「出かけない土曜日」。2020.11.21.
4月に入ってから、毎週土曜日は、午前9時前に出かけていた。
今日は、3月以来、出かけなくていい土曜日だから、起きるのが午前9時になった。
いつも出かける間際に見ている番組の男性タレントが、さらに歳をとってしまったように見えたが、若い女性の出演者に「おばさん」という表現を使って、笑っている。
やっと、GoToキャンペーンの見直しをするというニュースも流れてきて、その対応の遅さを思うけれど、家にいる分には、勝手なものだけど、不安感は少し減る。
少しのんびりした気持ちになっている。
天気もいい。
日差しを通す柿の葉の色が、あたたかくきれいに見える。
洗濯を始める。
廊下の葉っぱ
午前10時から、オンラインで初めてプライベートな集まりをする。
いつもミーティングのような時には、長く感じる1時間は、けっこう早く過ぎる。
そこにはっきり誰かがいたように、どこかの世界につながっているように思えたノートパソコンのモニターの画面が、接続が切られると、急に平面に戻り、ちょっと寂しい感じだけが取り残される。
さっき洗濯機に入れておいたから、1度目の洗濯が終わり、干し始める。
日差しは暖かく、気持ちがいい。
2度目の洗濯を始めて、少し作業をしていたら、午後12時になり、妻が昼食の用意をしてくれたので、お盆に乗っけて、料理などを運んでいたら、1階の廊下の真ん中に、さっきはなかったはずの紅葉した柿の葉っぱが一枚だけ、まっすぐ置いてあるように、あった。
縁側のような1階の窓からは、2メートル以上はあって、少し距離があるし、ここに届くまでは、曲がった軌道だから、不思議だと思ったら、妻は冷静に推測を教えてくれた。
さっき、(夫)が洗濯を干したりしている時に窓を開けたから、その時に家に入ってきたんだと思う。それから、さらに、(夫)が歩いた時に風が起こって、それに巻き込まれて、それで、ここまで飛んできたんだ、と思う。
それは、正解にしか思えず、植物に関しては、いつも、妻に微妙に圧倒される。
昼食をゆっくり食べて、録画していた複数のテレビ番組の中から、いくつかを見ながら、食事も終わる。
時間の流れかたが、穏やかな感じがする。
午後の風とアダム
1階の窓から外を見ていると、庭の柿の葉や、他の葉っぱが落葉していくのが見える。少し風が強くなってきたら、ひらひらというよりは、空間を斜めに滑るように直線的に落ちていく。
午後も、室内でできる作業をして、あとはテレビなどを見て、ゆっくりしていた。
土曜日のこの時刻は、いつもなら用事があって、その時と比べると、穏やかだけど、時間ははるかに早く過ぎていくように思える。
こたつに妻と一緒に座って、録画した番組を見ていたら、こちらを見て、視線が下に移ってから、笑われた。
スウェットのズボンのひもをしばるところの下。そこに、黄色く紅葉した葉っぱが縦に、ぴったりついていた。
アダムか。
と妻に言われ、初めてその葉っぱをはがしたけれど、少しざらざらした葉っぱの裏側が、くっついたようだった。さっき、庭に出たときについたはずだけど、全然、気がつかなかった。
夕方の空
出かけないのなら、なるべく家にいようと思ったけれど、少し買い物もあったので、妻に聞いて、必要なものを買いに行く。
午後4時55分。
徒歩3分くらいの、一番近くの小さめのスーパーに行く。
それだけの外出でも、マスクはする。
空は、もう暗くなってきて、紺のような色になってきている。
もう夕方というよりは、夜の暗さのほうが印象が近い。
スーパーの入り口でアルコール消毒をするが、いつも、このスーパーのポンプは使いにくいから、カゴを持つ前に、使う。そして、買い物をしていると、感染拡大防止のために、密接を防ぐための買い物マナーをお願いします、のアナウンスが繰り返し聞こえてくる。
一通り買うものをカゴに入れて、レジに並ぶ。今もソーシャルディスタンスのための印は床にあって、すでに古くなってきている。レジ袋はいりますか?といわれ、あるからいりませんと答えて、今日のスタッフからは、袋を渡してください、と言われないので、目の前に次々と商品が並べられるから、急いで、自分の袋に入れ続ける。
いつも、なんとなく商品は、バラバラになる。
全部詰めるくらいの時に、隣のレジの中年男性が、タバコの番号を言って、あ、間違えた、と続け、また違う番号を言いながら、タバコの棚は、こちら側にあるので、体を傾けて、一歩踏み出して、体がくっつきそうになるから、思わず、後ろへよけてしまう。
男性は、また番号を言ってから、また間違えた、と違う番号を伝えていた。それが何度か続く。
タバコを注文する人は、だいたい買い物の最後に、暗号のように番号を素早く正確に言って、買っていくことが多いから、こんなに何度も間違える人は初めてだった。
支払いを終えて、外へ出る。
家を出てから10分くらいしかたっていないけれど、空の色はさらに濃い紺になっている。
月も明るくなり、星がいくつか見える。
帰ってきて、手を洗って、顔を洗って、うがいをする。
そのあとに、お米をといだ。
もう少したったら、いつもならば、出かけて帰ってくる時刻くらいだった。
出かけない土曜日
本当に久しぶりに出かけない土曜日だった。
家にこもっていると、コロナ感染に対しては、不安やこわさは確かに減る。だけど、ずっとそのままだと暮らしていけなくなる。
だから、今日だけはたまたま出かけなかったけれど、また来週からは出かけることになる。でも、今以上に、外出を増やすのも、家族に持病を持つ人間がいると、リスクが高まるから難しい。収入が低いままが続き、経済的な不安はふくらむけれど、これからも感染の可能性に対して自衛していくしかないから、その不安の中で暮らしていくしかない、と思う。
夜中のニュース
それでも、今日は家にいて、作業はしていたけれど、本当は出かけるはずなのが出かけずにすんだことで、なんとなくゆっくりできて、そういう時は、そんな経済的な不安も感じないで、過ごしていた。
夜になって、午後7時半には妻が用意してくれた夕食を一緒に食べて、さらに穏やかなまま、時間がたった。
土曜日は、平日と違って、夜10時から11時くらいのニュースは少ないから、家にいると、どれだけの変化があったのかも忘れがちだから、それで不安がふくらむことも少なかったようだ。
インターネット上で、今日も、感染者数最多更新のニュースを知った。4日連続で過去最多を更新ということだった。
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