足元を固めてから攻めに転じる
先日フィールドワークに行った徳島市の企業様と面談を行った。
どのようなご提案をしようかと、結構迷ったが、やはり自分の得意分野で勝負するしかないし、フィールドワークで直接感じとったイメージや印象というのを、自分なりの言葉で伝えることが大事だろうと。
なので、テーマは『攻めに転じる前の守り固め』という感じになった。
地方企業の方々は、自社の認知度向上や販路拡大などのサポートが欲しいというお悩みをメインで語られることが多い。
私はそのようなマーケティングやデザイン関連は専門外だし、中途半端な知識や経験でお手伝いできるほど甘いものでもないと思っているので、正面突破のご提案は、なかなかできない。
これは私の性分なのかもしれないが、『攻め』とか『拡大』という行動に出る前には、可能な限り足元を固めた方が良いと思っている。
子供の頃、よく遊んだ『信長の野望』というゲームでも、まずは自分の領土の国力を最大限にして、兵力や武器も整えて、なんなら、他国の有能な人材の引き抜きまでして、絶対に勝てると確信できるまで、他国を攻めることはしなかった(笑)
慎重すぎる子供だったし、失敗するのが嫌だったんだと思う(笑)今考えればゲームで失敗しても何の問題もないのにと思うけど(笑)とにかく嫌だったんだと思う。
新規事業は小さく初めて、スピード感をもってPDCAを回して、走りながら大きくしているというのが良いとされていると思う。
そうすることで失敗した時のリスクも最小限で抑えることができるし、最初から抑えめのコストにしていれば事業として成立する可能性も高まる。
これってもちろんその通りだと思う。そして、さらに足元を固めてからこれに取り組めればより成功確率が高まるのだと思っている。
新しい事業領域に取り組んだり、新商品を開発し販売していったり、新しい販路を見つけたりっていう、『攻め』に注力し、意識が外に向いている時に、社内体制がグラグラしていては、力もそがれるし、本気の力が発揮できないと思う。
例えば、経理や総務関連のお仕事は奥様やお母さまが担当していて、税務申告だけ税理士先生にお願いしているとか、経理部や管理部という組織はあるけど、月次決算はほとんど機能していないとか、財務分析や経営指標分析なんて全く知らないとか。
そういう状態で、新しいことにチャレンジするのも、別に問題はないし悪いことでもないとは思うけど、それで、本当にちゃんとした新規事業に対する評価ができますか?とは思う。
新商品の開発ができて、販路も確保できて、ブランディングやPRなんかもできたけど、商品別の販売数や粗利額などのデータを取るすべがなければ、その商品で本当に儲かったのか、実は、売上は増えたけど、コストはもっと増えたので、赤字が増えただけだったとか。
損益分岐点がわからなければ、どのくらいの受注が必要なのかとか、どこまで値引きができるのかとか、そういう意思決定も難しくなってくるんだと思う。
だから、まずは、守りを固めませんか?
せめて、現状把握だけでもしませんか?
というような、自分の得意分野を押し付ける提案書を作成し提出してみた(笑)
そしたら、面談まではこぎつけることができた(笑)ありがたいことだ。
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