一時帰国:またね、日本。ただいま、インド
4年ぶりとなった日本への帰国も最後の夜となった。
機内用の小さなトランクと、チェックイン用としては小さめのトランクの2つに荷物を詰める。
インドから日本に来た時は、チェックイン用のトランクは2つだったが、そのうちの1つには、夫がおいて行った書類を詰め込んでトランクごと戻したので、インドに戻る今は、トランクが1つ少ない。
だが、元々、みんなへのお土産がほとんどだったので、お土産を配って空いたスペースに今度は自分の物やインドのみんなへのお土産を詰めて、ちょうどよくなった。
元夫と娘がアメリカに旅立ってからも使わせてもらっていた部屋は、どうしても好きになれなかったが、元夫には使わせてくれた感謝の気持ちを込めて可能な限り掃除をした。
二人が日本にいた頃から、食べきれないのじゃないだろうかと心配していた食材(作ったごはんも)は、やはり食べきれずにかなりたくさんの食べ物が冷蔵庫に入れっぱなしにされていた。
可能な限りは私も食べたが、残り少ない日本で自分も食べたいものがあるし、何より3人分で用意されていた食事なので、残念ながら食べきれずに捨ててしまったものもある。(神様ごめんなさい・・・)
部屋の選び方も含めて、ご飯のムダを減らすことは、元夫には今後も学んでいってもらいたい。
フライトは9:40に羽田から出発なので、家からは朝の6時前に出発した。
大家さんに鍵は預けていくのだが、朝早いので郵便受けに入れておいた。家から最寄りの駅まで結構あるが(徒歩20分近くかかる)が、軽いトランク二つなので、ガラガラと音をさせて、歩いて行った。
元夫には「運転手を手配しようか?」と言われたが、なるべく頼らない様にしようと思い、電車で行くことにした。どのみち羽田なので、そこまで遠いわけではない。
西大島→馬喰横山/東日本橋→羽田空港と、乗り換え実質1回で行ける。馬喰横山/東日本橋の乗り換えが結構遠いのと、トランクがあると乗り換えが大変だが、親切な人が手伝ってくれて、かなり余裕をもって空港に到着することができた。
朝早い時間ではあったが、それなりに人はいた。
オンラインのチェックインは済ませているが、まずは荷物を預けてしまいたい。フライト情報を見ながらカウンターに向かい、荷物預かりのカウンター近くにある預け荷物の受付機と初対面した。
これで受付するの??
列が長いので、この受付機で時間が短縮するのかと思い、まずは機械に恐る恐るさわってみる。自分の名前やフライト情報を記入し、パスポートで認証すると、預け荷物の個数に合わせて荷物に付けるためのタグが印刷されて出てくる。自分でトランクに付けて、列に並んだ。
しかし、それほど長い列ではないのに、中々進まない。
これを事前にやっているだけの短縮率はどのくらいなのだろうか、と思いつつ、並んでいる人々を観察したり、スマホを見たりしながら時間をつぶした。
少なくとも30分以上はたっぷり待たされて、やっと自分の順番になった。
荷物は特に問題が無いが、搭乗できるかどうか、ドキドキした。陰性証明書の提示を求められたので、「やっぱり念のため検査を受けておいてよかった~」と思いながら、最後のセブンイレブンで印刷した陰性証明書を提示した。(ちなみに抗体検査であったが、特に指摘はなかった。)
無事に荷物も預け、搭乗もできそうで、時間にも余裕があったので、少しゆっくりしようと思い、レストランフロアに向かってみた。
しかし、朝早い時間なので、まだ開店していないお店も多く、最後に食べたいものもあったのだが、家を出た時に念のため買っておいたおにぎりと納豆巻きをベンチに座って食べた。
インドに戻ったら、納豆巻きとか気軽に買えないよなあ。。。
簡単な朝ごはんを済ませ、時間に余裕はあったが、お店も開いていないので、セキュリテイと出国審査に進むことにした。
日本で実装されているセキュリテイのプロセスは、インドと比べて少し簡素であると思う。電子機器を全てトレイに出す必要はなく、バッグごとトレイに入れればよいので、セキュリテイを受ける側としては楽ちんで良い。セキュリテイの観点からはどうなのか分からないし、インドで時間がかかるのは、単に人数が圧倒的に多い為なのかもしれないが。
身体検査は、今回初めてボディスキャナーを体験した。数秒で済むし、触られなくていいし、とても良いと思うが、検査をしている側にはどのように見えているんだろう??と気になった。
出国審査も機械にパスポートをスキャンして、その上で、希望者は窓口でスタンプをもらう。
そうしてセキュリテイも出国審査も問題無く終わり、搭乗ゲートの近くまで来ることができたが、時間には余裕があった。
この頃にはレストランも含めて開店しているお店も増えていたので、最後の晩餐(朝だけど)に何かを食べようか、何か買って帰ろうか、ぶらぶらすることにした。
「今からインドに帰る」と思うと、全て食べたい気にもなるし、お土産屋さんもなんでも欲しい気になってしまうが、お腹も空いていないし、必要ないものを買って行ってもムダなので、コーヒーだけ買って搭乗案内を待つことにした。
フライトの出発時間が近づき、搭乗案内が始まったので、早めに並び飛行機に乗り込む。
行き(インド→日本)の教訓を活かして、早く飛行機に乗って、上の荷物を入れるスペースを確保しようと思ったが、私の隣の2席に誰もいなかったので拍子抜けしてしまった。勢い込んで乗り込んだのに(笑)
ビジネスクラスのすぐ後ろの席なので、前の部分に余裕があるし、窓側だし、隣には誰もいないし、行きとは大違いの状態にほくほくした。行きは席を勝手に取られるし、上に預けるスペースは無いし、大変だったけど、帰りは余裕があって嬉しい。
この日はどんよりした天気であったが、出発して雲の上に出ると、青空が広がっていた。お昼のフライトだと、窓の景色を見ているだけでも楽しい。何か大きな変化があるわけでもないのに、青い空と白い雲をずっと見ていられる。
フライトでは、これでしばらく日本食ともお別れだと思い、食事は残さずにしっかりいただいた。次はいつ帰って来れるかな。
無事にインドに到着し、飛行機を降りて空港の建物に入り、メッセージを確認した。猫たちの面倒を見てもらっている友人に、迎えに来てくれるように言ってあったので、もう空港に来ているかどうかを確認した所、「ごめん。具合が悪くて来れない。タクシー代を払うから自分で来てくれない?」との連絡が。
ええ~お迎えに来れないの??
