「137億年の世界の歩み」超概要その①宇宙と生命のはじまり。 - 三歩未知の創作ノート
ファンタジー世界を考えてみたいなぁ...。
というのがきっかけでした。
全く違う異世界に思考を巡らせるとき、私たちの現実である地球の歴史を参考にして脚色するのが一番考えやすく、また説得力のあるファンタジー世界を考えることができます。
しかし、この世界が誕生してから137億年という長い長い時間の歩みがありました。これを全てネットだけで追いかけるのはなかなか大変そうです。
おや、手元に『137億年の物語-宇宙がはじまってから今日までの全歴史』と『137億年 宇宙・地球・生命の謎』という2冊の本がありますね...。
なんとおあつらえ向きな。
ここに137億年分の歴史が詰まっているなら読むしかない!
うーむ、比較的わかりやすいですが専門知識もちょいちょい出てきます。
もっとざっくりと概要だけまとめられないでしょうか?
まとめました。
専門性・正確性には欠けるかもしれませんが、創作に使うんだからこんなもんでいいんですよ!偉い人にも分かれ!!
このnoteはそんなノートです。第4回まで続きます。
137億年を一気に駆け抜ける準備はよろしいか。
それじゃあ、一緒に歩いていきましょう。
1.宇宙の始まり「ビッグバン」と地球の誕生
最初に、あらゆる物質を詰め込んだ「特異点」という小さな小さな点がありました。
あるとき、それがビッグバンという大爆発を起こします。
137億年前、そうして宇宙は誕生しました。
宇宙に放り出された様々な性質の物質やエネルギーは互いに干渉しあい、押し合いへし合いながら惑星や銀河が形成されました。
太陽系の中に生まれた地球は、他の星から降り注いだり・衝突したり・エネルギーを浴びたりして、色んな物質がもたらされて反応しあい、その偶然の積み重ねによって、地球には生命活動に適した環境と生命そのものが生まれました。
2.生命の誕生と生存競争のはじまり
はじめに登場した生命は、単細胞のバクテリアでした。
生命体に不可欠なアミノ酸をはじめとした有機物が含まれた「生命のスープ」と形容されるこの海で生命は誕生し、進化をはじめます。
しばらくするとシアノバクテリアという単細胞植物が誕生しました。
シアノバクテリアは「光合成」を行い、大気の酸素濃度を上昇させます。
それによって環境は徐々に変化し、適応するように酸素をエネルギー源とするバクテリアがさらに登場しました。
生命とは、自らを複製するもののことです。
物質は―生命も同じく―それぞれエネルギーを持ちます。複製の際に分割されるエネルギーは他から持ってこなくてはなりませんでした。
はじめは「細胞内共生」という形を取り始めます。しかし、いくつかの生命は捕食の方が効率的にエネルギーを獲得できることに気がつきます。
いかにして食うか食われまいかの生存戦略が求められ、生命は「多細胞生物」という進化を遂げました。動物や植物です。
3.地球という生命環境メカニズム
地球には生命活動に重要な自然のシステムが構築されました。
「水循環サイクル」は、日光で蒸発して形成された雲とその雨によってもたらされる自然の淡水供給システムです。その雨は陸に降ると、岩石のミネラルを溶かしながら川から海へ流れ、塩を含んだ海水になりました。ただ、海中の塩分濃度は高くなりすぎると、海中の生物が死滅してしまいます。
「岩石循環」はその海中の塩分濃度を保つシステムです。海中の微生物が死ぬと死骸が海底に体積し、自らの重みで圧縮され「石灰岩」となります。石灰岩は岸の近くだとリーフ(礁)を形成して、海水を湖や潟に閉じ込めます。その海水が蒸発すると、粒状の塩が堆積します。こうして海水から塩分が取り除かれます。
地球の気候や生命環境の長い歴史において、「プレート・テクトニクス」という現象は大きな影響を与えてきました。
