見出し画像

中小企業は値上げ一択! コインランドリーを価格改定。no.467

『中小企業は値上げ一択』

いつもセミナー等でお世話になっている、鮒谷さんがいつも話されていることだ。

私のコインランドリーもこの週末にようやく値上げしたので、今回はこのことについて。

コインランドリー業界全体の悩み

ここのところはどの業界も値上げラッシュ。

そんな環境のなか、
『とはいえコインビジネスって値上げしにくいんだよな~。。
 うーん、でも値上げしちゃうもんね!』

なんて思って行動していたら、タイムリーに日経でこんな記事が。

やはり値上げに苦慮しますよね。と同業者に共感しつつも、

別に自宅洗濯機はライバルじゃなくね?とか、

現金回収頻度が減っても(うちの場合だと)別に人件費変わらなんだよね、と思ってみたり。


コインランドリーの値上げ方法

コインランドリーは洗濯機と乾燥機で値段の設定の仕方が違う。

設定が100円単位なので、

洗濯機は、
1回 500円  を  1回 600円  のように変更することになる。

一方で乾燥機は、
100円で 9分動く  を、100円で8分動く のように、100円での稼働で金額を調整していく。

私の店舗の悩み

私の先日オープンして10年を迎えたわけだけど、
その間、コインランドリーの価格は、オープンしてから1度も変えずにここまで来ている。

コインランドリーはガスで乾燥することもあり、
電気ガス水道の中ではガスの費用の比重が一番高い。

そんな中で昨今、ガス代が爆上がりしているのは、日経の記事にも書かれているとおりかなり影響を受けているのだけど、10年間の間にはそれ以外にも大きな影響を及ぼす変化があった。

(振り返ると、10年前はなんと恵まれていたのでしょう)


消費税の税率UPの影響

10年前のオープン当時、消費税は5%だった。

それが8%に上がり、 今では10%だ。

通常、消費税の改定があっても、負担が増えるのはお客様側で、店舗側への影響はない。(正確には仕入れ側の負担は増えているけど、それだけならトピックとしては書かない)

しかし、コインランドリーの場合は100円単位のビジネスなので、消費税の税率が変わったからと言って、課金単位の100円110円にするわけにもいかない。

なので、税込み100円 が基本単位になり、
税率が5%→10%と増えても店舗側で吸収しなければならないのだ。

さらに私の場合、オープン当時は免税業者だったので(実質)0%スタートだったから、10年前と比べれば10%分の影響を受けてしまっている。

人件費の高騰

私の店舗は、時間限定ではあるが毎日パートスタッフがいることが特徴だ。

スタッフがいることで、店舗を清潔に保ち、初めての方も、防犯面がきになる方も安心して利用しやすくしてい。

その代わり、通常のランドリーよりは人件費がかかる

時給は、店舗がある静岡県の最低賃金を横目に見ながら決めているが、当時と今の金額を比べると、27%増加している。


修繕費用の増加

これはオープン当初から分かっていたし、
機械が故障するのは設備を伴うビジネスとしては
仕方なく必要になるものなのだけど、、、、

当初の想像を、『遥かに超える頻度で故障している!!』

これは本当に、エレクトロラックス社の設計,製造の品質がイケてない。

普段から設計に関わる身としては、メカ部分も電気部分も、

どうしてこんなシンプルな構造のくせに壊れるんだ?!?!

・・・と故障するたびに、怒りを禁じ得ない状態になっている (涙

そしてそのシンプルな部品を交換するにもやたらと高いのだ。

(ほんと、この修繕の怒りを解決するビジネスをやったほうがいいんじゃないかと、書きながら半分本気で考えている)


・・・と書いているうちに怒りがこみ上げて来てしまったので、笑
そろそろ実際の値上げの話に。

事前にリサーチ

色々書いてきたが、諸々の事情を踏まえながら、
『中小企業は値上げ一択』の言葉を思い出し、
値上げに向けた検討を始めた。


周辺店舗の状況を確認

まずは、周辺店舗の状況リサーチ。

実は今まであまり、周辺店舗の価格を意識していなかったんだけど、
見てみるとわりと店舗ごとにばらつきがある。

機械メーカごとに容量に違いがあることも一因だが、洗濯機/乾燥機のどちらかだけ高めの店舗とかもあって、実は特色が出ていた。


常連さんに感触を確認

パートさんは、毎日来るお客様と結構仲良くなっていたりする。

なので、パートさんをとおして常連さん、にもしこれくらい値上げしたらどう? と、それとなく感触を確認。

受容性はありそうだ。


そして、きっちり説明を尽くす

あとは値上げに向けて説明を尽くしていった。

説明には大きく2つあると思っている。

1つ目は、店舗本位ではなく、お客様目線から『値上げが必要な理由』をしっかりと説明してくのだ。

理由は、多ければ多いほどよく、小分けにしていく。
また、それが翻ってお客様のためであることもしっかりと書く。


2つ目は、価格以上の価値があることを再認識していただくここと。

提供するもの変えながら値上げをするのならば、説明もしやすい。


しかし今回は、実質、提供するものが変わらなくて、値上げをするのだ。

であればできることは、店舗側としては今まで提供してはいるのだけど、
お客様が気づいていない価値を改めて訴求し、価値に気づいてもらうこと。

店側としては、良かれと思って以前から提供していることかもしれないが、それをお客様が認識してくれているとは限らないのだ。


それらをしっかり文字に起こして、A2サイズのでかいポスターを何枚も作って、店舗内外に貼りまくっておいた。

おそらくうまく値上げできたはず

まだ値上げして数日だけど、いまのところ客足が落ちた印象はなく
うまく行っていそうな雰囲気。

一度成功事例を作ることができれば、
次回からはこの型を活用していけばいいだけ。

もう少し経過を見ながら、2店舗目にも展開していこうかな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?