2022年

 2023年2月5日。今年が始まって1カ月くらい経った。何もせずに1日をだらだらと過ごして朝5時半。まだ外は暗い中、全くと言っていい程に暖かみの感じられない真っ白い光が闇に抗っている部屋で2022年に思いを巡らせる。
 時は変わらず流れているだけなのに1年という区切りを強く意識する自分がなんだか頭の固い人間のように思えてくる。そもそもなんで1年は12カ月で365日なのかもあまり分かっていないのに。結局自分は本質を見ていないんだというよく分からない着地をする。これこそ本質を見ていないな。
 2022年はどんなだったんだろうか。
 共通テストを受けた。授業料半額のために9割とるんだと臨んだが、9割とれなかった。3教科しか受けてないんだから9割くらいとれよと八王子のアパートで誰かが言っていた。結局、授業料は半額免除になったけれど、それが分かった後も9割くらいとれよと言っていた。この時期は食欲が抑えられずに人生で1番太った。自分の姿は毎日見るから変化に気付きにくいもので、太ったという認識はしていなかった。少し痩せて写真を見返して初めて気付いた。インスタント麺を煮る3、4分が待てなくて何かを食べて待つなんていう生活をしてたくらいだから、あんまり頭が働いてなかったのかな。
 そんな状態で入学を迎える。新しく関わる人が出てくる。可愛い子ぶって話してしまう。自分の内面が露呈するのを怖がってそうしているんだろうか。他人から見ても気持ち悪いと思うけれど、自分はそれ以上に気持ち悪いと思っている。結局、1番内面がばれるやり方を選んでいるような気がする。人と関わるのがとことん下手だ。自分の好意を身勝手に押し付ける。そんな好意は好意じゃない。なんてここに書いているけれど、本当のところではそれを分かっていない。
 夏の終わりに引っ越して、学校は後期に入った。後期に入って少し経った頃、可愛い子ぶる自分がなんだか何処かに行ったような感覚を覚える。自分の中身が出てきた訳ではないのだけれど、緩やかな変化を感じた。日々皮膚の細胞が新しいものに変わっていくのをちゃんと感じることが出来ているような、そんな感覚。
 外の空気が冷えてきた季節に、思ったことを素直に言えない苦しさは果たして本当に苦しさだろうかと疑い始めた。それを苦しさとしたら、全部に理想を求めてしまって、もっと大きな苦しさが自分が存在するすべての場所を壊してしまうと思った。このことが、今まで見てきたいくつかのことの意味を説明した。
 2022年はこんな感じだった。
 自分の頭の中を全部出したくないから、出す場所はここではないと思っているから事実の羅列のようなつまらない文章になる。そんなつまらないものを適当に書くのは心地良くもある。外はもう明るい。そんな僅かな心地良さは朝ご飯の代わりくらいにはなるだろうか。
 

 
 
 

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