キングオブコント2020

 遅くなりましたが、キングオブコントの各コンビのネタ評をなんでもない片田舎のおじさんがやっていきたいと思います。

 ネタバレ有りです。


 まずは根本から、とりあえず司会は変えた方がいいと思ってしまいました。浜ちゃんに緊張してネタ終わりのフリートークがまぁスベるスベる。ウケるのは普段からダウンタウンと絡む経験がある人しかいない。浜ちゃんもとりあえず殴っておくかみたいな対応が多い気がする。
 そう考えるとM-1の今田ってオールスター感謝祭を仕切ってるだけあって、権威もあるけど緊張しすぎない程度で絶妙ですね。誰がいいんだろうなー東野、上田、有吉…。なんならさまぁ〜ずかバナナマンでもいいと思う。なぜなら審査員も変えて欲しいから。
 単純に10人くらいでそれぞれ採点と、やらないのはM-1との差別化をはかりたいということなのかな?であればイロモネア方式での加点とかはどうだろうかな?現場のお客さんにも採点させてランダムで選んでその人の得点も加算する。とか。
 とりあえずメインの審査員に作家とか劇団系の人入れて欲しい。

僕の考えた最強のキングオブコント審査員!

・松本人志
・大竹まこと(シティボーイズ)
・内村光良(ウッチャンナンチャン)
・飯塚悟(東京03)
・大竹一樹(さまぁ〜ず)
・千原ジュニア
・バカリズム
・設楽統(バナナマン)
・野々村友紀子
・藤井健太郎
・宮藤官九郎

あ、11人になっちゃった。じゃあ設楽は司会で。

では各コンビの各ネタのおじさん評です。
生暖かい目でご覧ください。

滝音(さすけ・秋定遼太郎)

 ラーメン屋で愛想の悪い客(さすけ)と店員(秋定)。実は大食い大会の最中だと明かされ、店員の通常の接客がおかしいという設定。
 最初の笑いどころ「いや、大食い選手権やねん!」1分あたり。
 無駄に麺をすするマイムが上手い。
 さすけの一人称が「あたし」で二人称が「あーた」っていうのはいつもなのかな?
 なんとなく東京ホテイソンのツッコミ思い出した。
 ツッコミのワードが独特で喋り方も独特だから理解に若干時間がかかった。
「胃袋テロリズム」の返しでリズム止まった気がする。
「ベロの偏差値2」
「足軽フードファイター」
「オブラートが分厚すぎる」
「私立中華料理高校の道徳の授業」
「ウイニングイートが長すぎる」
公式445点 平均89点 僕75点 江頭75点(Youtubeエガちゃんねるより)

GAG(坂本 純一・福井 俊太郎・宮戸 洋行)

 公園でフルートの練習をする女性(宮戸)の元に偶然現れる中島美嘉(坂本)。フルートを演奏すると野球をしているおじさん(福井)が現れる。おじさんは打球を追いかけて、中島美嘉とぶつかり中身が入れ替わる。
 中身が入れ替わるという一点でそれぞれ色々入れ替わる。
最初の笑いどころ『中島美嘉の登場』25秒あたり。
 松ちゃんがテグス使うのが嫌だっていうのはどういう意図だったんだろうなー。
俺はフルートと入れ替わるの好きだったけどなー。
 大竹が「宮戸のスカートの中が見えそうで嫌」と言っていて、たしかに宮戸が女性である必要あるのか?と思った。フルートの練習だから?フルートの必要?
「HEY!HEY!HEY!と間違えてます」
公式445点 平均89点 僕70点 江頭50点(Youtubeエガちゃんねるより)

ロングコートダディ(堂前透・兎)

 謎のバイトの研修。ムキムキの先輩(兎)とガリガリの後輩(堂前)。アルファベットと数字の書かれた段ボールが複数積み重なっている。指定された部品を特定の段ボールから取り出し所定の場所に持っていくというバイトらしい。
 最初の笑いどころは「俺、アホだからさ」28秒なんだけどその後設定の説明に1分半以上使う。本格的に話が動き出すのが2分過ぎから。
 ぱっと見では設定が分かりにくいけど、理解してからが気持ちいい。先輩がアホで無茶苦茶に効率が悪い。
 でも先輩がムキムキな時点で段ボールが重いというのは分かりそうなもんなので最後のオチが「重っ」なのは弱いと思う。
 終了後のフリートークが尽くスベる。
「段ボール初めてか?」
公式446点 平均89.2点 僕77点 江頭70点(Youtubeエガちゃんねるより)

空気階段(鈴木もぐら・水川かたまり)

 占い師キングインパクト(もぐら)の元におばあちゃんを亡くした青年(水川)がおばあちゃんに感謝を伝えたいと、降霊のお願いにくるが、占い師は近所に出来たコミュニティFMを受信してしまう。
 最初の笑いどころ「キングインパクト登場」2秒あたり。
 とりあえずキングインパクトのインパクトよ。
 ひたすら占い師に振り回される青年の図。
 もっと色々受信するのかと思ったらラジオ一本だった。最後に知らないおばあちゃん受信してたけど。
「誰と誰の何!?」
「キングインパクトって競走馬につける名前だぞ!」
「レディオ!?今日調子悪りぃわ」
公式458点 平均91.6点 僕85点 江頭70点(Youtubeエガちゃんねるより)

