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経理部に配属されたら絶対にやるべきたった1つのこと

こんにちは。
東京で経理、財務パーソンの地位向上のためのスキルアップサポートをしている三浦(@3ura_kouki)です。

私は経理、財務に携わって2021年で15年が経ちます。その間、一部上場企業やIPOを目指すベンチャー企業など様々な成長段階の企業で仕事をしてきました。経理、財務には企業の成長段階に応じた役割が求められますが、共通して重要なのは「経営の意思決定に貢献すること」だと考えます。

しかし、私が15年の間に出会ってきた経理、財務担当者の方々は総じて目の前の定型業務に追われ経営層へのアプローチに時間がとれない、そもそもそのような発想がないという方が多かったと記憶しています。

かく言う私自身も営業職から経理職に転職してしばらくは、目の前の業務で手一杯、経営層との接点すら持つことができないという状態でした。

そのような経理、財務担当者に対して「コスト」と考える経営者が多いのも事実です。それがとにかく悔しく、「経理財務の地位向上委員長」として皆さんのスキルアップをサポートし、経営者から「なくてはならない存在」「右腕」として認識される経理、財務パーソンを増やしたいと思っています。

そのために今回は経理部に配属されたら絶対にやるべきたった1つのことについて書いていきます。読んでくださった方に何か一つでも参考になる点があれば幸いです。

そもそも経理とは

そもそも経理とはなんでしょうか?経理とは「経営管理」の略であり、本来は経営に直結する役割を担う部署です。そして経営に貢献している経理パーソンは必ず自社ビジネスの収益構造を理解しています。

自社ビジネスの収益構造を理解することで、自社ビジネスの急所を把握することができますし、それこそまさに社長の右腕として経営に貢献できるワンランク上の経理パーソンへの第一歩なのです。従って経理部に配属されたら絶対にやるべきたった1つのこと、それは「収益構造の理解」です。

収益構造とは

ところで収益構造とはなんでしょうか?
収益構造とは、何にいくら使ってどうやっていくら儲けたのか、そのお金はいつ手にすることができるのかというビジネスの枠組みのことです。
「いくら儲けたのか」までを「収益構造」と解説する場合が多いですが、お金が回収できて初めてビジネスが成立すると私は考えます。

実際、私が経理デビューをした会社は黒字倒産をしています。PL(損益計算書)では黒字=儲かっているように見える状態、でしたが、取引先や従業員への支払いができなかった=お金が回収できなかった、から倒産したのです。

売上高

では、どうやって収益構造を勉強するのか。これは経理部に配属されたからこそ自由に見ることができる財務諸表が助けになります!

まずはPLの売上高の内容を全て言語化します。
例えば、飲食店で考えてみると、まずは店舗での現金での売上、最近だと電子マネーやクレジットカードを使われるお客様もいますよね。これは現金売上とは別で記述します。

店舗での売上以外にも、FC(フランチャイズ)をしていればロイヤリティや食材の差益などの売上があります。下記の表の様な感じで、売上の内容、現金もしくは掛、いつ入金になるかなどを明確にすると理解しやすいです。

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売上原価

次に売上原価です。
売上原価は全て売上に紐付きます。売上に紐付かない売上原価は間違いです。売上原価は売上項目毎に仕入先、現金もしくは掛、いつ支払うのかなどを記載します。

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ここでもし、売上の入金タイミングよりも先に売上原価の支払いタイミングがくる取引先があったら要注意です。売上金を受け取る前に支払いが発生するということですから、資金不足の原因となる可能性が高いです。

取引先様との関係を崩さない範囲で支払いタイミングの変更をお願いしましょう。なかなかハードな交渉になることが予想されますが、これもまた経理担当者の醍醐味の1つのです!

経費

最後は経費です。
経費は科目も多く把握しにくいものも多いと思いますが、売上に紐付けて考えればそれほど大変ではありません。売上に紐付かないもの、例えば交際費なども記載しておくと後々悩んだ時にわかりやすいです。

経費も売上項目毎に集計し取引先、現金もしくは掛、いつ支払うのかなどを記載します。考え方は売上原価と全く同じです。先払いになるのは極力避けたいです。

その他

実はPL(損益計算書)に現れない支払いというものも存在します。
飲食店では大きく2つあり「敷金」と「有形固定資産の取得」です。

飲食店では店舗を出店することで売上を獲得しますが、そのためには出店場所を借りる必要があり敷金がかかります。(自社の土地に出店する場合はかかりません)

また、店舗を作るための内装工事費用や厨房設備機器などの有形固定資産の購入費用も掛かります。

これらはともにBS(貸借対照表)に表示される項目ですのでPLだけを見ていては気付けないものとなりますので注意が必要です。

まとめ

売上、売上原価、経費の3点について、売上項目を基準に取引先や支払方法、支払タイミングを表にまとめます。経理経験者の方は、BS項目についてもまとめておくと良いと思います。

ここまでやれれば売上項目ごとの収益がある程度把握できます。ちなみに金額はおおよそのもので大丈夫です。ざっくり大枠をとらえるのが大事です。

この時点で、もし赤字になっているような売上項目があるとしたら、、、
いつまでたっても儲けることができないですし、「そもそもやる意味ありますか?」と社長に確認しましょう。

この表が完成するころには自社の収益構造が理解できてると思います。その表をみて愕然としたら改善提案や最悪の場合、転職活動を始められます!

経理部に配属されたら、まずはその特権を活用して自社の急所を探りあてましょう!そして、社長はあなたの気付きを待っているはずです。臆せず提言していきましょう。

最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。ご感想やご質問などがあれば、ぜひTwitterなどで教えていただけると嬉しいです。

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