地球の表面はいくつかのプレートに分かれており、マントルという液状の岩石に浮かんで移動し続けています。プレートの移動は大陸同士の接近・衝突や分離を起こし、その影響で山脈の形成や地震、火山の噴火、間欠泉の噴出、津波を発生させました。
また、海水が蒸発してできた塩の一部は、プレートの運動により山脈の地下深くに閉じ込めました。
4.超大陸ロディニアとスノーボール・アース
環境に適合して様々に進化していく中で、光合成を行う生命もさらに繁殖しました。このことは地球の気候に影響を及ぼします。
8億5000万年前から6億3000万年前の時代、プレートの運動による大陸移動で陸地のほとんどが赤道付近で一列に繋がります。
超大陸ロディニアの誕生です。
それによって熱帯性の豪雨が降り続くようになり、大気中の二酸化炭素が多く雨に吸収されました。
多くの光合成の影響もあり、大気中の二酸化炭素が急激に減少し、気温が大幅に下がり、地球はその大半が氷に覆われる「スノーボール・アース」という事態に陥りました。
ほとんどの生命は絶滅し、海底にあった火山口付近にいたバクテリアなど僅かな生命が生き残ります。
再びプレートが動き出し、火山活動と二酸化炭素など温室効果ガスの噴出によって地球は再び暖められ、次のステージへと進みます。
5.進化に革命をもたらした有性生殖
さて、あるときバクテリア同士の捕食の中で、たまたま消化されなかったDNAが捕食者の核に入り込んだことから、二重らせんのDNAを持った有性生殖による生物の進化がはじまります。
有性生殖によって生物は少ない世代で複雑な進化を遂げるようになり、環境の変化に適応できるようになりました。
生命が誕生してから微生物に進化するまで25億年の時間を要したのに対し、それから今日の草木や魚、両生類、鳥、哺乳類、人間に進化する時間はその半分に満たないとされています。
先史時代の生物は陸に上がる前に、海の中で長い年月をかけて進化します。
海の中で熾烈な生存競争が行われる中、肺魚という生物が登場しました。かれらは危険に満ちた海から陸に逃れる道を築きます。
6.生命の上陸と共生関係
陸にははじめに、水辺に苔が現れました。同時に胞子を風に乗せ菌類も地上に現れ、地中に生息しました。
植物が地上に出ると、再び大気中に酸素の割合いが増加します。
はじめて陸に上がった生物・蠕虫(ワーム)は苔を食べて生息しました。
彼らはヤスデやムカデなどの節足動物に進化します。
そのうち管を内部にもつ「維管束植物」が現れ、葉を付けた「真葉植物」に進化していきます。
植物は葉を落葉し、菌類はそれらを分解して養分に変え、互いに共生関係を築いていきました。
また、様々に進化していた昆虫の中でも甲虫が出てきたことで、有性生殖の植物の受粉を可能になりました。
ミミズや菌類、甲虫をはじめとする昆虫は、落ち葉や腐った木などを養分に変え、風化した削られた岩とミネラルと有機物からなる土壌を整え、「土の循環」というサイクルができ、さらに様々な植物が現れるようになります。
7.超大陸パンゲアとペルム紀の大量絶滅
魚から進化した両生類は、産卵と受精のためには水辺付近に生息しなければいけませんでした。
しかしプレートの運動で大陸が集合すると海が遠くなってしまいます。
すると爬虫類が登場しました。卵は外郭をもち、内部である程度成長してから誕生することで、生物は乾燥に適応しました。
ついに全ての大陸が集まり、超大陸パンゲアとなります。
気候と海流が劇的に変化し、激しい季節風が襲う、暑く乾燥した時代が訪れました。
大陸同士の衝突と、さらに当時は隕石の衝突もありました。
それにより大噴火が発生し、連鎖的な災害を引き起こします。
猛毒の灰が吹き上げられ、広大な地域を刺激性の毒を含むスモッグが覆い、地上を太陽から遮ると酷寒の世界となりました。
灰が収まると、噴火で放出された大量の二酸化炭素で気温と海水温が急上昇します。温度上昇で海底に閉じ込められていたメタンハイドレートが不安定になり、メタンガスとなってさらに気温を上昇させました。
