【考察】VTuber革命を考える-VTuberは、VRと共に——【三歩未知】
皆さんこんばんは。
三歩歩けば未知の世界、設定迷子の三歩未知です。
今回は2月2日に生配信で話した「VTuber革命を考える」のお話を、精査してまとめたnoteとなっています。
今後VTuber革命は起こるのか、どのようにして起こるのか。そんなお話になっています。ぜひ最後までお付き合いください。
■VTuber革命を考える
「VTuberはリアルのYouTuberより出来ることが少ない」そんな声をたびたび目にします。果たして、現状で言うとそれは事実かもしれません。
ですが、それはVTuberの正当な評価と言えるのでしょうか。
私がこれを言うのは、まだVTuberには可能性があると確信しているからです。
「VTuber革命を考える」とは、VTuberというスタイルが、一過性の話題として再注目されるのではなく、妥当性と将来性において再評価されるそのビジョンを具体的に提示しようという試みです。
■VTuberの方が出来ること
現状のVTuberの活動に限界を感じるのは、VTuberの活動に適した環境が整っていないからだと私は考えています。
リアルのYouTuberがVTuberに比べてリアルというステージがある分出来ることが多いのは当然のことではないでしょうか。
ここで重要なのは、VTuberという活動スタイルを選択するほうが妥当であり、将来性があると考えられるステージはどこにあるのかという点です。
そして、それはVR(VirtualReality)だと考えています。
■アバター文化の本質とVRとの親和性
VTuberというスタイルの選択には、リアルに対するコンプレックスと「なりたい自分になる」という自己実現の欲求が内在していると考えています。
そして、その広義としてのアバター文化には、アバター然とする在り方を自然に受け入れる精神が培われています。
アバター文化の歴史はもう少し以前からありますが、VTuberによってアバターは3Dという新たなフェーズにアップデートされています。
VTuberないし、3Dといったより実質的な身体性を得たアバター文化は、VRと親和性が高く、今後VRの発展とともに活動の幅をさらに広げていくことになるでしょう。
■VRのインフラ化を考える
さて、ここまででVTuberの本来のステージがVRにあることは確認できたと思います。
では、実際にVRには今後どのような発展が見通せるのでしょうか。
VRデバイスの小型化や低価格化とインフラ化により普及が進んでいけば、VRへの接続に対する障壁は薄くなりユーザー人口は増加します。
そうした時、「こんな世界に住んでみたい」と思わせるような異世界がVRデバイスを覗いたすぐ先にあるなら、より一般層までVRの魅力は広まり多くのユーザーを没入させることになるでしょう。
しかし、そもそもVRのインフラ化とはどういうことでしょうか。
例えばVR出社。自宅にいながらVRデバイスを通じてバーチャル上のオフィスに出社するといったものです。これが一般的になると、通勤ラッシュなども大幅に緩和されるなどの効果も期待できます。
ただ現状からいきなりVR出社が広く取り入れられるようには思えません。
現状の肌感覚としての普及率では、VRの普及には、あと2回の波があると思っています。
これから次に来る1回目の波でVRの普及がより進み、それによってVR所持率が高まった中小ベンチャー企業でVR出社が試験的に取り入れられ始めます。
それから少しして、「VR出社」自体が話題となり、他の企業も取り入れようという2回目の波が来ると私は見ています。
■1回目の波は何か?
