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241104 大阪南港渡船巡り
輪行ポタリング紀行 003
水渡大阪は八百八橋と言われますすが、橋が架けにくい箇所がいくつか今でも残ってます。そこは渡し舟、今風に言うと渡船が運営されています。乗船は、なんと無料。昨日は南港に行く仕事があったので、久しぶりに8か所ある渡し舟巡りをしようと思いました。
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いや、認識しているほうがすごい
01 難波八幡神社
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8:00、近鉄、大阪難波駅から出発しました。せっかくここまで来たので、有名観光神社にもお参りしました。元々は難波一帯の土地の神様を祭っていた産土神社だったようです。獅子舞が盛んな土地だったそうで、ダイナミックな獅子殿が人気です。朝から海外の方がたくさんお参りされていました。
02 今宮戎神社
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我が兵庫県には恵比寿さんの総本社、西宮神社がありますが、ボクは今宮戎神社の方が好きです。「裏参り」があるから。本殿の後ろからお参りすることができます。そこに大きな銅鑼が2つもあって、お参りした後、バーン、バーンと2回たたくんです。なぜか?
八百万の神々の中で、障害があるのは恵比寿さんだけではないでしょうか。耳が悪いと言われています。遠い拝殿からお願いしたのでは、エベっさんの耳には届かないから、本殿の裏に回って、しかも銅鑼を鳴らして念を押してお願いをするのだそうです。自分が難聴であることもあり、こういう大阪の人の洒落は大好きです。
03 落合上渡船場
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30分ほどで最初の渡船場に着きました。現存する渡船場8ヶ所のうち、4か所が木津川にあります。かつて大阪市内の渡し場は30ヶ所以上あったそうですが、そのころから残る伝統ある渡し場です。
渡船場から木津川水門が見えました。アーチ型水門です。アーチを掲げた姿がカッコよくて好きなんですが、日本にはあと2つしかなく、その2つが大阪市にあるんです。思い込みの強い方が採用したんでしょうか。近年、老朽化し、建て替えの話が浮上しています。
04 落合下渡船場
渡船は15分間隔で運行されていました。落合上から落合下までは、名前からして同じ地域なので余裕でした。乗員はお二人。船舶免許が必要な専門職だと思いますが、お年寄りや若い女性もいらっしゃいました。地域になくてはならない素敵な職業だなと思いました。
05 千本松渡船場
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木津川はかつて大型船舶が入ってきた川です。そのため、橋げたは30m以上の高さになりました。その高さまで道を付けるには長い坂が必要ですが、遠くに入口があるのは不便です。そこで考案されたのがループ橋。上空から見ると両岸のループと橋がフレームに見えるのでメガネ橋とも言います。ループは8階から10階立てのビルと同じ高さです。車なら問題ありませんが、人や自転車にとっては一仕事。なので、渡し舟は残されました。
06 木津川渡船場
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途中で道に迷ったので、15分で着けませんでした。そのため、45分も待たされることになります。渡船の中で唯一大阪港湾局が管理しており、他の渡船より便数がかなり少ないようです。写っているループ橋は新木津川大橋。総延長は2.4km、高さは46m。完成した1994(平成6)年当時、アーチ橋としては日本最長でした。
かつてここには空港がありました。え?と思うかもしれませんが、水上で離発着する飛行艇の空港です。そう、アニメ『虹の豚』に出てくるヤツです。木津川に着水した飛行機をクレーンで釣り上げていたんですね。今でも近隣の製鋼所には、飛行機格納庫が残っているそうです。
07 船町渡船場
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木津川渡船によってわたってきた場所を船町と言います。松田優作さんの遺作『ブラック・レイン』が撮影されたロケ地です。バイクに乗って日本刀を振りかざすシーンは一度見たら忘れないでしょう。リドリー・スコットが半年近くかけて撮影する場所を探したそうです。渡船は名前もわからない小さな運河を1分もかけずに渡してくれました。
08 千歳渡船場
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8つの渡船航路の中で2番目か3番目に長い距離を航行する場所です。2003(平成15)年に開通した千歳橋の下を運航しています。千歳橋は左右対称ではありません。北の方に鉄骨の構造物が長く続きます。それだけでカッコいい!と思ってしまいます。
船上から東の方を遠望すると、橋の下に大正内港が見えます。たくさんの艀が停泊していました。内陸の水路で荷物を運ぶ平底の船舶です。尊敬する先輩が、子供ころは神戸港に浮かぶ艀に住んでいたと言っていたのを思い出しました。我々が子供の頃には、日本にも海上で生活する人たちがいたんです。
03 甚兵衛渡船場
大阪市内で簡単に渡れなかったのは木津川、安治川、尻無川の3川です。そのうち尻無川にはすでに多くの橋が架けられていますが、まだ渡船が残っています。ここに橋がない理屈に合った説明は難しいと思いますが、なぜかまだ架かっていません。これで大正区にある渡船7つをすべてを乗船しました。渡し場巡りは中断し、一仕事してから最後の渡し場に向かいます。
10 築港赤レンガ倉庫
1時間ほどの用事を終えて天保山へ向かいました。自転車に乗ってしばらく行くとなぜか後輪が滑ります。え?と思った次の瞬間、パンクだと気づきました。ついにやったか。こんなところで。いや、よくもってくれたと考えておきます。今日の渡船巡りは、あと一つ、天保山渡船を残して終了。近くの駅から電車に乗って帰ってきました。
20㎞超を3時間半ほどで周りましたが、ほとんど船の待ち時間だったように思います。下にあげる行程動画の橋がないところを、黄色い線がピュッと渡るのが面白い。乗れなかった天保山渡船場は唯一港区と此花区を結びます。距離も長くて乗りごたえ?がありますが、また機会があればレポートします。