「観心本尊抄」第17章から第31章まで 2024年度「青年部教学試験1級」研鑽のために あらすじ
はじめに(全体像を押さえよう)
成仏の法を覚って人々に説いたのが、「教主釈尊」であり、釈尊の覚りの真実を説いた教えとは「法華経」であることが明かされる。
その法華経の教えの肝要が、法華経本門寿量品の文底に示された「一念三千」の法門であり、それが成仏の根本因となる教え、すなわち「仏種」であり、具体的には、法華経の題目、南無妙法蓮華経であると明かされるのである。
sokanet の観心本尊抄の石田男子部教学部長の導入から~
「末法の衆生が受持すべき本尊とは何か」「下種の法である南無妙法蓮華経を誰がいつ弘めるか」をテーマに論が進められていきます。
「法華経」や「摩訶止観」は自具の十界なかんずく自身に具わる仏界を見、そして現すための鏡です。
「法華経」「摩訶止観」はそれぞれインド、中国における仏教流布の状況、文化・伝統などを踏まえてあらわされた明鏡です。
それぞれがそれぞれの時代において己心の十界を見るために意味があったのです。
大聖人はそれらを踏まえて、その真髄を一幅の曼荼羅に顕され、この末法の一切衆生のための「明鏡」として残されました。
大聖人の御生命に赫赫と輝く仏界、その同じ仏界の生命が私たちの生命にも厳然と具わっています。
大聖人は、凡夫のままで仏界を現じた御自身の生命を御本尊として御図顕されました。
いわば、私たち自身は、
「己心の十界を見よ」「己心に仏界を湧現させよ」「己心に御本尊があることを自覚せよ」とお示しになっているのです。
この末法の明鏡である南無妙法蓮華経の御本尊を示されていくのが本抄の後半部分です。