無愛想に映りたくない女と無愛想男。

ある飲み会へ遅れて参加。

主催者にお世話になったから顔を出しただけだった。

ソレ以上もソレ以下もない。

お酒が好きなわけでもない。

出会いを求めてるわけでもない。

楽しんでやろうって気持ちさえもなかった。

ただ、せっかく声を掛けてもらって参加した以上、

無愛想な女に映るのは避けたかった。

とりあえず、隣のテーブルの人達にご挨拶だけ…。

移動したテーブルの奥にハットを深く被り、

俺イケてしまってます的なオーラを出す男が座ってた。

はいはいいるいる、こういう青山で仕事してます系。

興味は1ミリもないけど、声を掛けないのは

シュッとしてます的オーラに負けた感じがする。

「お仕事は何をされてるんですか」「IT系ですね」

はいはい出た出た、ジョインするとか言っちゃう系ね。

。。。え、終わり?そちらさんからの質問はナシ?

この男、めちゃ無愛想ブチかましてくるやん。

ブスとは僕、話しませんから系とかあるの?

大の大人が?!

めちゃイケてる感じバンバン出してるけど

そうでもねーよ?と言いかけて、飲み込んだ。

そう、今日の私のミッションは無愛想に映らず、

誘って良かったと主催者に思って貰う事。

ただ、ソレだけだった。

二度と会わない奴にわざわざ喧嘩を売る必要もない。

その1年後に

"人生最後の恋"が待ってるとも知らずに

飲み会はお開きになった。






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