最初の波はエンターテインメント、VRゲームから大きな話題の波が来ると考えています。事実VR業界全体でも、VRはゲーム分野から普及が始まるという考えが一般的になっているようです。
VRゲームはすで出始めており、今後さらに増えていくはずです。そこから大きな話題作が登場することで一気にその認知度とユーザー人口の増加が起こります。
例えば「ドラゴンクエストX VR」とか、あるいは「ポケットモンスターVR」などいかがでしょうか。ドラゴンクエストやポケットモンスターの世界を360度体感できるとなれば大きな話題になると思いませんか。
この文脈で考えると、VR出社を取り入れるのもゲーム会社やIT系のベンチャー企業から始まる流れになるかもしれません。
■VRMが変えるVTuberのゲーム実況
VRMとは日本発のVR向け3Dアバターファイルフォーマットで、対応した全てのアプリケーションで同じ3Dモデルのアバターデータを使うことができるという、プラットフォーム共通の新しいファイル形式のことです。
このVRM形式は、生放送・動画・ゲーム・チャットなど、それぞれ異なるVR 世界が繋がり、プラットフォームを超えた自由 なコラボレーションを実現することを目指しています。
つまりは、ゲームについて言えば、このVRMフォーマットが業界スタンダードになれば、自分の好きなキャラクターやオリジナルの3Dモデルでゲームを遊べるようになるということです。
そうなればVTuberは自分自身がゲームの世界に入って、その世界を救うという壮大な冒険を、これまでにない新しいゲーム実況を送ることが出来るのです。
現在VRMに関する取り組みは、一般社団法人VRMコンソーシアムが2019年4月24日に設立され、NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクや、「バーチャルマーケッ ト」などを運営するHIKKY、中国のbilibiliや韓国のSalinなど海外企業もそれに加盟し、国際標準化を目指す動きに国内外から注目が集まっています。
■これはたった2年先の話。
フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグさんは「VRの経済圏全体で利益が出るようにしないといけない。そのためには(オキュラスだけで)1000万人のユーザーが必要だ」と発言しています。
MyDearest株式会社CEOの岸上健人さんによると、この1000万人ユーザーという数字は、任天堂Switchの前半くらいの盛り上がりだということです。そして2022年、あのソードアート・オンラインが始まる年には1000万人ユーザーを達成するだろうと予測を打ち立てています。
あと僅か2年です。VRM統一が同時に来るかは分かりませんが、たとえ遅れたとしても、VTuberがゲームの世界を冒険する未来はやってきます。
■未来の歩き方
世界で最も影響力のある投資家の一人マークアンドリーセンさんは、「VRの方がARよりも1000倍大きくなる」と言っています。
VTuber革命は起こります。VRの発展と共に。
では、その未来に向けて私たちは何ができるでしょうか。
一番明瞭な解答は、「VRデバイス」と「VRM形式の3Dアバター」を用意することです。2022年を見据えて今から動けば、間に合わないことはないでしょう。
二つ目としては、情報を追いかけること。キーワードとしては「VRデバイス(Oculus、PlayStation)」「VRゲーム(MyDearest、SteamVR)」「VRM(VRMコンソーシアム)」辺りを中心に、Google検索とVR/AR/MR/VTuber専門メディア「Mogura VR」を活用して情報収集するとよいかと思います。来る未来に先手を取りに行きましょう。
そして三つ目が、情報を共有すること。VRの認知と期待が高まれば自ずと市場は大きくなり、1000万人ユーザー実現に繋がっていきます。
■おわりに
以上が、私の考えるVTuber革命です。
VTuberの可能性はこれだけに尽きませんが、一つの可能性として未来を考える一助になればと思います。
3POMICHI PROJECTでは、未知と未来に一歩を踏み出すきっかけになる情報発信をこれからもお届けしていきたいと思います。
それではまた、次の散歩道で会いましょう。またね。
■紹介■
MyDearest | マイディアレスト
https://mydearestvr.com/
岸上健人@東京クロノス|note
https://note.com/tokimekishiken
「VRって、いったいいつ来るの?」という問いにVR起業家が本気で答えてみるnote
https://note.com/tokimekishiken/n/ndb9deb80fa18
VRMコンソーシアム
https://vrm-consortium.org/
NTT ドコモ、KDDI、ソフトバンクほか 中国・韓国企業など 13 社が新たに加盟 PRESSRELEASE
https://vrm-consortium.org/common/pdf/ja_release.pdf