ジャルジャル(後藤淳平・福徳秀介)

 競艇場に営業に来た新人歌手(後藤)と事務所社長(福徳)。競艇場ではヤジが酷いからと社長がヤジを飛ばし歌う練習をする。
 最初の笑いどころはヤジが度を越えてくる1分あたり。
 さすがの貫禄。完成度が半端ない。こなれ感で行ったら群を抜いてる。
 ヤジを我慢して歌い切るという目的からどうやって歌うのをやめさせるのかという目的になるズレ。
 社長が最初登場した時に後藤が「社長」と呼んだのにすぐ「シカヌマさん」と言っていて。ちゃんと個人名が出てくることで後半のセリフの「社長としていうとんねん」が「社長のシカヌマとしていうとんねん」に自然にできて、強くなってる感じ。
 最初に構造を見せてそれを繰り返すのでどこで笑えばいいのかが分かりやすい。
「誰やねん!」「知るか!」「下手くそ!」が区切りになっているショートコントみたい。
「野次ワクチン」ってなんやねん。
公式477点 平均95.4点 僕90点 江頭95点(Youtubeエガちゃんねるより)

ザ・ギース(高佐一慈・尾関高文)

 職場で退職する先輩シゲさん(尾関)にミュージシャン志望の後輩シンドウくん(高佐)が音楽をプレゼントする。
 最初の笑いどころ「シンドウくんがやっている楽器がハープと判明する」55秒くらい。
 まずハープが登場するところでもっと笑いが起きる予定だったんだろうなー。ゴッドタンでやってたのでギースがハープ出来ると分かってたのかなー。
 残念なプレゼント出す時はハープがなる前に驚いてるからハープが弱いですよねー。
 二人が早い段階で分かり合うより、ハープを否定する側とハープの魅力を伝えたい側で対立していった方が良かったような気がする。
 最後はシゲさんが紙切りで小田和正のCDジャケットを切って終わり。
 ネタ終わりのフリートークで「手応えあり!」は開き直りだと思った。
公式457点 平均91.4点 僕75点 江頭40点(Youtubeエガちゃんねるより)

うるとらブギーズ(佐々木崇博・八木崇)

 陶芸の師匠(八木)と弟子(佐々木)。焼き上がった作品を鑑定してダメなのは割っていく。
 最初の笑いどころ「間違って良い作品を割っちゃう」1分20秒あたり。
 笑いどころが良い作品を割っちゃうという一点しかない。
 そして陶器を割るというシチュエーションなのでマイムは仕方ないのかもしれないけど笑いのキモの部分がマイムなのはキツい。逆手にとって割れないとか「ぼよーん」と跳ねるとかあっても良かったのかな。
 相当こだわりをもっているであろう師匠が早々に良い作品を割っちゃうし、良い作品があとあと結構出てくるし、なかなか展開しずらいネタなのかな。
公式440点 平均88点 僕70点 江頭78点(Youtubeエガちゃんねるより)

ニッポンの社長(辻・ケツ)

 ケンタウロス、下半身ウマの男子学生(ケツ)が牛頭、頭が牛の女(辻)と運命の出会いをはたす。
 最初の笑いどころは「ケンタウロスの出落ち」0秒くらい。なんだろうな。
 1分20秒あたりまでケンタウロスの独白。そこから牛頭の女と出会い、あとはHYのAM11:00という曲を交互に歌う。でも牛頭の女は人の言葉が話せないらしく化け物みたいな声出す。間奏でキスをすると牛頭は言葉が話せるようになる。
 もしかして、めちゃめちゃ演技力がいるネタなんじゃないだろうか。孤独を抱えた学生がやっと分かり合えるかもしれない相手と出会って、しかしそれは異形の者で受け入れられるか葛藤。学生は出会った瞬間に受け入れていたのか?そうすると牛頭が声でるようになった時の喜びは大きすぎる気がする。
 歌いながらもっとそのへんの葛藤を表現した方が良かったんじゃないだろうか。イントロで棒立ちはもったいない気がする。
公式454点 平均90.8点 僕76点 江頭70点(Youtubeエガちゃんねるより)

ニューヨーク(嶋佐和也・屋敷裕政)

 リュウジ(屋敷)の結婚式で余興を披露するマサオ(嶋佐)。
 最初の笑いどころはたぶん「短期間しか練習してないはずなのにピアノとハーモニカを同時に演奏する」ところ。1分20秒あたり
 完成度高し。片方がボケ続け、片方がツッコミ続けるネタ。規定の5分ぴったり。このタイプのネタはボケがスベらない限りずっと笑いが起きる。
 余興の進化度がちょうど良かった。
 松ちゃんがにゃんこスターの匂いがするっていったのはあの移動が原因なんじゃないかと思う。笑いどころの前の最初の移動もあれで良かった気がするけどなー。
公式461点 平均92.2点 僕87点 江頭93点(Youtubeエガちゃんねるより)