この気候変動は「ペルム紀の大量絶滅」を引き起こし、生物の96%が消滅して生命維持システムはぼろぼろになりました。
8.恐竜時代
ペルム紀大量絶滅の直後、最も繁栄したのは菌類でした。
地上の生物は、リストロサウルスの一種だけが生き延びていました。
そんな地上にやがて恐竜が登場します。
「進歩型の体型」で大きな体を持ち、長い距離を速く移動できる特徴から、ひと繋がりだったパンゲア大陸で繁栄することになりました。
恐竜には、社会生活を営んだものや、空を占領した翼竜、海に戻った水棲爬虫類などさまざまな種類がいました。
1億3000万年前、恐竜が全盛を極めていたこの白亜紀の最中に突如、花を咲かせる植物「顕花植物」が姿を現します。
なぜ花が誕生したのかは分かっていません。
花バチやガやチョウなどの飛翔昆虫も同時期に出現します。
互いの生存に欠かせない花とマルハナバチらの関係について、花が先かマルハナバチが先かという問題は、互いに示し合わせ同時に誕生した「共進化」だったと見られています。
また、顕花植物の中には果実を実らせて種子を遠くまで運ばせるものも見られました。
白亜紀には単子葉植物が登場します。その特徴から、当時の草食恐竜に葉を食べられても根元に隠れた新芽は残されるという知恵をもつものでした。また、古い葉が食べられることにより新しい芽が伸びやすくなり新陳代謝が促されるという戦略を兼ねていました。
同時期には「始祖鳥」と名付けられた鳥類がはじめて登場します。
鳥は恐竜の子孫とされていますが、どのように進化したのかは分かっていません。
はじめて文明を持つ生物、ミツバチやアリも登場しました。
彼らには仕事や繁殖を分業するという「真社会性」が見られました。
9.隕石の衝突、生き延びた哺乳類
白亜紀に突入した頃から、パンゲア大陸が少しずつ分裂をはじめます。
そのうち降雨パターンが変化し、生息地は分化され恐竜同士で奪いあいます。まず草食恐竜が減り、連れて肉食恐竜も減少していきました。
恐竜たちはそんなあるとき、巨大な隕石の衝突によって絶滅します。
超高熱で硫黄を含んだ毒ガスが地球全体に広がり、津波や噴火を伴って甚大な被害を与え、多くの生命は再び大量に消滅します。
こういった危機の多くでは、この時も同様に、体の小さい生物らが有利に生き残りました。
恐竜が支配していた時代、哺乳類は細々と暮らしていました。当時の哺乳類はほとんどがリスのような小動物でした。
哺乳類は恐竜から身を守るために様々な策を講じていました。
まず、子どもは胎内で十分に育ててから出産しました。そして、子育て中には巣穴を離れずにすむように母乳を分泌しました。
体を温めるため体毛が生えました。それにより寒い夜でも狩りができ、巨大隕石衝突の災厄とその後の暗黒世界を生き延びることができました。
脅威のなくなった世界で、大陸は再び大移動をはじめ、それぞれの地で哺乳類は様々な進化を遂げます。
今日では哺乳類は3つのグループだけが残っています。カモノハシやハリモグラの単孔類、カンガルーやコアラの有袋類、そのほか多くの種を含む有胎盤類です。
有胎盤類にはさらに、ゾウやジュゴンのアフリカ獣上目、ジュゴンやマナティの海牛類、アルマジロやナマケモノなどの異節上目、羊や馬やサイなどの有蹄類、猫や犬やクマなどの食肉目、マウスやノウサギやハムスターなどの齧歯目、そして人類も含まれる霊長類に分かれていきました。
参考
クリストファー・ロイド 著 / 野中香方子 訳『137億年の物語-宇宙がはじまってから今日までの全歴史』文藝春秋 2012年
塩浦信太朗 著『手塚治虫の『火の鳥』と読む137億年 宇宙・地球・生命の謎』実業之日本社 2014年
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