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無理と思わせたくない

個人レッスンをする時に、まずは構えから入って、撥を持って糸を鳴らす。
それだけで1コマのレッスンが終わります。初めて触る人はあっという間に感じるでしょう。
人間が集中できる時間は45〜50分と聞いています。その45分ずっと詰め込むのは良くないと考えていて、レッスン1コマの中で課題というのは少なくしています。その代わりその内容は濃いです。

構え一つでも、椅子は浅目に腰掛け、背筋を伸ばし、三味線を膝に下ろし、その位置は膝外側半分。本体は体にぴったりにせず、拳ひとつ開けるくらいにして、そこから胸につけるようにする。棹も真横にはせず、少し前側に。
更に左手を添えずに右側だけで三味線が支えるようになってなければいけない。

これを「誰もが、簡単」という風にはいかないんです。実際にレッスンでは構えだけでも、20分はかかります。正直でしょ?本当のことですから。

日常にあふれている難しいと何ら変わらない

実は難しさっていうのは、日常生活の中での難しいと何ら変わらないのです。常に繰り返しているから気がつかないのかもしれません。けれど何かにチャレンジ(社会人になっての仕事など)した時には、
「こんなはずじゃ無かった」
「けれど、これがやりたかった」
「どうしたら上手くいくのだろう」
なんてことの連続では無かったのではないでしょうか?津軽三味線という名前で「伝統」やら何やらの変な意味でのプレッシャーを感じると、日常ではない錯覚を起こすのですが、実は単なる楽器。何も変わらないのです。

僕が口癖のようにいう「ゆっくり、確実に」というのは、焦らずに続けていくことが一番大事なんです。ということなんです。普通に生活の中に津軽三味線を取り込むような気軽な感じで。

最初のレッスンで、びっくりされることもあるのは、過去の経験から重々理解しています。あらゆる予測も立てられます。
一番思っていけないのは「無理」と思うこと。その言葉を頭に浮かべた時に、脳は命令します。「いますぐヤメロ」と。ですから、思っている限りは上達もしないし、情熱も消えます。これほど寂しいことはないです。
自らを放棄する言葉「無理」NGワードです。
なので、極力この二文字を感じさせないように指導をしていこうと思っています。その為には僕はもっと楽しくできるような演奏をしていかなければいけないし、それが務めだと思っています。

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こんなことも始めちゃったりしてます。有益な情報をお届けしたいと思っていますし、

津軽三味線 (1)

こちらもレッスンというよりも質問など答えたりしています。
興味がある〜という方は是非!

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山影匡瑠(三味線奏者)
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