ディスクレビュー: Pudeur / Fange (LP: Flesh)
メタルの重さとは違うもう一つの核、つまり鋭さに対しての革新。破壊のカタルシス。不健全な音楽。
インダストリアル/ノイズとプログレッシブなメタルコアが融合し、驚異的な速度で進化を続けるフランスのFangeの2020年アルバム。クラシックなロック要素を徹底的に排除し、デビュー時とはまるで別バンドのごとくサウンドはノイズとディストーションに潰れているのだが強靭なビートとギターリフの轟音とが精密に組み立てられている。しかし無機質にソリッドに身体性をそぎ落としているのにその音はどこか繊細で美しい響きを持っている。それはメタルの重さとは違うもう一つの核、つまり鋭さに対しての革新的な確信があるように思う。保守的なメタルサウンドの解体、そして新たなサウンドの提示。スラッジ、ドゥーム、ノイズ、インダストリアル。やはりここにあるのはパンク/ハードコア的なロマンチックな価値観ではなく、破壊のカタルシス。不健全な音楽。
tracklist:
1. Soleils Vaincus 04:42
2. Cafard Céleste 03:57
3. À Tombeaux Ouverts 03:02
4. Génuflexion 07:40
5. Croix De Paille 04:47
6. À Blanc 06:21
7. Dieux Gémissants 03:25
8. Total Serpent 05:12
Text by Akihito Mizutani (3LA -LongLegsLongArms Records-)
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