新規事業なんてそうそう作り出せない。
会社の成長段階に応じたマネジメントがあるよね(怒)という話。
期末が近づいてくると『来年度の予算はどうしようか?』という話が出てくると思う。特に親会社が上場とかしていると決算発表などで来期見込みを公表していたりするので、四半期毎の予算を結構な精度で求められたりする。
作る側の子会社としたら、現状の足元実績を見て、来期の出店計画や投資計画を考えて、売上がどの程度になりそうか、原価率はどの程度か、採用はするのかしないのか、それによってアルバイトさんを代わりにお願いするのか、販促費はどうする、などなどを社内で真剣に協議して決めていく。
もちろん業績が上向いている時と、昨今のような感染症の影響などがあって厳しい環境の時では出来上がってくる予算は全然違うものになるし、承認する社長や取締役などの気持ちにも左右されてくると思う。
それでも子会社は子会社なりの経営環境や将来見通しに基づいて精緻な予算を作っている。
それなのに、、、それなのに。。。である。
親会社側としては各子会社の来期見通し(予算とは言わない。なぜなら親会社としては承認していないから)をかき集めて集計してみたら、自分たちが思い描いた数字になっていないということが良く起こる。
そうなると、『こんな数字では承認できない』とかなんとか色々とケチをつけてくる。確かにグループ会社全体の売上高の1/3や半分を占めるような主要な子会社には厳しい要求をしていくべきだと思うし、そうしないとグループの発展が見込めないというのは理解できる。
しかし、である。
まだまだこれからの小さな子会社、M&Aで購入したばかりの子会社、1つの事業分野で成長中の子会社などに対して同様の厳しい要求は本当に必要なのか?
私は『NO!!!』だと思う。
M&Aしたての会社なんて企業文化もまるで違うだろうし、予算の作り方だって違うだろう。まだまだこれからの会社や1つの事業分野で成長してきた会社なんて独自の成長戦略があるだろうし、それを横からごちゃごちゃ言われたらそれこそ成長が止まってしまう。
例えば飲食店経営1本で成長してきた会社の場合、このコロナ禍の影響で大きなダメージを受けている。商業施設では休業要請があったり、アルコールが売れなかったり、本当に厳しい環境だ。それでも、少しでも売上高を獲得するためにデリバリーやテイクアウトを導入したり、冷凍商品の開発に着手したり、もちろん不採算店を閉店したり、シフトを減らしたことでアルバイトさんに働いてもらえなくなったり。。。様々なことを行ってきた。
その苦しい実績をベースに予算を作るとしたら、将来を楽観視したハッピーな予算なんてなかなか作れない。苦しいながらも新しい施策を考え抜いてようやく少しだけ上積みできるという感じの予算になってしまう。親会社からしたらおそらく『認められない』予算だろう。
親会社として認められなくても、その会社の規模やこれまでやってきた事業から考えたら、予算数値が足りないからっていきなり儲かるような新規事業を始められるわけがない。
親会社からしたら『誤差』程度の数値であーでもないこーでもないとか横やり入れるって。どんだけ管理したいんだ(笑)成長中の子会社の小さなチャレンジが将来の基幹事業になるかもしれないじゃん!親会社が大きな心でほっといたらそうなるかもしれないじゃん!!
自分たちだってそういう成長中だった時代があったわけだし、もしかしたら結構昔の人が大きくしてくれた会社だとしても、昔の苦労話なんて受け継がれているだろうから、気持ちはわかるんじゃない?
なのになんでそんなに管理したがるんだ?保身としか思えんぞ?
立ち上げ期、成長期、成熟期、衰退期のそれぞれで考え方を変えても良いでしょ?そう思いませんか?