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自作超短編小説 スパイダー

スピッツ スパイダー 草野正宗

美しすぎる彼女と平凡なかんばせの僕
僕はどこにでもいる平凡な奴である。そんなこと中学3年生にでもなれば分かってくる。小学生の頃は別になにも考えたことなど無かった。中学生になり思春期に入り、人はガラッと変わる。思考も、身体付きも。そんな中で僕は平凡だと気がついた。やっと。そんな僕は寂しい部屋の隅っこでうずくまっているスパイダーのようだ。そんな僕にも気になると女の子がいる訳だ。僕はどうやらストーカー癖があるようで、知らないうちに彼女の跡を付けがちである。我に帰ると、やばいことをしていると思うが、また、それも堪らなく心地がいい。僕は平凡でおかしいんだ。そんな僕は今日もテクテク後ろをついていく、まぁバレないだろうとか思いながら。じめっとした夏の日、彼女はいつも曲がらない交差点を曲がる。僕はどきっとして、後を追いかけたが、見失った。そこは僕の地方では割と栄えている方に繋がる。家まで把握している僕はだが、こんなところ曲がるのには驚嘆。まぁ用事があるのだろう。と思いつつも、ほの用事が知れないことにソワソワして、悔しい。次の日は必ず見失わないと決心した。翌日。良く晴れた日だ。曲がらなかった。さらに翌日、じめっとして、雨がポツポツと降っている。彼女はあの角を前と同じように曲がった。僕は走り後をつけた。彼女はくねくねくねくねと、曲がる。周りの目を気にするように、曲がって曲がって、視界から消えるように。僕は知らないところへ来た。裏路地というのか、地元の人しか知らない感じだ。そこで、黒いいかにも高そうな車が止まっているところに彼女は近寄った。親かな?とも思ったが、僕は家を把握しているのだ、あんな車は見たことないと思った。中からはスーツを、きたお金持ちそうな、中年太りしたおじさんが出てきた。誰だろうと思った。2人は軽く話して車に乗り、走り去った。悔しい。とても。

夏が終わりそうな、カッターシャツも長袖が増えてきた頃。今日は親戚がうちにくるとかで、跡をつけることは出来ずに、帰っていた。抜け道を、スイスイと進む。そこで一台の車が、横切った。あの車だ。僕はかけった。見ると、車はラブホテルとやらに入っていった。怪しい嫌な匂いが、止まらない。バレないように長いのれんのようなものの下からしゃがみ覗き込むだ。
彼女だ。
頭が鈍器で殴られたかのように、がーんとなった。そういうことだったのか、なんとなく聞いたことがある。売春というやつだ。
僕はなんとも言えない正義感に駆られた。
平凡な僕は、平凡なかんばせの僕は、初めての感覚であった。今まで正義感とは無縁だったのに。

彼女を奪わなければ、逃げなければ。

僕には彼女を奪って逃げる使命がある。これは義務だ。熱い気持ちに駆られた。
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と、まぁ行動に移せず、毎日横目で君を見る日常である。しかし秘密を知ってしまった。彼女が、売春をしている。

千の夜も飛び越えて
走りたい気分であった。
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平凡な僕と綺麗すぎる彼女のお話でした。
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可愛い君が好きなもの ちょっと老いぼれてるピアノ
さびしい僕は地下室の すみっこでうずくまるスパイダー
洗いたてのブラウスが今 筋書き通りに汚されて行く

だからもっと遠くまで君を奪って逃げる
ラララ 千の夜を飛び越えて走り続ける
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スピッツの好きな曲スパイダーでお話を作ってみました。スピッツの一曲一曲は本当に小説を読んでいるかのように素敵であります。
これからもして行きたいなぁ、是非。

それでは、また


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