がっかりしながらuberの料金を確認すると、友人が送ってくれた金額よりも高かった。
ちょっと・・・足りないよ。
今はだいぶ整備されたが、インドの空港にはもちろんまだたくさんの客引きがいる。uberを呼んでも、ピックアップしてくれる場所に迷う事が多かった様な気がして、どうやって帰ろうかちょっと迷った。
幸い、荷物はトランク2つでどちらも重くないので、メトロで帰ることにした。数百ルピーをケチってメトロにしたのが間違いだったのだが、この時は判断を誤った事に気づいていなかった。
空港からのメトロはオレンジラインしか出ていないので、AirPort(オレンジ)→New Delhi(イエロー)→Rajiv Chowk(ブルー)→家の最寄り駅のルートになり、何度か乗り換えが必要になる。
デリーのメトロは乗る前にセキュリテイチェックがあり、空港と同じ様に、バッグをスキャン(バッグのままでOK)して、ボディチェックがある。これに時間がかかる上に、乗り換えで結構歩いた。
その為、最後の乗り換えで、家の最寄り駅に行くブルーラインに乗り込んだ時には、逆方向に乗ってしまったことに気が付いていなかった。メトロの中にはちゃんとマップがあって、到着駅にランプがつくようになっているし、それをずっと見ていたのに疲れていたためか全然気が付かなかった。
メトロが動き始めて30分ぐらいすると、乗客もかなり降りて座るスペースも増えてきた。既に座っていた若い女の子二人連れが、「空いてますよ」と声をかけてくれたので、私も座ることにした。
ああ、あともうちょっとで家に着くな。疲れた。。。
その女の子たちがじっと見つめてくるので、話しかけると、喜んで答えてくれた。どうやら外国人と話しをしてみたかったらしい。二人とも大学に入ったばかりだと言うので、息子と同じぐらいだなあ、と思いながら、若い二人の将来なりたい職業を聞いたりしていた。
女の子たちは先の駅で降りたので、ふと我に返って、現在地を確認すると、私が思っていた駅ではなく、むしろ出発点の空港にもうすぐで到着する所だった。
ええ!!ここはどこ??前にもこの路線に乗ったし、同じプラットフォームから乗った(はず)なのに!!!
もうどの駅でも構わなかったので、すぐ次の駅で降りて、反対側のホームに向かう。乗り換えした駅はこのブルーラインのちょうど真ん中ぐらいの駅で、今や反対側の終点まであと少しまで来てしまっていた。
家は、このブルーラインのほとんど反対の終点近くなので、今からブルーラインを端から端まで移動しなければならないのだ。体力的にはまだ大丈夫だったが、今来たルートを後戻りしなければならない事実に対する、精神的ダメージが大きかった。
しかし、わめいても叫んでも早く帰れるわけではないので、大人しく席に座って、ひたすら通り過ぎていく駅を数えて過ごした。
やっと最寄りの駅に着いた時は「後もう少しだ!!」と思ったが、ここから家までタクシーを捕まえなければならない。空港もすごいが、この駅もタクシーの客引きがすごい。uberで事前に予約し、「タクシー?タクシー?」と声を掛けてくるヤツらは全員無視して、一目散に予約しているタクシーに乗り込む。
タクシーに乗り込んだら、本当に(後もう少し)と言う気分になれた。
次に空港に行く時は、少しお金を払うことになってもタクシーにしようと心に誓った。
家に着いてもうくたくたであった私は、「ごはん食べているから、ちょっと待ってよ~」と言う友人にムリを言い、家の前まで鍵を持って来てもらった。
にゃんたちはママが返ってきたから喜んでくれるかな~??
と思ったが、家に入っても見えるところにいたのは1匹だけで、2匹はしばらく姿すら見せてくれなかった。猫ってそんなものよね。(笑)
もうこの日は荷物を整理する力が残っていなかったので、すぐにしまわないといけないものだけを片づけ、シャワーの後にベッドに飛び込んだ。
飼い主がベッドに寝始めた事で、「ん?エサくれる下僕(私の事)が帰ってきたらしいぜ」と思ったのか、エサや水を求められる様になり、いつもの日常が戻ってきた。
ただいま、インド。またね、日本。
次はもっと早くに帰国したいな。
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