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ゲームに関しての書籍を読むなら必須!決定版 『ビデオゲーム書籍史入門』 ファーストインプレッション書評1⃣

著:鶴岡八幡

「ゲーム書籍」といっても電子ゲームが生まれてから60年とか経過しているわけで、良本もトンデモ本もあるのが令和5年3月の観測です。そんな中、新越谷で書店を営む『すずめ出版古書部』からリリースされた『ビデオゲーム書籍史入門』(山田鍵氏:著)を拝読して「ああ、書籍は今昔問わず大事だなあ」と思うことがあったので、こちらに記していきます。

何でもできるとは言っていない、できることを全部やっているだけ

本著のすごいところは企画、資料収集に始まり、DTPを経て印刷以外の要素はすべて著者の山田氏が一人で完成させているというところです。「読者にビデオゲーム書籍の面白さを伝えたい」という情熱だけで、ビジネス書に限っているものの、ほぼすべてを網羅し出版するのは割と「紙一重」を突破したサイドの所業です。

掲載されている書影も美しく、デザインもカタログでありながらキチッとしたデザインで読みやすい上にメリハリがあり、読んでいて疲れません。

ゲームの歴史書にある本の特徴「自分の観測値」or「俯瞰で見た業界」

面白いのが、ほぼほぼ読破された上での個人的なコメント欄です。ちゃんと読み物としての価値があれば筆致が乗っているのですが、ゲーム系メディア有る有るの「ちょっとコレは読むには推奨できない人もいるかもしれない、でも毒も薬も一緒に食べたほうが成長するのでヨシ!」という感じで恣意的な削除を感じないうえで「ファンなら買い」みたいな優しいコメントなのもツボでした。

歴史書を後世にとって貴重な楽しみとして教える

歴史書の面白いところはジャンルを問わず、そのときに描かれた歴史が後の世で明らかになったときに、「ここまでは旧史通り、ここからは明らかになっていなかった部分」のようなアップデートがあることです。なので良書も悪書もきちんと価値がある、ともいえます。

著者の思惑ではなく鶴岡の個人的な観測で言うと「あなたこの業界知らないでしょそもそも」っていう方のゲームビジネス本/歴史本もメチャクチャあるのですが、それはそれで味わい……ってならないです、嘘つきました。爆発四散していいです。

自身で作った本を、自身の店舗で売る

これ単純に凄いことなんですけど、本著に掲載されている蔵書も、この本も、作者が経営する古書店で買えてしまう、ということです。ゲームの歴史を掘るなら、ここはぜひ行った方がいいでしょう。

予告

近日、著者様のところにお伺いして蔵書ディグと取材に伺う予定です。結果しだいでは面白い続報になるかと。お楽しみに。

  • 独立系出版『すずめ出版』

  • 趣味、専門書籍売買『すずめ出版 古書部』

  • 〒343-0807 埼玉県越谷市赤山町4-7-2 富士ショッピング内


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