパイクタイヤのCMソングも歌っていた。

アルトの好調を追いかけてスバルREXもリアエンジン由来の名前はそのままに前輪駆動にフルチェンジ。

80年代は各メーカーが前輪駆動にスイッチすると明言しており、日産も主力のサニーやスタンザ、ヴァイオレット等の兄弟車を相次ぎFF化する。この兄弟車の特色は樹脂で覆われたエプロン一体型の大きなバンパー部品でボディ同色に塗装も可能なほか昔ながらの鋼板製バンパーを駆逐することになる。

ブルーバード6気筒版を土台にしたオシャレな2ドア、4ドアのボディを纏ったレパードが日産店に、レパードTRーXがチェリー販売系列に投入されスカイライン・クラスの需要に応える。2ドアのターゲットはソアラの客層そのもの。でも人気ではソアラが圧倒していた。

スカイラインも6代目となり丸型テールランプ以外の伝統は継承しない直線デザインを纏う。4気筒車もロングノーズに一本化されたほかツインカム4バルブを4気筒エンジンに驕ったRSが赤バッジの暖簾を継ぐ。でもGTーRの名代を与えられることは無かった、可哀想なスカイライン。のちにターボやインタークーラーを追加してフードを延長した通称=鉄仮面は、以後も根強い人気となって西部警察にも供用される。

ドレッシーな2ドアクーペで好評を博したコスモが三代目ではルーチェに統合されて4ドアも登場。リトラクタブルのヘッドランプにしか個性を見出せなくなるが、これもソアラ人気には敵わなかった。

このほかダイハツからはシャレードに次いで自社開発のシャルマン・二代目が現れたが車台は後輪駆動のカローラで車体デザインだけは6ライトのゴージャスな独自のものだった。

東北上越新幹線開業で新幹線網は一気に北上しクルマ達は今後相次ぎ前から引っ張られる事になる。ソアラが切り開いたユーザー層はやがて低年齢化しチェイサーの様な6気筒車を誇らしげに乗り回すハイソカーブームの火ダネとなるのだった。


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