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整理回収機構卒業への道①

月曜は仕事(三宮一貫楼)ネタ

↑からのつづきです。

今回よりタイトルも新たに
綴っていきたいと思います。

平成17年はじめて訪れた整理回収機構(以下RCC)
大阪支店において、
夢のような話(大幅な債務免除)を聞かされて、
今までしてきた苦労が報われた思いが
したのも束の間。

RCCを卒業=債務免除決定
に至るまでの道程は一筋縄では到底行きません。

まずわれわれが
取りかからなければならないことは、
RCCから紹介された監査法人とともに
向こう10年を見通した、
詳細な再建計画書を作成することでした。

たとえその計画書を作成しても、
さらに厳しいことが待っています。

それはRCC以外の債権者にその再建計画書の
内容に対して、
納得して判子をついていただくことが
必要になります。

ここがめちゃくちゃ難しい!


単純に考えると、
RCCの返済負担が大幅に減って会社が潤う。

良いことづくめじゃないの??


いえいえ。
事態はそんなに簡単なものではありません。

詳細まで表現することは難しいのですが、
このような債務免除を含む再建事案において、

当該案件の債権者は等分に負担を
負うという不文律があります。

当時のケースにおいては
RCC、A信用金庫、B銀行(第一地銀)の3行が
主な債権者にあたります。

では3行等分の負担とは?

例えば、RCCが当社に貸している債権の9割を
免除するとなったら残りの2行もそれ相応の
負担を負わなければ話が成立しない
というのが原則になります。

一気に話が難しくなるが
お分かりになるかと思われます。

一応株式会社の体ですが、親方日の丸が
明らかなRCCと一民間金融機関が同じ芸当は
天地がひっくり返ってもできません。

もちろんRCCもそこは
ちゃんと踏まえていて、
再建に向けて、どのような協力が
可能なのかを債権者同士で話し合いをする
という、
前向きな姿勢を示してくれていました。

今回のシリーズはそのあたりのシビアな
攻防が見所になろうかと思います。

まず初回の今回はストーリーの下地の説明に
時間を割きました。

具体的な交渉内容などはまた次回より。

(つづく)

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