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夏祭りと涼しくない夕涼み

【登場人物】
「マオ」
社会人。
『魔王』
マオのイマジナリーフレンド。
《てるりん》
マオのイマジナリーフレンド。


母校の校庭で夏祭りをしているそうなので行ってきた。ちょうどこの前、ドールサイズ浴衣を買ったので魔王とてるりんに着せて連れていった。

『《イエーイ✌️》』
てるりん(15cmボディ)
10cmドール用の浴衣なので丈が足りない
魔王(15cmボディ)
セリアの浴衣。帯を無くしたので羽織るだけ。
ツノもどっかいった。

『今時の屋台はキッチンカーなんだな。』
《えー!?鉄板で炒めた焼きそばが食べたいぃ》
パン屋やらブリトーやらあまり夏祭りっぽくない屋台ばかり。たこ焼きやかき氷屋もあったけどとんでもない列になっている。
夕方とはいえまだまだ暑い。夜勤明けの体で大人しく並ぶのはしんどいので諦めた。
「光るおもちゃ欲しいなぁ。」
『あれは子供限定だぞ28歳。』
「ですよねー。」
《じゃあ帰りにセボンスター買お!》

仕方がないので夕闇の中の校庭を散歩することにした。砂場で貝殻やガラス片を集めたり、体育の授業でバスケットボールが顔面に当たって痛い思いをしたことを思い出したり...。
眠っていた記憶が少しずつ湧いてきた。

大人になって目にしなくなるもの①
百葉箱
大人になって目にしなくなるもの②
石灰の白線
よく友達と待ち合わせしていた塀。
こんなに低かったっけ。
当時の視点を思い出してみる
大好きな洋菓子店の提灯

夕闇が深まってきた。
子供達は元気に走り回っている。
《あんまり暗い所で遊んでいるとこの魔王に攫われちゃうぞー?》
『攫わねーよ!どっちかというと我の方が攫われてきたようなものだろ?なぁ小娘?』
「周りのお母さんたち、同い年くらいだね。
....一体何をやっているんだろう私。」
『ダメだこいつ今めっちゃバッド入ってる。』
《やっぱ夜勤明けは休まなきゃねぇ。》
なんだか突然虚しくて悲しくなってきたし、
お腹も空いたので帰ることにした。

閉店間際のスーパーでお好み焼きやら焼きそばやらお祭りで売ってそうなお惣菜を買い込んだ。
もちろんセボンスターも。

夕闇がきれいだった。

【おしまい】

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