ディスクレビュー : Loma Prieta - "Last " / 漂白された現代に捧げる新しいSkramzの陰と陽について
3LAでレコード入荷しています。今回は活動15年以上のUS西海岸エモバイオレンス、Loma Prietaの2023年作品について
2023年の最新アルバム、盤カラーはBaby Blueでタイトル印字されたPVCスリーブ付属。
Loma Prietaの存在が2020年代に入ってここまで大きく感じることになるなんて想像してなかった。2005年から活動を始め、US西海岸のScreamoとして作品のリリースを重ね数度に来日もあるけれど、初期のエモバイオレンススタイルから徐々に音楽性を進化させてきたとは言え、やっぱりどこか時代の評価と折り合わないようなイメージ(みんなの評価が爆発的になることがないって状態)があったんだけどこのアルバムはめちゃくちゃ良い。この時代に照準がピッタリとあった過去最高の音になった。
Loma Prieta周辺人脈で言えば、ElleやGhost Spiritといったバンド活動からもフィーバークを受けてのことだろうか、エモバイオレンスの要素だけでなくリフよりもコードワーク主体で、よりメロディも際立つ形になり、楽曲的にもサウンド的にも新しいバンドの姿を見せている。元来のRAWさを保ちつつ、クラシカルな音使いやアンビエント、リバーブの響きの絶妙な妙をコントロールしていく職人芸。ノスタルジックなエモさとポップさを両立した音色は強い生命力が溢れている。マイナーコードのシンコペーション多用して畳みかけていく展開もROSIER味があってドライブ感があり、それがまた音の緊張感ともかなり合う。
2008年の『Last City』から15年目の2023年に『LAST』なのは偶然なのか?
漂白された白と黒の世界=現代。
愛、金、仕事、生、死... 人生、意味なし。
本作もある意味では激情ハードコアの世界観、つまりはセカイ系かもしれない。
tracklist:
1. Sequitur 00:41
2. NSAIDs 02:43
3. Sunlight 01:29
4. Dose 02:44
5. Fire in Black & White 03:08
6. One-Off (Part 2) 02:09
7. Circular Saw 02:20
8. Symbios 05:28
9. Dreamlessnessless 03:09
10. Glare 05:40
11. LLC 04:15
以降は、いつものようにあまり公に公開する内容でない箇所が含まれるため有料としています。有益なテキスト一切なし!それでも読みたい方は…。
漂白された現代に捧げる新しいSkramzの陰と陽について
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