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「性教育をするための教育」
中村うさぎさんの性教育に関するツイートに気付かされ、思う事が多々あります。
性教育が必要なのは言わずもがな、僕らには「性教育をするための教育」が必要なのではないでしょうか。
大人は子供に性の話をする時に、つい濁したり狼狽えたりしてしまいますが、それって実は、子供に話せるほど性のことを深く考えた事もなければ、ましてや、それをどう伝えたら良いのかなんて事は知りもしないのだから、仕方がないものなのかもしれません。
だからと言って、決して性体験の大小だけが物を言うのではなく、独身の処女童貞も、純潔の夫婦も、多少なりとも性の予備知識を持っているように、当たり前に「性教育の予備知識」を持つべきなのではないでしょうか。
大人が子供に性の話をする時、どうしても「コウノトリが」「キャベツ畑で」と平気で嘘をつく事に慣れ過ぎて思考が停止してしまってるファンタジー派と、きっちり真実を専門的に説明し子供を煙に巻こうとするサイエンス派と、ただ不機嫌になり警戒行動を発するアニマル派とに別れてしまうものです。
アニマル派は子供相手に大人気無さ過ぎるし、ファンタジー派は後学が無さ過ぎるし、唯一、真実を言ってはいるサイエンス派は、まだ見込みが有って、後はそれをちゃんと伝わる形にすれば良いはずなのです。
ですが、子供を前にし、いざ伝えようとすると、上手くいかない。
どうも照れが生じてしまう。
とても大事なことを伝えなくてはならないのに。
それは、自身の消費領域である「ポルノ」に抵触するからでしょうか。
あるいは、その情報自体とその影響に自信が持てないからでしょうか。
前者はモヤモヤとした欲望の部分ですが、皆が持ってるもので、いずれは子供も自然と持つようになるのです。
ポルノ=罪ではない。
子作りに不必要な様々な性癖、理解出来ないものも含めて、それらを許す。
そうする事で、無意識にも存在するあなたの裏側も許されて、罪悪感は消える事になるでしょう。
性行為は決して機械的な子作りだけのものではないですから、現代においては、むしろ互いの心を満たすコミュニケーションとしての姿の方が重要だと思います。
その観点からすると、子供を作らなくてはいけないわけではないし、ありとあらゆる性癖が許されるべきだと思います。
問題が有るとするならば、そういった性のもろもろが、経済原理をベースに表に垂れ流されているという点ですが、そもそもが生理現象ですから、僕らが排便排尿する時と同様に、あえて見せるべきでないものなら、見えないように配慮すればいい話で、見たい人同士は密室で思う存分楽しめばいいのでしょう。
子供に対してのトイレのマナー教育は上手く出来る。
では、性教育はなぜ上手く出来ないのでしょうか。
それは「上手く教育されていないから」です。
そもそも、自信無さげに教えられたものを、自信を持って伝える事が出来ましょうか。
それは先の話の後者の問題です。
実は自信もなにも、僕らはその結果産まれて来たのだから、自分自身の中にある性への偏見を拭い去って、いち早く、排泄同様にフラットな視線を手に入れ、生きて行く為に必要不可欠な知識として普通に伝えるだけなのではないでしょうか。
もちろん真摯に愛情を持って伝える必要はあります。
決して、大人側の性欲を向けたり、自己都合の寂しさや人恋しさを絡める事無く。
ただ純粋に、その子供の将来と成長を願って、事実として伝えるべきでしょう。
大人が本気になれば、子供にだって幾分は本気として伝わるでしょう。
画一的に早くから教育すべきとは思いませんが、それぞれに子供達が疑問を持った時に、又聞きではなく、普通に大人から直接伝えてやるべきです。
普通に聞いたら、普通に答えてくれるような事なら、いずれ普通の事となるでしょう。
どうせ近々、周囲の先輩に歪んだ形で吹き込まれて行くのですから。
なので僕ら大人が、未だいつまで経っても、尻胸性器を笑い糞尿を笑いするような幼児的な次元から、一刻も早く脱却すべきなのです。
大人がちゃんとした大人になって、性教育がしっかりなされるようになれば、コンビニのエロ本コーナーなんてものは、いずれ必要無くなるのかもしれませんね。
と、長々と固っ苦しい話ですいませんでした。
で。
最近観た映画の中で一番お気に入りが、マット・ロス監督、ヴィゴ・モーテンセン主演「はじまりへの旅」。
参考になるかどうかわかりませんが、中には性教育に触れる部分も含め、子供に対して「どう教育すべきか?」という問いが、おもくそ込められた作品です。
原題は「Captain Fantastic」だから、なんでこんな憶えにくい邦題になったのかわからないけど(恐らく国民性で彼を誇りに思うか謙遜するかの違いかしら)自分を重ねて終始泣きましたよ。
ざっくりわかりやすい動画を見付けましたので、是非。
(出来れば、YouTubeで¥400、amazon primeで¥500程度で観れますので、本編を是非)