「観心本尊抄」第9章 2024年度「青年部教学試験1級」研鑽のポイントメモ

▼凡夫(人界)にも三乗が具わるという文証
㉕「世間の無常は眼前に有り。あに人界に二乗界無からんや」
㉖「無顧の悪人もなお妻子を慈愛す。菩薩界の一分なり。」

→㉕世間の無常、はかなさを感じる事象。二乗界の生命である。
→㉖周りを一切顧みない悪人でも、自分の妻子に対しては慈愛の心を起こすものである。菩薩界の生命である。

·声聞界·縁覚界(二乗)の特徴
→世間すなわち現実世界にあるものは、無常であって、すべて縁によって生じ、時とともに変化·消滅するという真理を自覚し、無常のものに執着する心を乗り越えていく境涯。

「衆生をして仏知見を開かしめんと欲す」
→九回の衆生の生命に仏知見すなわち仏界の智慧の境涯が本来あることを意味している。
「開かしめん」とは、もともとあるからこそ、それを開きあらわすことが出来る。

人界に仏界がそなわるという文証
涅槃経 「大乗(法華経)を学する者は、肉眼有りといえども、名づけて仏眼となす」
→「末代の凡夫、出生して法華経を信ずる(末法に凡夫が人間として生まれてきて法華経を信じる)は、人界に仏界を具足するが故なり」