ジャングルポケット(おたけ・太田博久・斉藤慎二)

 機密情報を持つ男(斉藤)と情報が欲しい男2人(おたけ・太田)。娘を使って脅しをかけるように装うが娘の情報が詳しすぎる。
 最初の笑いどころたぶん「マイメロディだ!」1分あたり。
 完成度高し。やり慣れているネタなのかもしれないけど力入りすぎな感じがした。
 娘の話からご近所の不倫話になっていき、斉藤がそこに食いつく過程が弱い気がする。もっとなんか欲しいなぁ。
 おたけが説明して、太田がボケるというのを固定して欲しかったかな。役割分担がボヤけると3人である必要を感じにくくなってしまう。
公式454点 平均90.8点 僕82点 江頭60点(Youtubeエガちゃんねるより)

ファイナルステージ!

ファイナル・空気階段(鈴木もぐら・水川かたまり)

 同級生ハルト(鈴木)に恋をしている定時制高校に通うクスノキアオイ(水川)。授業中の手紙のやりとりで恋心を伝えていく。
 最初の笑いどころ「ハルトの登場」38秒あたり。
 とにかくハルトのインパクトよ。ハルトの奇声押し。このネタをファイナルにもってきているあたり優勝する気なかったんじゃないかな。水川が終わった後に「恋の尊さを伝えたい」と言っていたけど本当にそうなんじゃないだろうか。
「口紅ひいてくれるって言うから」
公式463点 平均92.6点 僕78点 江頭80点(Youtubeエガちゃんねるより)

ファイナル・ニューヨーク(嶋佐和也・屋敷裕政)

 髪を切りすぎて帽子をかぶっているやくざの弟分(屋敷)と帽子を脱がせたい兄貴分(嶋佐)。
 最初の笑いどころ「帽子取って直接みせろ!」1分30秒あたり。
 また5分ぴったり!
 帽子を取るタイミングを逃した弟分と意地でも帽子を脱がせたい兄貴。意地と意地のぶつかり合い。やくざという設定が上手い。ボケがないのにこれだけ見せられるのすごい。絵に描いてみせるという妥協案に兄貴が納得できていたらこんな悲劇は起こらなかったんだろうな…。
 遠藤憲一と原田龍二あたりにやらせたら笑いおこるのかな。
公式463点 平均92.6点 僕83点 江頭30点(Youtubeエガちゃんねるより)

ファイナル・ジャルジャル(後藤淳平・福徳秀介)

 泥棒の先輩と新入り。なぜか新入りがタンバリンを持ってきている。
 最初の笑いどころ「何やそれ?」「タンバリンです」「なんでやねん!」47秒あたり。
 最初の笑いどころからずっと面白空気が続く。
「なんでそんな安定感ないねん」「つるっつるなんか」
 最初に音が鳴ってると気づいた時に一回猫かと思うのいいなー。
 金庫を開けるとまたタンバリン、中の小さい金庫に鈴。なんだこの会社。
 タンバリンが抜けないってなんだ。
 最後に先輩が戻ってきたのって新人のためじゃなくて、タンバリンでカモフラージュした方が逃げやすいからだと思った僕は心が貧しいんでしょうか。
「桶やない、タンバリン!」
公式464点 平均92.8点 僕89点 江頭50点(Youtubeエガちゃんねるより)

総評

 仕事だったんで生で見れなかったんですよ。録画を見るまで極力情報を排除しようと思ってたんですが無理でしたね。スマホでニュース開くと絶対出てくんだもの。
 この時だけは俺の興味のある記事を探してくんな。と思いました。そういう機能あるんかな?興味のある記事を逆に表示させなくする方法。
 開き直ってさらっとだけ見てたら「今回のキングオブコントは良かった」みたいな意見が多くて期待してしまったのですが、正直うーん。な感じでした。去年のM-1が良すぎたというのもありますが。
 去年のM-1の何が良かったって全体のレベルが高かったのはもちろんネタ順も最高だったんですよね。ネタ順はくじなので完全に奇跡なんですけど、キングオブコントも今回のネタ順はどうだったんだろうなーという気もしました。
 コロナ禍でスタジオの空気も作りづらかったんだと思いますがお笑いの空気にするのに時間がかかった。ネタ終わりのフリートークもスベってた。冒頭で書いた大物司会者の影響も少なからずあったと思います。ジャンポケ、ニューヨーク、ジャルジャルあたりが前半出てたらまた違ったんじゃないかなー。
 漫才もコントもお笑いで、性質の違いこそあれ優劣はないはずなのに、M-1と比べるとキングオブコントに格下感が出るのはなんなんだろう。二番煎じだからかな。まぁ比べんなって話なのかもしれませんが。
 なんか相当偉そうにつらつらと書き込んでしまいましたが、お笑い芸人さん、マジリスペクトです。リスペクトしているからこそ思ってしまうことがあるんです。ただのおやじの戯言と流してください。
「素人が何分かった口きいてんだバカ」みたいなただの罵倒は受け付けません。でも、「ここのこれはこういう意図でこうなんやでバカ」は大歓迎です。
好きです。コント。



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