見出し画像

野球は20歳になってから???酷暑の高校野球反対にこめた熱〜い想いとは・・・・・

高校野球、夏の全国高校野球大会・・・・「甲子園」・・・お好きですよね?
夏休みの始まる頃になると、私も地方大会に足を運び母校の健闘ぶりを見守ります。甲子園での熱戦が始まるとラジオの実況中継から耳を離せません。テレビよりも緊張感が伝わってくるからです。野球はツーアウトから?いえ、9回の表裏からが面白いんです・・・・

・・・・ですが、主役たる生徒たちの立場で考えてみるとどうでしょう?

トーナメント形式で最後まで負けを知らないのは全国でたった一校だけ。その他全ての学校が最後は破れる残酷なゲームで強豪校にあたればただの一回きり。球児たちはひたすら頂点を目指すため全てを投げ打ってレギュラーの座を目指し、勉強時間さえも練習に注ぐので恋愛の手練手管を学ぶいとまもない事しょう。
何よりあの真夏の暑い環境の中で過酷な運動をして見せるのは熱中症防止を呼びかける側の立場からすると、決して好ましいとは思えません。

そもそも高校野球って高校生たちのためになっているのか?
高校野球は誰のためのものなのか?

そんな素朴な疑問を投げかけているのが岩波ブックレットの「真夏の甲子園はいらない」です。
ベテランスポーツライターでいずれも信頼のおける小林信也さん、玉木正之さんの共著&対談集です。

高校野球をめぐる様々な利害関係、サッカーに比べてがんじがらめの規制と指導システムの欠如。メディアが取り上げようとしない問題点が次から次へと詳らかにされてゆきます。
高校野球に打ち込んでいる若者たちって本当に幸せな野球人生が送れるのだろうか?夏の甲子園は誰のためのものなのか?そもそも教育的見知からみて本当に正しいあり方なのか?改めて考えさせられてしまいます。

トーナメントではなくリーグ制にしたら?夏休みを避けて、秋の開催を計画するのは?・・・・・・確かに地方大会から全国大会までの膨大な出場校を捌こうとすれば夏休みを置いて他に考えるのは難しいのかもしれません。リーグ戦にしたらどこまで試合数を増やしたら収まるか?確かに夏休みに開催するのも一理はあります。

閉会式が終わると北日本では程なく2学期スタート。開催時期も後には延ばせません。一方で、春の選抜は練習期間があまりに短く出場できるのも2学年に限られてしまいます。都道府県全てから代表を選ぶこともできていません。

では、なぜ夏休みのクソ暑い時期にこうした大会が組まれたのか?それはメディアにも責任の一端があります。そもそも大手の在阪新聞社が真夏の紙面の空白を埋めるために用意した企画。それが今日こんなにも巨大ビジネス化して日本中をわかせる大イベントとなってしまった。やめて仕舞えば困るのはメディア自身だから批判しにくいのです。

阪神だってこの時期のホーム試合が出来ないんだからいい迷惑。甲子園というブランドにそろそろ終止符を打ってもいいんではないでしょうか?スタルヒン球場(北海道・旭川)で開催すれば沖縄の応援団には負担となりますが物理的には可能でしょう。あのフジロック。フェスティバルだって今や富士スピードウェイを離れて苗場スキー場で開催されているくらいです。

本書の中ではJリーグ、サッカー人気と対比させながら高校野球という古い体質の塊に鋭くメスを入れています。
もはや少年野球団では死活問題の野球離れ、この子達が高校に上がる頃にはまだ甲子園大会は続いているかもしれませんが、やがては出場校の減少や部員不足が顕在化してくるかもしれません。どのみち、どこかでこのスポーツ興行のあり方を見直す時が来るのでしょう。

この本を読む、読まないに関わらず炎天下で死に物狂いで白球を追う高校生たちのこと、もう一度親身に考えてみませんか?

いいなと思ったら応援しよう!