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「アメリカ大陸のナチ文学」

ボラーニョ「アメリカ大陸のナチ文学」(野谷文昭訳 白水社)
1996
この比類なき文学事典は、架空の作家たちについての解説と、架空の巻末資料で構成されている。
過不足のある情報を載せながら事典の装いを保つが、30人目の作家の項に至ると、いよいよ、一人称の「僕」が語りだす。
巻末資料ふうの言葉の羅列まで読み終えたとき、言葉でしかつくれないこの比類なき芸術作品に感じ入る。

〈みどころいっぱい〉
・2040年に歿した作家も載っている
・「通話」「はるかな星」とともに三部作をなす

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