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『2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望』著者:落合陽一【書籍/レビュー】

皆さんこんみちは、VTuber三歩未知です

初めての書籍レビューです。
これから読もうと思っている方、気になっている方向けに書いてみました。ぜひ参考にしてみてくださいノシ

■概要

『2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望』
著者:落合陽一

【落合 陽一】
 メディアアーティスト。筑波大学准教授。 
 「デジタルネイチャー(計算機自然)」という新しい概念を提唱し、筑波大学にてそのビジョンに基づいたデジタルネイチャー研究室を設立。学生らを交えて活動している。
 そのほか、文理を問わない知的交流という生涯教育をテーマとした語り場「落合陽一塾」をDMMオンラインサロンにて開設している。
 また、NewsPicksにて「WEEKLY OCHIAI」という番組でメインパーソナリティを務め、現代の日本や世界の様々な課題について深堀りをしていく、情報発信を行っている。

■書かれていること。

 この本は、世界の課題にテクノロジーやプレーヤーがどう関わっていて、そんな中での日本の現状や、これから立ち位置はどうあれるか。2030年と「SDGs」を中心に読み解き、考えさせてくれる一冊。です
 そして、これからの日本が世界にリーチしていくための重要な考え方として「デジタル発酵」という考え方を提案していて、これも非常に興味深いトピックとなっています。

「SDGs」と「デジタル発酵」

この本はこの二つを大きなテーマとして書かれています。

はじめに

 まえがきでは、「SDGs」と「デジタル発酵」の概要について触れます。

 「SDGs」は、Sustainable Development Goalsの略称で「持続可能な開発目標」と訳されます。世界の課題として17の達成目標を、2030年までに達成するものとして掲げています。

 一方で「デジタル発酵」とは落合陽一さんがこの本で独自に提唱する考え方で、この本で一番難解なトピックです。

 簡潔には「テクノロジーによって価値を再創出するローカリズム」といった感じかなー......?という私的見解ですが、これについてはぜひ自分で読んで解釈してみるのがいいと思います。
 4章の後半や「おわりに」あたりで特に言及されています。

第1章 2030年の未来と4つのデジタルイデオロギー

 一章ではまず、テクノロジーの発展がもたらす社会変革の未来予測と、人口から読み解く今後のGDP予測から、これからの世界の流れを概観します。

 例えば、社会を革新する5つの破壊的テクノロジーとして「AI」「5G」「自動運転」「量子コンピュータ」「ブロックチェーン」が紹介されます。
 SDGsにどう関わっていくのでしょうか。

 そして、次章から大きく展開される各題目において、主体となるプレーヤーについて「4つのデジタル・イデオロギー」と大分してその大枠が解説されています。

 それぞれのイデオロギーについては次章からさらに詳しく書かれますが、ざっくりと捉えるなら
《アメリカン・デジタル - 共有型エコシステム》
《チャイニーズ・デジタル - 統制による加速資本》
《ヨーロピアン・デジタル - 法と倫理と価値創造》
《サードウェーブ・デジタル - リバース・イノベーション》

という感じだと思います。
まぁこれも私の見解なので、自分で読んで解釈してくださいな。

第2章 「貧困」「格差」は解決できるのか?

前半は極度の貧困を抱えるアフリカとサードウェーブ・デジタルについて、後半は相対的貧困を抱える日本とインターネット教育の可能性について書かれています。

 前半は歴史的な観点からアフリカの抱える貧困の様相を紐解きつつ、昨今のテクノロジーによるアフリカの変化、これからの未来を占うサードウェーブ・デジタルの強味を具体的なリバース・イノベーションの実例を交えて解説されています。

 後半にはもう一つの貧困「相対的貧困」についてです。特に先進国の中でもその割合がダントツに大きいという日本の貧困の様相を紐解き、その解決の糸口としてインターネット通じた教育や学習について言及されます。

 ギグ・エコノミーという就業形態の問題点や、社会的弱者とされる「シングルマザー」「高齢者」「子ども」の貧困がヤバいそうです。
 どうやばいのかはぜひ書籍で。

第3章 地球と人間の関係が変わる時代の「環境」問題

 この章では初めに、環境問題を”自分ごと化”するための考え方と、世界的な取り組みの大枠の流れを解説します。
 次に、二酸化炭素排出量1位と2位である中国とアメリカの動向について、中国の一帯一路構想、パリ協定脱退を表明するアメリカの「新しいエネルギー・リアリズム」、それに対立する米国内の「米国気候同盟」とアメリカン・デジタル、といった文脈で語られます。

 私的この章の醍醐味は「環境問題をいかに"自分ごと化"させられるか」「アメリカン・デジタルの思想の源流」の2つのトピックですね。
 割合ページ使っていて読みごたえがあり面白かったです。

 この章はあまり具体的なワード出しても伝わらないし、かといって解説するとネタバレになるんで自分で読めー。

第4章 SDGsとヨーロッパの時代

 この章では初めに、「責任投資原則」「パリ協定」「SDGs」「EU一般データ保護規則(GDPR)」といった、”法と倫理”で市場をコントロールし新しい価値を引き出す手法、また歴史や文化といった普遍性の高い付加価値の創出といった手法に長けたヨーロピアン・デジタルを紐解きます。
 そして後半に、同様に独自の歴史・文化を持つ日本の可能性と、迷走している原因、戦略について。「デジタル発酵」の文脈を用いて足掛かりとなるキーセンテンスの具体例を交え考察しています。

 2019年7月に発表されたSDGsの達成状況、上位10位の国々はどこがランクインしているか皆さんご存知ですか?......これ、面白いですよ。

おわりに

 おわりにでは、また「デジタル発酵」と「SDGs」について、ここまで読んだ人向けな濃いめのまとめ的な何かが書かれています。

 先に「デジタル発酵」とは何かについて改めて言及されます。そして最後に、「2030年のデジタル発酵のための7つの対立軸」という項を設けて、SDGsを身近なものにするための7つの対立軸を提案しています。

「SDGs」という誰の目にも"不変"な共通目標に対して、立場や利害によって"多様"なそれぞれの思惑といった視野を持つことが重要だとします。

SDGsに標準しつつ、各国の"落としどころ"を察知して、そこに先手を打つ「デジタル発酵」。これが日本の武器となっていくのでしょうか。

■感想

 先ず知ること。そして自分なりに活用することだと思いました。
 私はいまVTuberとして活動しているので、さて何かに取り組もうといきなりSDGsフルコミットみたいなことはなかなかできませんけど、例えばこうやって記事にしてみて、誰か一人でも多くの人の目に留まれば、そこで興味を持ってもらえれば。僅かでもいいから参加する方法はきっとたくさんあるんですよね。
 これを読んで興味を持ってくれた方がいたらいいなと思います。

 もちろん、じゃあ書いて終わりなんてことにもする気はなく。今私がフルコミットしているこのVTuber界隈に「デジタル発酵」は起こせるのか、という視座を持って面白いこと出来そうなことを探しています。
 VTuberはまだまだいっぱい面白いことが出来ると信じているので、まぁぼちぼち頑張っていこうかなと思いまぁす。

 ここまで読んでくださりありがとうございました。
 もし実際にこの本を読むことがありましたら、その時はぜひ、あなたの「デジタル発酵」も教えてください。

それでは、また次の知識の散歩道で。またね。

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