2024年度「青年部教学試験1級」研鑽のためにのポイント part3 「佐渡御書」二章から五章

「佐渡御書」の御文に入る前に述べますこととして、大白蓮華の要所に記載されている池田先生の指針からをしっかりと拝して心に置いてください。

まず、第二章から九章までのポイントを述べさせていただいた後に、また本文の解説をしたいと思います。はじめに各章のポイント。


第二章

テーマは、

不惜身命の信心を勧める

です。

本文から
世間一般に人が恐れるものは、
①炎に包まれること
②刀剣によって襲われること
③自身が死ぬこと

「この人生を何のために使うべきか」
不惜身命といっても、命を粗末にすることでも、簡単に捨てることでもない。

(背景)
死刑である竜の口の法難以後、日蓮大聖人は、地涌の菩薩の筆頭である上行菩薩として弟子を等しく成仏へ導こうとの大慈悲で不惜身命の信心を勧められた。


最高の生き方とは
人生は自他共の幸福を目指すためにある。かけがえのないわが命を万人成仏の究極の法である「仏法」のために使う人生にこそ、真の幸福がある。



第三章

 

折伏こそ時機にに適う修行と明かす


仏法において
摂受と折伏のどちらを実践するかは
時に応じて決まる。

あらゆる時のその実践は
肉を欲しがらざる時
戒律を持ち、正法を行ずる人が重んじられる時代
国王が儒教や道教を用いて仏法を弾圧しようとする時

(要)
仏法の中に小乗と大乗、権教と実教が入り乱れているような時

(重要)
悪王が正法を破ろうとし、邪法の僧たちがその味方をして智者を亡き者にしようとする時

④補足 畜生界の心は、弱い者を脅し、強い者を恐れる。(p80L4〜L7,「おごれる者は〜」も畜生の心の例)
→実際に極楽寺良観(忍性)らが迫害。

⑤補足 師子王の心を持つ者が必ず仏になる。例を挙げれば、日蓮である。

 正法は、時と機根に適っていれば必ず成仏する。(例)どれほど多くの経文や論書を習い学んだとしても、時機に相違していれば、決して成仏出来ない。



 

第四章

「兼ねての存知」と喝破される

Q.「合戦」とは、何か。(訂正2024.8.2)
→内乱·北条時輔の乱=二月騒動
(自界叛逆難の予言的中。)

Q.「関東の御一門」とは。
→北条氏一門

Q.主師親(しゅししん)の三徳とは、本文からそれぞれ何に当たるか。
主の徳→「棟梁」
師の徳→「日月」「亀鏡」「眼目」
親の徳→「父母」(当世にはこの御一門の父母なり)

Q.「日蓮が智者ならば、どうして国家からの弾圧に遭うのか」から2つの批判
①智者がどうして自身に起こる迫害を予測できないのか
②智者なら世間から尊敬されるはず

→世間的にも仏法上でも、恩ある人が必ずしも感謝されておらず、優れた人が必ずしも尊敬されているわけではない。それは人々の生命に狂いが生じたため

A.北条一門は、大聖人を迫害して喜んでおり、大悪鬼に魅入られて滅亡の因をつくっている。その狂った姿は、悪鬼入其身に当たる。(法華経の勧持品第13)


第五章

留難も先業(過去世の業…身口意の業)によるを明かす


法華経の行者が難を受ける【理由】
…宿業による (世間的な過失ではない)

法華経の行者が難を受ける【意味】
…過去の罪障を消すための試練

☆世間の眼と仏法の眼、押さえておこう

依文(頼りとする)として

過去の宿業があるから難を受ける (重要)

不軽品「その罪は畢え已わって」そのつみはおえおわって…不軽菩薩が礼拝行を貫き、人々から迫害を受けたことで、過去の謗法の罪を受け尽くして消し去る事が出来たことを意味する。(宿命転換

「宿業はかりがたし」
「鉄は炎い打てば剣となる。賢聖は罵詈して試みるなるべし」→鉄を高温の炎の中で打ち続ければ、中の不純物が追い出されて強い鋼になるように、難は、生命を鍛えていけるチャンスとなる。

それゆえ、
「我、今度の御勘気は、世間の失1分もなし。ひとえに、先業の重罪を今生に消して、後生の三悪(地獄·餓鬼·畜生)を逃れんずるなるべし」と仰せ。

「御勘気」…竜の口の法難、佐渡流罪
「先業の重罪を今生で消して〜」…過去世につくった悪業の重罪を今世で消して、来世に三悪道の苦しみを免れるためのもの。
転重軽受の法門